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2016年09月16日

おすすめ映画「ブラック・レイン」 〜見所と、ややわかりにくいオチの解説

映画パンフレット 「ブラック・レイン」 監督 スタンリー・R・ジャッフェ 出演 マイケル・ダグラス

 今回紹介するのは、
映画「ブラック・レイン」


 高倉健や、松田優作。日本の有名俳優が多く登場したことで有名。

 作品は、シンプルな刑事アクションものですが
オチがややわかりにくくなってます。

 今回は、「ブラック・レイン」の不可解な部分、オチの解説をします。

 一度見て、わからない方向けです。
多分、こうだろうな、というオチを仮説、推測しました。
ネタバレ、謎やオチ解説ですので、知りたくない方は見ちゃダメです。(~_~;)


■ はじめに ブラック・レイン (1989年) とは 


映画チラシ 「ブラック・レイン」監督 リドリー・スコット 出演 マイケル・ダグラス、高倉健、松田優作

 1989年の映画。

 監督は、「ブレードランナー」や「エイリアン」のヒットで、人気が上昇していたリドリースコット。 
マイケルダグラス主演。
音楽は、今は、映画音楽から手を引きましたが「バックドラフト」や「APPOLO13」など大作を手がけたハンス・ジマー。撮影は「ダイハード」を撮影し、後に「スピード」で有名になるヤン・デ・ボンと一流のスタッフが関わっています。

また、日本の俳優が多く登場。高倉健や松田優作が出ており、松田優作の遺作となりました。

 日本でロケが行われ、大坂周辺で撮影がされています。
ハリウッドの有名監督、豪華な日本俳優人が出演するということで、当時の日本でもかなり話題となっています。


■ 映画のあらすじ




 映画のジャンルは、刑事、アクション。

 ヤクザ間の抗争を阻止すべく、日米の刑事が追跡します。

 松田優作扮する凶悪なヤクザを、主人公がアメリカから日本に渡って追跡する形で、
そこに、日本の有名俳優陣が、刑事やヤクザとして関わる形になっています。
 ストーリー自体は、同監督の「ブレードランナー」によく似ています。


 

■ 見所

 見所部分を紹介しますね。

● 昭和の日本。大坂


Osaka International Airport / cotaro70s


 大坂がこんな雰囲気に映せるのか、と感心します。
日本に来る主人公。機上から見える大阪は、まるでブレードランナーの街並み。


factory at night / Crystalline Radical


監督は、雑然とした雰囲気を取りたかったそうで、新宿を予定していましたが、思うような協力が得られず大坂に変更になったとのこと。中心街に加え、下町や工場なども多く登場しています。


道頓堀 / wongwt


 大阪を舞台は点々とし、
梅田や、道頓堀、十三や下町。今はなき風景。懐かしい景色が見ることができます。


門司港栄町商店街 / rail02000


 やたら、室内に扇風機が置かれていたり、麺類を食べるシーンがあるのも
リドリースコット監督ならでは。楽しいです。


● 日本の名優が大活躍。

RAH リアルアクションヒーローズ 佐藤浩史 by 松田優作 1/6スケール ABS&ATBC-PVC製 塗装済み可動フィギュア

 役者の熱演が見所。
主人公を演ずる、マイケル・ダグラスを喰う勢いです。

 死を覚悟して、作品に挑んだ松田優作。
独特の迫力ある演技、長年培ってきたアクション。松田優作の魅力が炸裂。
エネルギーにあふれていて、昔の主演作品より若く見えます。

 そして、実直な高倉健さんの演技も輝きます。


● 日本への敬意、アメリカとの壁

 当時の映画としては、かなり日本に大して、研究され
敬意、好意を持って、作られています。

 バブル期であり、日本へのバッシング。風当たりが外国から強い時期だったことを考えると、
ブラックレインは、日本の文化や風習を良く描いています。
 後に、1993年に作られた映画「ライジング・サン」が日本で反感を受けたことを考えると
ブラックレインは、現在でも人気が有り、かなり成功した作品でしょう。

 ブラックレインも、日本の描写で違和感のある部分も有りますが、
日本映画であまり触れられない部分が、描かれています。

 例えば、警察と反勢力。単なる悪との対決が構図ではなく、ヤクザの起源のひとつにも触れます。
ヤクザの親分である菅井が、第2次大戦戦で米軍の爆撃を受け、焼け野原になって消えた街。アメリカがふらせた「黒い雨(ブラックレイン)」で、自分を見失った、と言います。
憎しみ。アメリカに対する怨念を告白します。
そして、金のためならなんでもする。仁義もない凶悪な佐藤だが、アメリカの押しつけた価値観のせいで生まれた。


100 Dollar Bills / 401(K) 2013


 そして肝心のドラマ部分。
アメリカと日本の考え方が激突します。
新世代のヤクザ、日本の刑事や、官僚と思想がぶつかりあいます。


ITM - Osaka International Airport. / MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito)


