
日本で長く人気があり、今でも話題になる夭折したロック歌手と言えば尾崎豊。
新しい規格が出る度に 真っ先に取り上げられるアーティストであり、数年間隔で曲がヒットして話題になります。
今回は尾崎豊の経歴と作品についての情報。アルバムの時代背景や解説、聴いた感想を紹介します。
■ 尾崎豊とは
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尾崎の作品を親しめるように、経歴をざっと紹介。
● 経歴 ~ デビューまで
尾崎 豊(1965年11月29日 - 1992年4月25日)
名前は本名で東京生まれ。2人兄弟で次男として誕生。
音楽は、小学生の頃に転校し学校に馴染めずにいた時に興味を持つ。家で兄の持っていたギターと音楽を聴いたのがきっかけで知識を形成していく。
その後は転校し生徒会副会長や文化祭実行委員長を勤め、高校受験は青山学院高等部に合格。加えて陸上自衛隊少年工科学校の1次試験にも20倍の競争率を突破して合格。 頭が良くリーダーシップもあり、その反面で酒を飲んだり喫煙やケンカなどトラブル起こすなど2面性があったようです。
・人間性
反逆のカリスマと呼ばれ、笑ってる写真が公開されず『難しそうな人』の印象が強いが、デビュー時の神秘性を高める戦略です。 実際は礼儀正しく社交性があったと言われる。ライブのリハーサルで楽しそうに笑う姿が多い。初期のライブで、演奏前のバックステージで機嫌よく笑ってる尾崎がスタッフに「尾崎、笑うなよ」と警告されている映像が残ってる。
■ 人気と音楽性について
尾崎豊は今でも人気がある。
影響を受けたアーティストは多く、宇多田ヒカルさんのカバーが有名。GLAYのTAKUROやX-JAPANのYOSHIKIなどもファンだったと語っている。あとジャニーズの社長が尾崎のファンで、アルバム「17才の地図」がSMAP名称の由来になったとも言われる。
何年か周期でブームが来るが、現在の若い女の子でも人気があるようです。TV番組でアイドルグループのNMB48全員が尾崎豊を知っていると答えてました。渋谷凪咲さんは学生時代に『15の夜』をずっと聞いていたとのこと。
● 作風、ジャンル
作風は変化し続けた。
尾崎が音楽開始の初期はフォークやニューミュージックに興味を持ち、井上陽水やイルカ。音源で尾崎自身によるさだまさしのカバーも残されており、後の尾崎作品での歌詞や繊細なメロディーに影響がうかがえる。
プロになっても、浜田省吾や佐野元春に影響を受けたとライブのMCにある。 デビュー時からプロデュースに須藤晃が関わった影響も大きい。須藤の関わった浜田省吾やエコーズと似ている部分が有り、露出を控え神秘性を高める戦略やモノトーンのジャケットや写真、自分の世界感を打ち出す独自性の強さ、楽器構成なども大きく影響を与えている。 後期は早いビートやラップに近い歌など変化し続けた。
● ライブの凄さ
激しいライブが有名。ステージを走り、時に転がりまわる。初期の頃行っていた高所から飛びおりる行為では骨折もした。 歌唱は、テンポが速く激しい曲をごまかさずに歌い切り迫力がある。
空手をしていたのと、著作によると学生時代に音楽を聴く一方で、毎日走る距離を伸ばして体力を付けておりライブでのタフさと歌唱力につながっていく。
● 繊細な歌詞
おそらく日本でカリスマという言葉が使われた初期の人物です。
学校での大人への反発から始まり、社会に反逆する先導者のイメージで人気が出るが、これが尾崎豊を苦しめてる大きな要因となる。しかし苦難と戦い20代からは哲学性が高まり、新しい世界を切り開いた。アルバム『誕生』では世界での争いや不条理まで語る。
歌詞の特長に冷静な視点や哲学性がある。例えば『15の夜』では反逆と孤独を唄う一方で自分の存在に悩み、そして「自由になれた気がした」と締める、『卒業』では「先生あなたはか弱き大人の代弁者なのか?」「あと何度自分自身卒業すれば、本当の自分にたどり着けるだろう?」とまとめる。反逆の情景が主体でも、逆らってる相手への思いやりや恋人への愛情、自分の行く末と現状を冷静にみつめるる。
