![メトロポリス [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ssscjiUxL.jpg)
『メトロポリス』は、SF映画の原点であり傑作。
今日は、映画『メトロポリス』の見所や感想を紹介する。
■ 『メトロポリス』解説。概要とあらすじ

『メトロポリス』は、1926年にフリッツ・ラング監督により制作された映画。SF映画として有名だ。
そして莫大な制作費が投じられたことも知られる。予算は530万マルクまたは約 2,100万ユーロ相当の費用が掛かった。エキストラは3万人を超える。多くの衣装や特注自動車50台などが投入された。
1927年1月10日にベルリンでワールドプレミアが行われた。公開時の尺は153分と言われる。
1927年3月に米国で初公開。アメリカ版は短縮版となる。配給契約で変更が許可されていたため、105~116分程度に編集された(正確な上映時間は不明。資料により上映時間が異なる)。
その後、UFAからドイツの国家主義者が経営を引き継ぐ。共産主義や宗教部分が削除され118分に短縮。その後さらにナチス検閲によって91分まで短縮された。その後、英語版も配布される。
1984年にモロダー版が公開。 モロダー版は2002年、2008年に再編集版が公開されている。
現在、メトロポリスには様々なバージョンがあるが、視聴可能なもので120~150分程度の長さとなっている。
● 制作のきっかけ
フリッツ・ラングが1924年10月にニューヨークを訪れたことがきっかけだ。かれは高層ビルの立ち並ぶ街路を歩く中でメトロポリスを思いつく。工業化と大量生産もテーマに組み込まれた。そして第一次世界大戦後のファシズムや共産主義も題材として扱われる。原作はラングと妻が執筆した。
● 制作
制作には無名の二人がキャスティングされる。主演のグスタフ・フレーリッヒ(フレーダー)は、元は今作にエキストラとして雇われていた。ブリギッテ・ヘルム(マリア)は別作品のセットでラングの目に留まり、メトロポリスで長編映画デビューとなった。
撮影は過酷で、長期間にわたる。監督によるリテイクも多かった。だが出演した子供たちは、清潔な撮影現場と食物が4回提供されることに喜んでいた。
● その後
制作者のフォン・ハーボウは1933年にナチス党員となった。彼女とラングは翌年離婚。そしてラングはナチスから逃れるためにアメリカに移住する。
■ 作品の評価
今作は時代により賛否が分かれる作品だ。
公開当時は美しい美術が評価されている。だがストーリーをH・G・ウェルズが批判している。
『メトロポリス』は、多くの人に影響を与える。SF映画を作る映画監督達の多くが影響を受けたと語る。日本でも手塚治虫や大友克洋などの巨匠が感化されており、同名の作品が制作された。
■ 映画のあらすじ

Metropolis 401 / glynneh
舞台は2026年。
公開当時から100年後の未来となり、メトロポリスと呼ばれる都市が舞台。
メトロポリスは進んだ未来都市。 だが下層では労働者達が過酷な労働を強いられている。”脳”と呼ばれる上流階級と”手”と呼ばれる労働者関係との対立していた。
恋物語もある。主人公フレーダーと労働者の娘マリアだ。 フレーダーはマリアに一目惚れし、階級の垣根を越えて彼女を追う。その途中でメトロポリスの歪んだ支配構造や過酷な労働を目撃する。

Metropolis / Diana Garcia BOG
そんな中、フレーダーの父である支配者フレダーダーセンは、主人公の恋愛に危険を感じる。そこで科学者にマリアの偽物を作るように依頼した。 だが科学者ロトワングは、過去にフレダーの母ヘルに恋心を持っており、フレダーセンを憎んでいた。
博士の作ったアンドロイドは、マリアとすり替わる。偽マリアは、労働者を扇動してメトロポリスを破滅へ導く。
フレーダーは労働者と支配者の階級を超えて、崩壊するメトロポリスを救おうとする。
■ 各年代の配給について