 ただ、そこで”自分を押すことをよし”とするアメリカ映画。
ダーティハリー以降に主流となった、”はぐれ者の刑事が単独で、自分を曲げずに事件を解決していく”のと比べ、
ブラック・レインは、日本映画の作りになっていて、はぐれ者の主人公が、社会回帰していく。
主人公が友情や、仕事でチーム間のつながりを大事にする日本に対し、寄り添う姿勢を感じます。

 マイケルダグラス演じる刑事は、汚職に手を染め、離婚し、アメリカでは職場でも調和ができなくなっていますが
事件を解決するために、日本で行動する内、日本側の刑事の誠実さや、真面目さに影響を受け、
上司やヤクザの幹部に礼や敬語を使ったり、慣れない箸を使って食事したり、日本の文化に馴染もうとするのは好感が持てます。

 アメリカから来てヤクザに殺害された主人公の相棒チャーリーの遺品。
刑事バッチが返却せずに、貰えるかはさておき、松本が自宅で仏壇に祀ってるシーンなど、感心します。

 そして、日本側も、単に受け側でなく
堅物な松本が、ニックを理解しようと、命令違反や本国への送還命令を破って行動するうち
自分も、証拠品を渡したり、謹慎を破ったりと。「穴から飛び出すべく」手伝うのも楽しい部分です。


■ 謎解きと解説


 わかりにくい部分を、解説していきます。
無茶な推測や、こじつけなどは避けてます。


● 人名、キャラ,用語解説

主人公 ニック・コンクリン(N.Y市警の刑事):マイケル・ダグラス
ミニブロマイド写真★マイケル・ダグラス/アップ


前半の相棒 チャーリー・ビンセント(N.Y市警の刑事):アンディ・ガルシア
ミニブロマイド写真★アンディ・ガルシア/アップ


相棒 松本正博警部補(大阪府警の刑事):高倉健

佐藤浩史(ヤクザ。作品内の適役):松田優作






■ 不可解な日本

 日本でのロケが行われましたが、思うように協力が得られず、
10週の予定を5週で切り上げたそうです。 そのため、作品を補完するように
アメリカでの撮影が多くなってます。

 それゆえ、日本人では無い人、ネオン光る街に、良く分からない漢字の看板があふれて、
これまた、ブレードランナーのような雰囲気が出てます。



■ 農場での対決シーン、なぜニックに佐藤は殺されなかったか。

 米国映画で良くあることですが、

 実際は、殺されるシーンと殺されないシーン、二つが撮影されています。
しかし、監督は、ニックが学んでいるなら、殺さないはず。そしてストーリーの展開や佐藤の魅力から
殺されないシーンを選んだそうです。

 ファンからすると、これで続編への期待がつながりますが、
ブラックレインの公開直後に松田優作は他界しており、
次作に佐藤が登場することは無くなりました。(T-T)


■ オチ解説 


 やや分かりづらいのが、ラスト。
主人公ニックが、健さん演じる松本(マサ)に包みを渡します。

 マサが、ニックに貰ったつつみを空けて、シャツが入ってます。
そして、そこには偽札の原版。

 これは、ニックが原板を返したのは分かるが、
「隠して持って帰ろうとしていたのか」「何がしたかったのか」
ヘタをすると、思いつきで返したように見えます。意味するものか分かりづらいですね。

 でも、冷静に見ると分かるので、オチを解説しますね。



■ プレゼントの意味。 マサへの贈り物

 一見すると、ニックが
お土産に隠してアメリカに持ち帰ろうとしていたように見えますが、違います。

 アメリカのお土産でない理由は、エクゼクティブと書かれているので、幹部向けのシャツのようです。
作品中でスーツ(背広)が嫌いなニックが、シャツを自分、もしくはアメリカへの土産にする理由が無い。

 マサへのプレゼントだった理由は

 ひとつは、シャツを選んだことにヒントがあって、
作品の前半で、チャーリー(アンディガルシア)が、クラブで仲良くなって、松本にネクタイをプレゼントしています。
おそらく、ニックは、すでにチャーリーが送ったネクタイとセットになるものとして、シャツを選んだ、と思います。

 あとは、もう一つ。
作品の序盤に、ニック達は、スーツを着ている上司たちを「スーツ野郎」と馬鹿にしています。
 最後の空港シーンは、スーツを着てますが、直前の表彰式と同じ服、ネクタイ、シャツなので表彰式が終わったら、空港に直行したのでしょう。 ニックは、劇中で、ほとんどが革ジャンに、カラーシャツにノーネクタイ。ラフな姿を着ており、アウトローです。