反逆を歌うようで、実は妥協して生きていく大人への理解と、社会やシステムに勝てない自分を知っており諦めを持つ。ただ反抗を煽るアーティストより進んでいた。そして哲学を備えた思考は深化し、『誕生』では”生きる意味を探すことが人生”だと言い切る。
うわべだけでなく、実は深い思考と愛情も備えていたのが 今でも評価される部分でしょう。
■ 特長と ネット通販各社の作品購入用リンク
尾崎豊の作品を紹介していきます。
● 購入用リンクの使い方
製品の特長と購入用リンクを紹介します。
商品写真と、横の商品名リンクは、基本としてamazonへのリンクです。
なお他のネット通販販売品を見たい場合は、
○○で検索をクリックすると、通販サイト内からの検索結果を表示します。
■ 配信版
人気アーティストであり多くのサイトで配信と販売されています。
2016年頃からハイレゾ版の作品が販売開始。
・Amazon > 尾崎豊
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■ アルバムCD
アルバムCDを紹介していきます。発売順に並べました。
再発で特殊な仕様、現在手に入りにくいSACDや限定の紙ジャケットは省いています。
● 1-3作目 / 10代3部作

最初の3作が「10代3部作」と呼ばれ、現在でも高い人気を持つ。
繊細な気持ちと情景描写、ストーリーのある歌詞と綺麗なメロディーが魅力。
・01: 17歳の地図 /英題「SEVENTEEN'S MAP」(セブンティーンズ・マップ)。
初アルバム。シングル「15の夜」と同時発売。
尾崎が高校進学中に制作。音楽で食べていくと決意し、オーディションを受け合格する。須藤晃が担当となり作品が完成しました。ジャケットは田島照久さん。浜田省吾など多くのアーティストやアニメ作品も手がけ、シンプルで印象に残るアートを作る方です。
発売はアナログレコード時代で、A面B面単位で聴くと上手に構成されている。収録曲は吟味されており、人気曲が詰まってる。繊細な歌詞と初々しさの残る綺麗な声、すこし荒削りな部分も残り魅力がある作品。
「15の夜」は自身の教師に反発して家出した経験から作られ、プロデューサーに初めて持っていった曲。本人の自信作だったのでしょう。「I LOVE YOU」は人気となり、有名アーティストもカバーする名曲となりました。
今作タイトルは、ジャニーズのSMAPで名称の由来になったとも言われています。
何度か再発売され、2013年にはBlu-spec2 CDとなり高音質化されました。
・02: 回帰線
1985年3月21日発売 CBSソニー
本作発売前の尾崎の状況。高校に退学届けを出した尾崎豊は、卒業式と同日にライブデビューを決定。その後に6都市の全国ツアーを行ってからレコーディングに入る。作品内の歌詞と重なる状況です。
そしてアルバム『回帰線』と先行シングル「卒業」が発売。プロデューサーは須藤晃で全作の作詞作曲は尾崎豊、ジャケットは田島照久が担当。
全体にロック色が強まり、繊細さと迫力も出た。音もシンセサイザーが増えて透明感も増し聴きやすくなる。歌詞は学校や社会に対する疑問を問いかけるロックから、大人びた曲まで有る。
「Bow!」「Scrap Alley」では、社会に上手く溶け込めない若者の気持ちを代弁し、描写の幅が広がった。「卒業(GRADATION)」はヒット曲となるが、困ったことに窓ガラスを割る模倣犯が出ました。尾崎は影響を与えたことに「責任を感じている」とコメント。ちなみに尾崎自体は曲作成の頃に窓ガラスを割ってないそうです。「ダンスホール」は自身のオーディションで歌われた曲で、尾崎最後のライブでラストに歌われる曲となりました。