Metropolis (1927) / twm1340
映画保存協会によるメトロポリスのデータを参考に解説する。
1924年にラングと妻がシナリオ製作開始。2015年5月22日に撮影開始して翌年10月に完了した。
・アメリカ版
1926年にアメリカのパラマウントに持ちこまれて短縮版が制作。
アメリカンバージョンとして公開される。配給時には大きくカットされた。理由は上映回数を増やして利益を上げるためだ。 そしてフレイダーの母ヘルに関するシーンが削除されて、博士がアンドロイドを作る動機付けと復讐の根源が無くなる。さらに影の男の追跡シーン,ヨシワラでのシーン等が削除された。

"Metropolis" (1927 film) / Archives New Zealand
1927年1月10日にベルリンでプレミア上映。上映時間は153分でオーケストラが付いた。2部に分け3時間半あったといわれている。その後は、ドイツのウーファにて短縮版が公開される。
・制作会社の倒産。短縮版が主流となる。そしてフィルムが散逸
巨大な制作費用が回収できず、本国制作会社は倒産。その後は各国の配給会社も短縮に追随して、配給は短縮版が主流になる。そして第2次世界大戦が起きてフィルムは散逸。オリジナルは幻となる。
・困難な復元
2010年版がでるまでは、『メトロポリス』の全容を知る事は不可能と考えられていた。
制作時のフィルムと公開時の長さを比較すると、なんと148:1。そして新たなフィルムが発見されても、撮影に多くのフィルムが使用されたために配給用か編集用なのか判別が困難。復元に大きな問題を残していた。
■ 戦後の再公開

戦後も再公開、編集版が各国で公開された。
有名なバージョンを紹介していく。
・1984年 モロダー版登場。人気となる。
1984年に有名なバージョンが登場。作曲家ジョルジオ・モロダーが手がけた”モロダー版”だ。
当初はモロダーは新しいサウンドトラックを作成するつもりだった。だが決定版となるプリントが残ってないことに驚く。
そして計画を大規模な再構築に拡大した。 フィルムに着色。そして音楽を付けて劇場公開した。古典映画にモロダー自身やフレディ・マーキュリー等の有名ミュージシャンの音楽を組み合わせたのだ。
映画は分かりやすく構成された。冒頭に公開の経緯が文字で紹介。
そして追加されたシーンには文章解説も入る。劇中では新たな英語字幕を採用。効果音も取り入れられた。
なおモロダー版はWikiの解説では、ラストで握手をしないで終わると書かれている。だが私が所有していたビデオ版は、他のバージョンと同様に握手をしようとするシーンで終わっている。
日本では、当時レンタルビデオが存在。後にLD版が発売された。海外では2011年にDVDとBlu-rayが発売。
・ミュンヘンアーカイブ版 (1987) 109分
ニューヨーク近代美術館にある版や、新発見の検閲記録、スチール写真等が利用された。
・2001年復元版 123分
2001年にマルティン・ケルパーが復元。
ミュンヘン版に世界から集められたネガや新発見されたフィルムを追加した123分版が発表。デジタル編集で復元が進行した。
2001年にベルリン映画祭で初公開された。初演のオーケストラ伴奏も復元されている。2001年復元版はユネスコにより映画で初めて世界記憶遺産に登録される。
2003年にDVDで発売。
・2010年版 完全なメトロポリス 148分版
2008年に今まで未発見だったコピーが、アルゼンチンの美術館で発見された。
アルゼンチンの映画が、劇場公開前に入手していたラングのオリジナル版をもとに作成されたものだ。原版の損失に備えて作られた16㎜の縮小ネガだ。
状態が悪いフィルムだが修復されて、状態の良い既存アーカイブに追加編集された。これまでの最長フィルムより25分長くなった。画質を除けば、1927年の公開に基づくバージョンとなった。
2010年2月にベルリンで初公開。
交響楽団により音楽も演奏。劇場や家庭用に再録音された。
同年にDVDやBlu-rayでリリースされる。
■ メトロポリスの魅力

Metropolis / atharva80
メトロポリスは1920の無声映画だ。だが構成は現代映画に近いので古い映画と構える必要は無い。例えばアップやロングショット、複数ドラマの進行などの技術が既に使われている。
見所を紹介する
● ストーリーとテーマの魅力