 シャツのプレゼントは、主人公ニックが、スーツ野郎とバカにしていた連中を認めた、
チームの中で生きる、マサへのプレゼントなのでしょう。

 シャツを見てマサが息をのみますので、高価なシャツなのでしょう。
「これくらいの高級なシャツを着ろよ」という、ニックの気持ちが分かります。



■ 包みを渡したタイミング

 ニックとマサが別れる時。
「君は涙を見せるからここで分かれよう」と理由を行ってます。

ただ、ニックの行き先。奥に、カウンターかゲート。手荷物検査のようなエリアが見えます。

 ニックが金属のニセ札原板を持っては、通れないことは自分で分かっていたでしょうし、
一緒に行くと、松本に渡せなくなります。

適当な事を言って、ゲートの手前で松本に渡したのでしょう。 (~_~;)



■ 偽札原版を返した理由


100 / zzzack


 ニックは、農場でヤクザとの最終決戦で
どさくさに紛れて、原版を確保していました。

 この時点では、ニックにも、やはり、”原版を盗む”という、やましい気持ちがあったのでしょう。
作品途中で、偽ドル札を操作のためにくすねたりしますが、事件は解決してるし、原版を盗む理由がありません。

 ニックは、作中で松本に説得されています。
クラブの女を追う張り込みシーン。そばを食べながら、松本に不正を問います。
ニックは、汚職を告白し、「離婚して大変だった」と言い逃れしますが、
マサは「  盗みは盗み、グレーは無い。嘘を言って不正をするのは、ニックを信じて亡くなった友達、チャーリーを侮辱することだ」とはっきり言います。

 この言葉を聞いて、ビールを継ぐマサに、感謝の言葉を言います。
今まで、さんざん、チームワークを乱し、汚職もしてきたニックが変わり始めます。

 つい偽札原版をくすねてしまいましたが、
ニックは、チャーリーと、マサの信頼。友情を選びました。

そして、照れ隠しにマサへのプレゼントに原版を忍ばせて、返したのでしょう。



■ 格好いい健さん

  松本は、ニックが確保したと見抜いており、麺を食べながら、遠回しに原版が発見でき無いことを忠告しています。
ニックも、わざわざ「ニセ札原版と、その筋に、コネがあれば、一生金持ちになれる」と返しています。

 この時点では、原版を返すつもりなのですが、わざわざ、マサをからかっています。
ただ、このからかいが、観客側にニックの本音を分かりづらくしています。

 ラストで、格好いいのは、松本(マサ)が
あくまでしらを切るニックをそれでも信じて、最後に”友達として握手”します。
健さんに似合う、格好いいシーンです。


■ 良く分からないところ


見ていて、推測できなかった部分。



■ ケイト・キャプショーって一体

 格好いいセリフもあったり、作品の勢い自体に流されて気づかないのですが

 外人ホステスのケイト・キャプショーも謎なキャラです。
ハリウッド映画では、良くある、ご都合主義。彩り用のキャラで
神出鬼没で、ルパンの峰藤子並みです。

 作品途中、日本でパートナーを失い孤立するニックのための話相手なのでしょうが、
ちょっと関わりが中途半端なため、謎キャラになってます。

 もし、次作があったら活躍できそうだし、勿体ない感じ。


■ 感想


 映画自体は、アクション部分も多いし、
舞台は古いものの、日本俳優の熱演があり、とても楽しめる映画です。

 以前は、「ブラックレイン」を観るのは松田優作格好いいな〜と、優作ばかり見ていたのですが
今見ると、健さんの実直な演技が、素晴らしいですね。

 続編が無いのが惜しい映画。
ブレードランナーの続編映画も公開されるそうですし、
ブラック・レインの続編もできたら良いなと思います。


■  関連商品 


ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 「ブラック・レイン」が
 気になる方、「また観たい!」 あなたのために紹介しますね。

■ 映画 媒体■


・ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション2013
主演: マイケル・ダグラス
Blu-ray




>DVD版





■ 書籍


・ サウンドトラック

 ブラックレインのサントラ。
音楽は、ハンスジマーで、
作中で使われる、ポップスなどの劇中歌も含まれています。





・限定版 サウンドトラック
2012年10月5日発売

 限定版。2枚組になりました。
ハンス・ジマーの曲が少なかった通常版と比べると、
収録曲が増え、未使用曲も入りました。





■ 書籍


・ 映画パンフレット






■ 終わりに

 わたしは、一時期松田優作のファンで
ブラックレインは、かなり、回数を見た映画です。

 古い映画で心配でしたが、
久しぶりに見ても、展開やセリフがテンポ良く進んで、結構面白かったです。



■ 参考、関連サイト

2016年09月06日

「遊星からの物体X」考察。 謎やオチの解説。

遊星からの物体X (字幕版)

 今回紹介するのは、
映画「遊星からの物体X」


 1982年のカーペンター版です。

 さて、作品はSFホラーですが、
状況説明の少なさや疑問を持たせるラストがファンに想像の余地を生み、人気に拍車を掛けています。

 今回は「遊星からの物体X」の不可解な部分やオチ、ラストシーンの解説をします。

 一度見て、わからない方向け。なるだけデータを集めて憶測は避けました。
ネタバレ、謎やオチ解説ですので、知りたくない方は見ちゃダメです。(~_~;)