アナログ版の構成だとA面の始まりはアップテンポの「Scrambling Rock'n'Roll」で、締めは「卒業」。B面は「シェリー」で挫折から這い上がる気持ちを歌いドラマティックに終わる。
かなり良いアルバム。何度か再発売され、2013年にはBlu-spec2 CDとなり高音質化された。
・3: 壊れた扉から 『THROUGH THE BROKEN DOOR』
10代三部作の最後。作品タイトルは、尾崎のコメントをまとめると「成長する上で開き、そして道ばたに埋もれていく扉」を示す。 この頃の尾崎はライブの人気も高まり大阪球場ライブでは2万人を動員。そして今作は尾崎の誕生日前日に合わせるように強行予定で作成された。
1曲目は「路上のルール」から派手に始まる。「Freeze Moon」や「Driving Allnight」ライブでも良く歌われる人気で激しい曲が収録。反面で「米軍キャンプ」、「ドーナッツショップ」や「誰かのクラクション」など穏やかな曲も多く陰陽がはっきりした曲構成。
派手な曲があるが、印象に残るメロディーや繊細な歌詞の曲が無くなったのが残念。ただ歌唱力は上がり声も良く伸びており楽器の力強い演奏も噛み合わされる。音のバランスが向上して聴きやすいアルバムで成長を感じる。
● 20代作品 /

20代になると尾崎はやや混迷。活動を休止したりレーベル移籍が増える。
酒やドラッグに溺れだし、覚醒剤で逮捕され不倫疑惑も浮上。スキャンダルが増えました。ただトラブルも上手く消化。曲に反映して進化しており、20代からの尾崎の作品は完成度が高い。
音は厚く,時に尖っており進化した。歌詞では都会での孤独や社会の理不尽との葛藤を描いて哲学性が高まった。
・4: 街路樹
1988年9月1日発売

活動再開後初のアルバム。
制作期間がアルバムの中で一番長く、尾崎は制作とトラブルに苦しむ。レーベルはマザーアンドチルドレンに以降。プロデュースは吉野 金次さん。佐野元春の名作『SOME DAY』や大瀧詠一,YMOメンバーの作品も多く担当した方。
制作過程は、須藤晃から離れることになり楽曲演奏のスタッフもほぼ総入れ替え。不調の時期で酒や薬に頼りだし、シングル「核」の発売後に尾崎は覚醒剤で逮捕。しかし結婚して曲作りに戻り、アルバム完成に至る。 ライナーノーツは本人のイラストや最後にメッセージが入る。
曲内容は、渡米経験が反映されてアメリカの風景を描く歌詞が増える。そしてテーマが変化して、シンプルな反抗や問題提起の歌は無くなる。バイブルや祈りなど尾崎の宗教に対する価値観が出てくる。またスローな曲でも最後は前向きになることが多かった手法から変化して虚無感の中で漂う心情が多く、ストーリー仕立てが多かった初期と比べると、オチのない独り言の曲が増え「核 (CORE)」のように陰鬱で深刻な曲が多い。シンプルな音作りは、今の時代に聴いても良くてどっしりとした低音が印象に残る。
ただしヒットしたシングル曲「太陽の破片」が含まれず、バランスを取る明るい曲が無いのが損してる。「COLD WIND」は格好いい。迫力があり、次作の「誕生」の雰囲気を示唆させるようなサウンド。今作から汲み取れるのは、尾崎が好きなアーティストのスタイルを取り込もうとしていた。浜田省吾のアメリカの雰囲気、渡米した佐野元春が持つおしゃれなサウンドにギアチェンジしたかったのでしょう。 しかし歌詞が調和せず、音作りではアメリカのサウンドと言うには消化不良だった。 後に尾崎は今アルバムを失敗作と語っている。
復帰第一弾で売れたアルバム。理想を目指し変化に挑んだ気持ちが伝わる。次作の成功に繋がる兆しも出ている。現在では曲が補完された2枚組が出ており、完成度が上がった。
・5: 誕生 / 『BIRTH』
1988年9月1日発売
尾崎が復調した傑作アルバム。
制作背景は、前作の後に尾崎はマザーエンタープライズとの決別する。古巣のソニーとプロデューサー須藤晃との制作を希望する。しかしマザーとの契約が残っていたため小説の執筆などを行う。 私生活では第一子の尾崎裕哉が誕生。