Metropolis / Banalities
物語は、王道の展開だ。
主軸は二つ。 階級を超えた邂逅と恋物語。そして舞台となる巨大都市での暴動と破壊だ。
・主義の対立
テーマは資本主義や共産主義の歪みを指摘している。支配者と労働者の対立は人類が抱えてきたテーマで、作品中では古くはバベルの塔設立の神話やソロモンの伝説を織り交ぜながら問題提起する。メトロポリスの持つ問題の根深さを理解し、対立をどうやって乗り越えるかが見所。
当初は、労働者の勝利で終わる予定だった。だが制作に関わったラングの妻により労働者と頭脳階級が和解するように変更されている。
・救世主の存在
マリアが予言する、”心(Mediator)”と呼ばれる存在。脳と呼ばれる上流階級と手と呼ばれる労働者の差を埋め橋渡しをする存在が問題解決の鍵となる。対比を際立たせるためにロボットマリアが投入され、メトロポリス自体と合わせて”心”の不在は破滅を招く様が描かれている。フレーダーが救世主となるのも分かりやすい構成だ。
■ 世界観

Fritz Lang_Metropolis Film_robota / tonechootero
多くのSF作品に影響を与えた世界観が魅力だ。
巨大な高層ビル。庭園や豪華な衣装。そしてアンドロイドは美しいロボットを視覚化した。
高層ビルの間を飛行機が飛び、地上では多くの車がうごめく。
巨大セットや数千人規模の群衆シーンは圧巻。また2001年版以降では地下都市の洪水や群衆シーンなどの見所が多く追加された。
■ 人物描写

Metropolis / drmvm1
魅力は俳優陣の演技力の高さだ。
主役フレイダーの細かい表情。そして2役演じるマリアの表現力。
さらに脇役にいたるまで演技力は高い。
・フレイダーの魅力
引き込まれるのはフレダーの魅力だ。最初はただの”金持ち息子”だ。序盤は女たちと楽園で遊びほうけて、一目惚れしたマリアを追いかけるだけ。だが途中で過酷な労働現場を体験、そして労働者を助けるうちにメトロポリスの歪みを訂正しようと行動する。
やがて自分の役割を認識し、労働者のなかへ飛び込んでいく。沈み行く地下から子どもたちを助け、不和を乗り越える救世主に変貌する。
・ヒロインの魅力
ヒロイン役のブリギッテ・ヘルムは、マリアの清廉さとアンドロイド・マリアの狂気を見事に演じている。
マリアは、陰鬱な世界の中で輝く存在だ。そして有名なアンドロイド・マリアだが面白いのは、俳優ブリギッテ・ヘルム本人がコスチュームに入っている。
・歪んだ世界
スポーツは、運動では無く上層階の人間たちのゲームとなっていた。自然も上層階の人間たちが楽しむだけの娯楽スペースにしか存在しない。
下層界は悲惨だ。上層階とは異なり労働者たちは機械のように働く。子供たちも暗い地下に押し込められていた。
■ 関連作品や商品
現在手に入れられるメトロポリスの製品を紹介。
メトロポリスは多くのバージョンが発売されている。
気になる方や「また観たい!」あなたのために紹介する。
■ 現在作品を観る方法
現在、作品はDVDやBlu-rayで視聴可能だ。
ブルーレイ版では解像度が上がり、モノクロで状態の悪かった映像が大分細かな部分まで観られる。
なお1927年版はパブリックドメインとして公開されている。
こちらも無料で視聴が可能だ。
■ メトロポリス 完全復元版 2010版