■ はじめに 遊星からの物体X(1982) とは 


遊星からの物体X (ユニバーサル思い出の復刻版DVD)

 1982年の映画。
アメリカでの原題は「 The Thing」。原作は、ジョン・W・キャンベル 『影が行く』。

 1951年に制作された『遊星よりの物体X』のリメイクとなっていますが、実際は原作に忠実に作られた作品。
 カーペンターは子供時代に『遊星よりの物体X』を見て、映画の道を目指しました。1975年にユニバーサルにより企画が監督に打診。1977年にスターウォーズ、未知との遭遇が公開されてSFの人気が出始め、1979年には『エイリアン』がヒット。「遊星からの物体X」に制作が許可されました。

 1982年に公開される『遊星からの物体X』は、2週間前に公開された「E.T.」の陰に隠れる不運が重なりました。「X」は同日公開となった「ブレードランナー」と同様に大ヒットとはなりませんでしたが、徐々に人気を高めます。

 特殊メイクアップアーティスト。ロブ・ボッティンの出世作となりました。『遊星からの物体X』から生まれた寄生の設定、怪物の造形や演出は、後の映画。日本の漫画やアニメにも大きな影響を与えました。

● 関連作品

2003年にゲームで『遊星からの物体X episodeII』。1983年版の3ヶ月後の話が作られました。
2011年に『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(原題:The Thing)が公開。1982年版の前日譚となる作品が作られました。

■ 映画のあらすじ




 映画のジャンルは、SFホラー。

 舞台は南極。
主人公は、南極アメリカ観測基地のヘリパイロット「マクレディ」。カートラッセルが演じます。

 ある日、ノルウェー隊が犬を追跡しアメリカ基地に到達します。アメリカ基地隊員は、犬を殺そうと米基地隊員の静止や被害もかえりみず発砲するノルウェー隊員を正常ではないと判断し、米基地隊長は射殺。

 主人公とドクターが事件の原因を探りに、ヘリでノルウェー隊基地に向かいます。しかしノルウェー基地は破壊されており、焼死体や謎の生物の残骸を発見。2人は、異形生物の焼死体を米基地に持ち帰り研究を開始。

 そして、米基地に来たノルウェー隊の犬が変貌し他の生物を襲い初めます。犬の正体は怪物。The Thing(それ)に寄生され乗っ取られていたのです。

 残されたフィルムからノルウェー隊は10万年前、南極に墜落したUFOを発掘したことが分かります。生物学者が解析したところ、The Thing(それ)は、他の生物と同化が可能で、仮に人類の領域に”それ”が到達した場合、人類が絶滅するのに要する時間は2万4千時間。

 南極基地で、だれが”X”か分からない状況で、人類と”X”の闘いが始まります。


■ 映画の感想、見どころ 〜 登場人物の多彩さ。 怪物に対抗するガッツ。


IMG_0319
IMG_0319 / Avulsionist


 映画は、SF設定や怪物の造形などは、もう評価されてるので違う部分をおすすめします。

 みどころは、登場人物の多彩さ。極限状況におかれた人物の行動でしょう。

ホラーといえば、館モノや映画”エイリアン”の宇宙船。閉鎖空間が恐怖を増します。「遊星からの物体X」の舞台は南極で-40度の世界。通信も途絶し直ぐに助けも来ない、かなりの閉鎖領域で話づくりとしては抜群に盛り上がる要素を持っています。

  突っ込みどころ満載なのですが、面白い部分が多くあります。

 登場人物はかなり個性があります。男性ばかりというのも珍しい設定ですし、性格はも多彩。飲んだくれ。スケートで基地内をうろつくコック。いかれた博士。観ていて「なんで、こんなポンコツばかり集まってるんだ」と笑えました。


 魅力は、中心人物である「マクレディ」のガッツ。 古い映画によくある、やりすぎ感はあるものの、かなり楽しめます。冒頭でチェス用コンピューターに酒を流し込むところから、短気で”勝つためなら何でもあり”という性格を見せます。未知の怪物に遭遇しようが、即戦う。仲間に疑われたらダイナマイトで逆に脅迫する。『何がなんでも”X”を倒してやる』という気概が面白い。

 作中に子供や女性もいない。登場人物の家族構成も出ない。みんな守るものがありません。男と怪物同士の激突になります。 挙句の果ては”X”を刺し違えてでも倒すように、施設をすべて爆破。「どうせ死ぬなら道連れだ」と、Xを倒すために自分を守ることすら放棄します。

 自分を守れなくても、地球は守るぞ、というスケールの大きさ。
かなり男らしい映画です。


■ 謎解きと解説


ミニポスター「遊星からの物体X」カート・ラッセル

 設定や、わかりにくい部分を解説していきます。
無茶な推測やこじつけなどは避けてます。

時間順に、作中で解説されていない部分を紹介していきます。


● 人名、キャラ,用語解説

X = The Thing(それ)、未知の生命体

マクレディ=作品の中心人物。ヘリパイロット。






■ Xの正体は?