そして事務所を浜田省吾の在籍する「ROAD & SKY」に移籍。プロデュースは尾崎本人で須藤晃はディレクターで参加。須藤は身体を壊していたが補うように尾崎は曲をたくさん作る。人生の苦しみや音楽作りでの悩みを吹き飛ばし、尾崎の新しい音楽と世界感を持った作品が生まれた。
『誕生』は、尾崎スタジオアルバムで唯一のCD2枚組で大ボリュームとなる。
切れの言いギターと重いドラムから始まる「LOVE WAY」。やや字余りの歌詞がラップ調でハイスピードな曲と唄・重い歌詞となる尾崎の新しいスタイル。テーマでは「銃声の証明」でテロや犯罪など新しい領域にも踏み込む。アメリカの雰囲気は「ロザーナ」や「COOKIE」で上手く表現される。私生活での結婚や子供の誕生が嬉しかったのでしょう。全体に明るい曲が増えて喜びの感情が増えた。
最後になるアルバムタイトル曲「誕生」は10分近い大作。内容は尾崎自身の経験と重なり、生い立ちと犯罪や自殺未遂を告白。そして未だ見ぬ子に語る「苦しむことすらも活きる意味」だと言い切る。そして力強く子どもと自分を肯定し歌は終わります。
~ 苦しみや悩みを愛に変えて表現する、尾崎の本領発揮であり完成形でしょう。今までの悩みを吹き飛ばす傑作。
アルバム全体の構成と完成度の高さを持つ。私が一番好きなアルバムです。
・6: 放熱への証 / 『CONFESSION FOR EXIST』
1992年5月10日 発売

制作背景は、前作の発売後に尾崎は「ロードアンドスカイ」を離脱し、自分自身で音楽事務所「アイソトープ」を設立して家族をスタッフにする。この頃に斉藤由貴との不倫がスキャンダルとなる。 予定したライブツアーをキャンセルしたため、ツアーの再開は困難となる。尾崎の人間不信は悪化。そんな中に母が急死。次作のプロデュースは自分自身と、過酷な状況下で作品作りに苦しむ。そして発売間際の4月28日に死亡。
作品題は、まるで死を予期していたように『放熱への証』。ジャケットは十字架の上に横たわる構図。
作品内容は、せっかく前作で決着を付けたのにまたもや悩みの世界へ。自身の苦しみを代弁するように混沌とており、アルバム『街路樹』の頃に戻った感じ。
表題曲「汚れた絆」は、音楽活動での仲間や斉藤由貴との不倫を思わせるような意味深な歌。今作は尾崎自身がほとんどアルバム制作をしており、音楽関係者にに宛てた部分も多そう。「自由への扉」は歌詞内容は明るいのに声が伸びきらず、なぜか暗い雰囲気。「Get it dow」も同様でアップテンポで格好いい曲になりそうだがこなせてない。「Mama, say good-bye」は作品制作途中で無くなった母に贈る曲だが、結局はスタジオアルバムで最後の曲となる。
思うに完成途中で出された作品の雰囲気。個々では良い曲が多い。アルバム『街路樹』と同様に仕事の苦しみと、今回は母の死で完成形に持って行けなかったように感じます。
アルバムは話題作となり、オリコンで一位を獲得しミリオンセラーとなる。
■ ライブアルバムCD

ライブが定評ある尾崎。ライブ収録作も人気があります。
・ LAST TEENAGE APPEARANCE / 副題「THE MYTH OF YUTAKA OZAKI」
1987年10月21日発売
発売時期は尾崎が活動を休止してレーベルを移り再スタートしたころで3作目『壊れた扉から』と4作目『街路樹』の間に相当する。古巣のソニー須藤晃の提案により今作が発売される。なお制作時期は尾崎本人が不調の時期であり、作品制作自体には関わってない。
内容は10代最後のツアー「LAST TEENAGE APPEARAANCE」で、1985年11月15日代々木オリンピックプールの公演で20曲の内から13曲が収録。
初期3作での人気曲が詰まって、ファンには嬉しいアルバム。体調がピークの頃が収められておりハリがあり伸びる声で力強く歌う。曲のアレンジも抑え気味で聴きやすい。




