現在の最新バージョンだ。
復元内容だが、2008年に発見されたフィルムが追加された。
現在手に入るメトロポリスのメディアでは、最長であり150分版となる。
音質も画質も良い。そしてストーリーをより深く理解したい場合や未発見映像を見たい方に向いているバージョンだ。
~例えば数秒の復元して追加されている。表情や仕草を見せるカットも分かるようになった。大きな欠落部分では、アメリカ版でカットされ長く謎だったヨシワラのシークェンス、ヘルの像の前でのフレダーセンと博士の会話、影の男の行動、洪水からの脱出シーン等の映像が追加された。
音楽も良く調和している。音楽は2013年にブエノスアイレスでのライブ演奏のものだ。
難点は追加フィルムの状態が悪い。そのため復元シーンが多いあたりは、視聴時に画質に気が取られる場合が有る。
構成は元のフィルムに解説を加えた構成だ。
冒頭に、音楽演奏者の紹介シーンが入る。そして作品の公開経緯と復元関係者が文字で紹介されて本編へ入る。
日本語字幕入り。
・(Blu-ray Disc)2010
・メトロポリス 完全復元版(2枚組)2011 DVD
■ メトロポリス [DVD] 2006
![メトロポリス [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41ssscjiUxL.jpg)
2001年ベルリン映画祭で公開されたバージョン。
復元だが、復活したシーンも多い。メトロポリスの話しを理解する・視聴を楽しむのに最も向いているバージョンだ。
復旧はデジタル化されて編集が行われている。
当時新発見されたフィルムを追加。変更された中間字幕もオリジナルに戻した。動く映像が現存しない箇所には、新たに文字説明が追加された。
全体の画質が整っており、一番ストーリーが理解しやすいバージョンだ。
そしてモロダー版に比べて追加シーンが多くて字幕も多い。例えば冒頭でメトロポリスが映る部分や、バベルの塔での群衆シーンなど、モロダー版で見辛かったセットの詳細が分かる。また特撮や撮影技術のすごさが理解できる
音楽も良い。フッペルツ作曲の原曲伴奏付で、音楽が場面に調和している。
■ 1984年公開 モローダー版 83分
Giorgio Moroder Presents Metropolis1984
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1984年に公開されたモロダー版。
オリジナル至上主義の方々に酷評されることも有る。だがモロダー版は、1984年当時にはマニアが知るのみだった古典SF『メトロポリス』を、一般に普及させることに成功した。
復元内容は、当時入手しうるフィルムと写真を使用して編集。そしてカラー彩色も行われた。
強みは音響面に力が入れられたこと。モロダーと当時の人気アーティストが参加した音楽。そして効果音が加わる。映像はQUEENの『RADIO GA GA』やフレディのソロ曲『Love kills』のMVにも流用されている。
モロダー版は、導入部の解説と音楽から強いインパクトを持つ。そして場面に応じた曲が、雰囲気を盛り上げて音楽の力を感じさせる。重々しいモロダーの曲”Machine”や、マリアと出会った時とラストにかかる”Here's My Heart”が素晴らしい。
欠落部分が多くてストーリーが把握しづらいが、それがスピード感にもつながる。余談だが、私が初めて観たのがモロダー版だ。興味本位でレンタルで友人と観たが、音楽や映像のセンスが良い事に驚き、そしてストーリーにも感動した。
今作は長く音楽ライセンスの問題により、メディアが販売されていなかった。
2011年版にBlu-rayとDVD版がリリースされた。ただし、難点がある。現在流通してる販売版に、日本語字幕版が無いのが非常に残念だ。
・Giorgio Moroder Presents Metropolis [Blu-ray]
現在入手しうる、高画質のモロダー版。
残念なことに日本語字幕無し。
リージョンA: 南北アメリカ、東南アジア、日本、朝鮮半島、台湾
言語: 英語
字幕: 英語, フランス語, スペイン語
・Giorgio Moroder Presents Metropolis [DVD]
リージョン1なので、リージョンフリーのプレイヤーかDVDが必要
日本語字幕無し。
■ サントラ
・ゴットフリート・フッペルツ:映画音楽「メトロポリス」 CD, Import
Huppertz Gottfried (アーティスト) 形式: CD
完全復元版のサントラ。雄大な音楽です。
・ 1982年のモロダー版サントラ。
モロダーの曲と当時の有名アーティストの挿入歌が収録。国内版も発売されており、CDは私も持っています。日本語ライナーノーツが付く。
80年代の人気アーティストが多数参加している。曲も良い。冒頭の地下労働場へ下っていく時の重々しい音楽”Blood Frome Stone”。マリアを観た時とラストで掛かる”Here's My Heart”は作品内容とよく調和して素晴らしい。
現在、流通が多いのは輸入盤だ。
■ 廉価版
この版は私は未視聴なので、データからの紹介。
・メトロポリス / Metropolis CCP-315 [DVD]
アルフレート・アーベル (出演), ブリギッテ・ヘルム (出演), & 1 その他 形式: DVD
気楽に手に入る廉価版で118分バージョンだ。
オリジナル版として流通する映像に、版権フリーのクラシック音楽を付けた製品のようだ。
画質が悪く欠落部分も多いので、価格が安いことが強みだ。 あまりオススメできません。
・メトロポリス 特別編 新訳版 [DVD]
119分版。
こちらも画質が悪く、版権フリーのクラシック音楽を付けた製品のようです。
日本語訳も一応付いてます。
■ その他
・メトロポリス [DVD] 2001
2001年に劇場公開。手塚治虫の漫画を、りんたろう監督と大友克洋脚本で映画化。
大まかな設定、世界観は、フリッツラングのメトロポリスが下敷きだ。制作はマッドハウスだ。絵や動き、背景画は素晴らしい。
全体では退屈な構成だ。作品全体に間延びしている印象だ。例えば、妙に遠い構図や大友克洋アニメ特有のフラットな展開と進行。そして興味を惹くエピソードや話に大きな軸が無くて、淡々と話が進む。また人物に表情が無くて感情も深みもない。薄くて長いのだ。
展開は、日本アニメ定番のロリコン趣味と暴走だ。また声優に素人が多いのも見づらい。どうやっても盛り上がらないまま終盤になる。崩壊シーンでは、制作の好みか有名映画のオマージュか。レイ・チャールズの「I Can't Stop Loving You」が流れ始める。完全に破綻していて理解不可能。私は初見の際に失笑した。
私はこの作品に関わった人を尊敬している。手塚先生、大友先生の漫画本は紙媒体でほとんど持っている。そして映画制作陣は日本を代表する人達ばかりだ。 でもこの作品では、なぜこれほど退屈になったのか。私見を取り除いて、評価しようとしても『映像は綺麗』それだけだ。
実際に映画の評価は低くて、今では埋もれた作品となっている。
■ 終わりに