sp:大きな写真「遊星からの物体X」カート・ラッセル

 作品を楽しむために、Xの正体と属性を解説します。

 そもそも、Xとは何なのか?
カーペンターの映画版では、X=宇宙人ではありません。謎の生物です。

ノルウェー基地の発掘で、10万年前の氷から発見されたUFOから出現。
Xは、他生物に同化、コピーし、本体(映画では人間や犬)を破壊。文明を破壊してきます。

 ”X”についての作中での解説は、雪上車の中で、研究者ブレアのノートを読み上げるシーンがあります。
「たくさんの遊星で、無数の生物と同化してきた。いつでもそれに変われるのかもしれない。今度は、地球の生物が狙われている」と言います。

 その言葉から、冒頭に登場したUFOの乗組員を”X”が襲って地球に来た。もしくは墜落。そしてノルウェー隊が発掘したことで冬眠から覚め人類を襲っています。簡単に言えば、映画「エイリアン」に出てくる寄生エイリアンと似た設定ですね。


参考;
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/kinema/1301189787/

765 :無名画座@リバイバル上映中:2012/09/21(金) 15:12:13.23 ID:pTqmy1Lr
前に読んだカーペンター監督の物体Xの内訳話だと、「生き物」はある惑星の食物連鎖の最底辺の生物で、別の生物の細胞を取り入れた擬態が得意だった。 ある時突然変異で擬態のために細胞を取った生物が同じ性質の生命に変化するようになり、生殖方法が同化するタイプになった。以後惑星上の生命はすべて「生き物」の同化生物になり、惑星はイミテーションで満たされた。
そこに他の星からの訪問者があり、同化の犠牲に こうして「生き物」は他の星を目指す能力を身につけた
という話




● Xの属性は?

 Xの特長。

・暗闇で相手に同化する。生物を吸収同化するには、一定の時間一緒にいて邪魔されぬことが必要。
・正体を見破られると、パニックを起こす。
・火に弱い。
・血液の単位でも、生存可能。
・低温になると、冬眠可能。



● Xの見分け方は?

・ 被験者から、血液を採取し、高温にさらす。劇中ではバーナーであぶった導体を血液に浸ける。 Xならば反応がある。
・目の中の光。「物体X」の4K ブルーレイ版リリース際。撮影監督がインタビューで返答。目に明るい、ハイライトがある場合は人間とのこと。
・続編となる「遊星からの物体X ファーストコンタクト」では”無機物は、同化できない”という設定が追加。そのため、歯を治療している跡がある=銀の詰め物などがある場合は人間。




■ 舞台での疑問。 〜 基地に、なぜ火炎放射器や銃器があるのか?

Colt ディテクティブ スペシャル HW (18歳以上ガスリボルバー)

 舞台は、アメリカ南極観測隊第4基地。
わたしが結構気になったのが、なんで『南極の観測隊に火炎放射器や銃器がたくさんあるのか?』。軍事施設と勘違いするような基地。

= 小説版だと、火炎放射器は、ヘリのエンジンを凍結時に温める際に使います。


■ 登場キャラクターに関する謎。



映画パンフレット 「遊星からの物体X」 主演 カート・ラッセル

 各キャラクターのわかりにくい行動や最期について解説



■ 犬に襲われたのは誰?。


/ a_lan103


 アメリカ基地にきて、うろついている犬。
犬は部屋に入り、影が振り返る。

= 襲われたのはノリスかパーマー。髪型が似てる。



■ フュークスが見た影は誰?。

= ブレアが、監禁された小屋を抜け出していた可能性




■ 調理場のごみ箱にあった服は誰の服?

 = ノリスが襲われた時の服か?



■ 血液金庫を開け、バッグを壊したのは誰?

  金庫の鍵が使えたのは、隊長とドクタークーパー。
「最後に鍵を使ったのは、一昨日」と言っているので、監禁されてるブレアがしたように思います。このころから、主人公に向けてブレアは「クラークに気を付けろ」とミスリードを誘っていますし。

 ただ、短時間で残骸から飛行船を作ろうとした知能があり”X”にとっては金庫を開けること自体が簡単。”X”が狡猾なことを示し、仲間を疑心暗鬼にさせるのがシーンの目的で、作品中の情報から実行犯の推測は無理だし、無意味でしょう。




■ フュークスの死は、自殺か?

 やや理知的に見えるキャラがフュークス。
フュークスが誰かを発見し、追いかけようとする。その際にマクレディの服を見つける。
そしてフュークスは焼死体で発見。(マクレディの服は、後に焼却炉に置かれていた。)

= フュークスが追った人物に殺された。”X”が殺したように見えます。しかし、Xの苦手な炎で死んでおり、Xに感染されて絶望し自殺したと思います。




■ マクレディの部屋に、電気をつけたのは?

= メンバーを混乱させる、マクレディをメンバーから引き離すためと思われる。
 誰が行ったのかは謎。 ブレアか、マクレディを締め出そうとあおっていたパーマーか?




■ ノールスは、どうなった。

 ノールス。音楽好きのコックさん。
地下の発電室で、爆薬を仕掛ける作業中にギャリー(隊長)の異変に気づき暗闇に入っていくノールス。どうなったかは描かれていません。

 = Xに吸収された。 演出としては、暗闇に消えた時点で”X”にやられたという表現。Wikiによると、巨大化したブレアに吸収される様子が絵コンテで残っており当初の構想を伝えている。なおどちらもDVDに映像特典として収録。



■ ラスト - マクレディとチャールズ。人間だった?それとも?。

 人間かどうかの見分け方について、
ファンによって『吐く息の白さが違うのが見分け方』だと、長く言われていましたが、単に撮影時の光の角度による結果、息の見え方が異なったそうです。監督曰く「どちらも人間として撮っている」

 メイキングで監督は、人間かどうかは、観客の判断にゆだねています。簡単に言えば、『考えてない』ということですね。見分け方の”眼の中の光”で区別可能という条件で見るなら、私は二人とも人間に見えますが・・・。




■ オチについて 〜 どちらも人間だが、監督は白黒つけず”あえてスッキリさせないラスト”にした。


キリン J&B レア 40度 700ml


 ラスト。なぜ、こんなスッキリしない不可解なオチになったか解説しますね。

 ”X”を倒した主人公マクレディと、火炎放射器を持って現れたチャールズと二人きりになります。
かなり緊迫した空気が流れているのは、お互いを”X”と疑うのもありますが、もともと仲が悪い。マクレディが人間だったクラークを射殺したこともあり、不審に思ってます。 

 そして、観客側が見て『チャールズが怪しい』と言われるのは
基地を爆破するほどの騒ぎになってるのに、いきなりチャールズが出てくるのは不自然。チャールズが『Xか?』と疑ってしまう要素に拍車がかかっています。

 なぜ、このような、突拍子もないラストになったのか?
実は、似た構成の映画があります。物体Xより7年前に公開されていた「ジョーズ」のラスト。サメを撃破した主人公ブロディの前に、死んだと思ってた学者のフーバーがひょっこり現れます。このラストは、ジョーズの原作には無かったもので作品に清涼感を与えています。
 
 「遊星からの物体X」は、ヒット作のジョーズを真似て『作品の最後に希望を持たせるようにと、別の生存者であるチャールズを登場させた』と考えるのが自然に思います。そして、最後の状況解説と余韻を持たせるためにチャールズを選択したのでしょう。マクレディも疑いだすと怪しい部分が幾つかあり、基地から締め出される前など空白の時間があり”X”だと考えると、話の解釈が楽な部分があります。

 〜 しかし監督は、はっきりさせなかった。 監督は、既存の映画のような終わり方を選ばない。・・・ラストを安易に白黒つけずにXの脅威。不気味さを残すことを選択しました。制作時にはラストを明確にするため「物体X」のエンディングで、マクレディがラスト間際、自分が人間か試すシーンも撮影されていたようです。

 しかし、ラストの二人が人間かどうか明確にしてないため、お互いに相手が”X”なのか、自分が感染しているのかすらわからない。

 そんな状況下で、酒をあおるチャールズはマクレディを許したように見えます。マクレディの登場シーンでコンピューターに酒を流し込んで破壊しましたが、チャールズが酒を飲むのが伏線が掛かってるのでしょう。 絶望的な状況でも酒を飲むのが人間らしい。それにチャールズはXが嫌いな火炎放射器を持ってるし、マクレディを焼き殺さない。となるとチャールズは、やはり人間のようです。

しかし互いが人間だと分かったところで、もう助かる方法は無い。”X”登場時に繰り返された音楽が、大きくなって観客を不安にする余韻を残します。

 例えば最後にヘリが救出しに来たら、良くあるアクション映画やゾンビ映画のような明快なラストにできたはず。また、主人公がヘリで脱出しても映画「エイリアン」のようにスッキリするラストにできます。しかし監督は明快なラストを選ばなかった。

あえてスッキリしないラストにしたことが、映画の人気を高めることに成功しています。





 ■ 関連作品で、ラストの2人はどうなっていたのか?