Metropolis / Banalities
SF映画の名作というと、あなたは何を思い浮かべますか?
多くの人はスターウォーズ。またマトリックス等を思い浮かべるでしょう。だが『メトロポリスは』多くの映画やマンガ等に影響を与えています。
メトロポリスには、美しさが漂う。
まず序盤、フレイダーの前にマリアが現れるシーン。 上層階にある楽園のような場所に、マリアと子供たちが現れる。踊り遊ぶ人たちに、マリアは憎しみを見せない。子供たちに教える「あれは私たちの兄妹です」と。観客もマリアの言葉と清廉さに心を打たれるだろう。
マリアに惹かれるフレイダーは、マリアを探すうちにメトロポリスの真実に近づいていく。
民衆はメトロポリスの格差に憤る。そして容易くニセマリアに翻弄されてしまう。だが窮地に陥る民衆のこどもたちを救い出しすのは、フレイダーの善なる心というのも素晴らしい展開だ。
現在のニューヨークでは高いビルに富裕層が済み、豊かな生活を送る。そして労働者たちは地上で働き続ける。1920年代に作られた映画が描いた世界は、本質をついている。
現在も世界には富と貧困が存在して、争いがあふれている。『メトロポリス』が指摘していた問題は今だ残ったままだ。
メトロポリスは、SF映画の古典。
映画、そしてSF好きの方にも、ぜひ観るのをお勧めします。
■ 参考、関連サイト
・ 増幅する『メトロポリス』に関するノート|映画保存協会(FPS)
・ユネスコ 《世界記憶遺産》 _ Memory of the World|映画保存協会(FPS)
作品の雰囲気やざっくりとしたストーリーはフレディマーキュリーの『Love Kills』で分かる。本来はMVだが、『メトロポリス』をうまくまとめた構成になっている。
・EN版 Wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Metropolis_(1927_film)
■ 更新情報
2024年1月24日 文章調整。区切りを追加した。
2023年6月1日(木) 文章調整。読みやすくした。画像を追加。404画像を削除。各版の情報を英語版Wikiから抽出して、追記した。曖昧だった公開日や作品上映時間を正確にした。
2019年3月22日 文章調整、あらすじと概略を前半に移動。
2017年7月10日 文章調整、ヤフオクリンク削除