 参考として、関連作品での流れを紹介しますね。

 後に販売されたゲーム『遊星からの物体X episodeII』では、
連絡が途絶えた南極基地に、調査に来た米軍によってチャールズは凍死体で発見。

 マクレディはラスト近くで登場。 人間のようです。


■ 注意点


 今回列挙した謎の部分。

 閉鎖された領域が舞台であり、
観客側。私たちは、推理物のように犯人捜しをしたくなるのですが、映画としては”X”の脅威を増幅するのが主題で、あまり細かい流れにこだわる必要がないと思います。たぶん、製作者に聞いても「そこ、突っ込むところ?」と言うでしょう。

 SF設定や推理させる謎、アクション。なんでもかんでも詰め込んで、映画の構成としてスマートではないし破たんしているように見えますが、あふれる情報が映画を見た人同士で話題にしやすいのがこの映画の魅力だと私は思います。(^o^)



■ 終わりに


 最後に、少し雑談を。

 わたしは、「遊星からの物体X」は子供のころテレビかレンタルで見ました。
当時は、メディアの画質が悪くて映像も暗く『登場人物が何をしているのかも分からない映画』でした。
怖いシーンも、何が映されているのか分からない。メンバーが縛り上げられて、血液検査をしている中で”X”が出現するシーンなど「コントみたい」と思いました。 どちらかというと”面白映画”の部類でした。

 今回「遊星からの物体X」を改めて見たのですが、現在の映像だと、画面が明るく話が分かりやすかった。また撮影の画角が広く、構図や説明が丁寧で状況が分かりやすい。 見る前は、私がホラーや残虐映画が苦手なので心配していましたが、恐怖や嫌悪感はあまり感じません。登場するXの造形を見ながら「良くできているなぁ」と思うくらいでした。

 ストーリーは、序盤から設定の出し惜しみをせず、宇宙船や怪物の設定などしっかりしていると思いました。 登場人物が多く「どのキャラを見たらいいの?」と考えてるうちに、次々に事件が起き考える余裕はありません。”X”は狡猾で、人類側より先回りして状況を悪化させていきます。 人類側の対策が後手に回っていると 登場人物は次々に”X”にやられていきます。

 途中から、パニックものやホラーもの。例えば「エイリアン」や「ジョーズ」のように。まじめに見なくていいんだと気づきます。「どうせ、最後は1〜2人くらいしか残らない」のだから、適当に見れば良いや。となります。

 あまり、展開の先読みとか考えずに眺めるのが”いい鑑賞法”と思いました。


 映画に関して思うのは 続編が作られそうな構成で終わっているので、カーペンター監督による続きが作られてほしいと思います。


■  関連商品 


遊星からの物体X [Blu-ray]

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・遊星からの物体X [Blu-ray]

 カーペンター版。ブルーレイ






・ジョン・カーペンター DVDコレクターズBOX2003
主演: アイス・キューブ
DVD
2003年発売

6枚組。
収録作品は、「ヴァンパイア:黒の十字架」、「ゴースト・オブ・マーズ」、「光る眼」、「遊星からの物体X」、「スターマン/愛・宇宙はるかに」、「クリスティーン」





・遊星からの物体X ファーストコンタクト Blu-ray

 2011年公開。『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(原題:The Thing)

 1982年版の、前日譚となる作品が作られました。
ノルウェー基地が舞台となります。





■ ゲーム



・[PlayStation2 ソフト] 遊星からの物体X エピソード2

2003年に制作。日本語版はコナミ。

 映画の3か月後が部隊。
連絡の途絶えた米観測基地に、アメリカ軍の偵察隊が来るところから始まります。



>遊星からの物体X episode II (コナミ ザ ベスト)

廉価版





■ サントラ


・The Thing: Original Motion Picture Soundtrack Soundtrack, Import
エンニオ・モリコーネ 形式: CD

 公開当時のサントラと、同構成。





・Ost: the Thing CD, Import
Alan Howarth 形式: CD

 再録。16曲と量も多め。




■ 書籍


・影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫) 文庫 – 2000/8
フィリップ・K. ディック (著), ディーン・R. クーンツ (著), Philip K. Dick (原著), Dean R. Koontz (原著), & 1 その他

 創元文庫が出したSF短編集。
「遊星からの物体X」の原作となった「影が行く」が収録されています、

13作収録され、、リチャード・マシスンの作品はトワイライトゾーンで映画化されています。
アルフレッド・ベスター、フィリップ・K・ディックなど、SF有名作家がいますねぇ。(^▽^)/




・遊星からの物体X ファーストコンタクト (竹書房文庫)



● パンフレット

・映画パンフレット 「遊星からの物体X」 




■ アイテム


・J&B レア 40度 700ml J&B

キリン J&B レア 40度 700ml

 J&B Scotch whiskey。
名前は、製造元であり1749年創業の「ジャステリーニ&ブルックス社」のイニシャルから。

マクレディの飲んでたお酒。







■ 参考、関連サイト

・万事休すで茶を沸かす 「遊星からの物体X」(1982 アメリカ映画)
http://blog.livedoor.jp/deathinvegas666/archives/47189268.html
 物体Xの登場人物についてチャートを書いておられます。面白い。


■ 更新情報

2017年1月23日 文章整理
2016年11月15日 文章整理、オチについて。区切り追加。

2016年9月26日 文章整理



2016年09月03日

「オール・ユー・ニード・イズ・キル 」考察。 謎やオチの解説。 〜これでスッキリ

オール・ユー・ニード・イズ・キル(吹替版)


 今回紹介するのは、
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」


 最近では、Huluでも視聴できますし、地上波でも放送され、観た人が多いと思います。
日本の小説が原作であり,主演がトム・クルーズ、人気の高い作品です。

 さて、作品は、SFアクションですが、大きな要素としてタイムリープ(時間跳躍)ものであり、
話がわからない、オチがわからない人も多いのではないのでしょうか?
わたしも、2回見たのですが、オチに悩みました。

 今回は、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の不可解な部分、オチやラストシーンの解説をします。

 一度見て、わからない方向けです。
多分、こうだろうな、というオチを仮説、推測しました。
ネタバレ、謎やオチ解説ですので、知りたくない方は見ちゃダメです。(~_~;)


■ はじめに オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014) とは 


オール・ユー・ニード・イズ・キル Edge of Tomorrow|特典ポストカード ◆トム・クルーズ(ウィリアム・ケイジ)|桜坂洋 ダグ・リーマン ワーナー・ブラザーズ

 2013年の映画。
アメリカでは、原題: Edge of Tomorrow、別題: Live Die Repeat。

 日本では原作となった『All You Need Is Kill』に合わせて公開されました。


■ 映画のあらすじ



・予告編

 映画のジャンルは、SF戦争アクション。
大きな要素として、タイムループがあります。

謎の生命体”ギタイ”に攻撃を受けている地球が舞台。

 主人公はウィリアム・ケイジ。トムクルーズが演じます。

 軍の広報担当で、少佐。
ヨーロッパに派遣された際に、現地の将軍の反感を買い、なんと、最前線に投入されてしまいます。

ブロマイド写真★トム・クルーズ/『オール・ユー・ニード・イズ・キル』/装備で車に隠れる/【ノーブランド品】

 そして、現地での戦闘で、敵の”アルファ”と呼ばれるギタイの血を浴び
タイムループが起きるようになります。 〜 死ぬ度に、前日に戻るようになります。

 途中、戦場で英雄視されている”リタ”と出会い、敵殲滅の方法を共に探します。
どうやって、敵を殲滅するか、タイムループから抜け出すかが、見所。

ブロマイド写真★エミリー・ブラント/『オール・ユー・ニード・イズ・キル』戦闘スーツを着た/【ノーブランド品】


■ 謎解きと解説


【映画パンフレット】 オール・ユー・ニード・イズ・キル EDGE OF TOMORROW 監督  ダグ・リーマン キャスト

 わかりにくい部分を、解説していきます。
無茶な推測や、こじつけなどは避けてます。


■ 決戦から最終シーン 


 非常に分かりづらいのが、ラストふたつ。
一つは、なぜ、ギタイが壊滅したのかと、主人公がヘリ内で目覚めたこと。

ひとつずつ解説していきましょう。


● 人名、キャラ,用語解説

ケイジ = 主人公
リタ  = 戦場の英雄。過去にタイムリープ能力を持っていた。
ウィリアム = リタやギタイについて詳しく知る科学者。
将軍 = 主人公に嫌がらせをする。

アルファ= 青色の希少なギタイ。時間跳躍能力を持つ。中ボス。
オメガ = ギタイの中枢部。ラスボス。


■ なぜ、ラストにギタイは壊滅したのか



Louvre / Deh Beh


 一番の謎。
映画のラスト近く。”なぜ、ケイジがイギリスで将軍に会う前の前日にギタイが壊滅した”のか
推測してみましょう。





● アルファの能力

 まず、前提として青いギタイ。アルファの持つ、作品のキーとなる能力、法則を見てみましょう。

 アルファの能力、そして主人公がその血を浴びて得た能力。
死ぬ度に、特定の時間へタイムループさせる能力ですが、

 たんなるタイムリープ能力だけでなく、記憶や身体能力。他の超越した何か・・・を含め過去に転送しているようです。 

 過去に戻って、身体にも変化が起きる模様。
時間軸をもどして、再構築できる能力も不可するのでしょう。

単なる時間と記憶を巻き戻しているわけでは無いことを示すのが、
主人公が戦闘でアルファの血を浴びる前なのに、死亡してもループが可能だったり、輸血で能力を失うエピソードがあります。



● オメガの能力

 敵の中枢部”オメガ”の能力を考えてみましょう。

 主人公がルーブル美術館地下の戦闘で
最後に、敵の中枢部”オメガ”の血を浴びタイムループします。

 ここで、少し疑問なのが、タイムリープの能力を持つのは青いギタイ”アルファ”の血でしたが
浴びているのは、ラスボス”アルファの血”。 〜冷静に考えるとタイムリープの対象では無い。

 ここで推測されるのは、

 ギタイという種族は、全体で一個の生命体に近い存在であること。
そして、重要なオメガと、アルファは対になっている。人間でいう、脳と心臓のようなものでしょう。

 アルファだけでなく、ギタイの頭脳であるオメガも、タイムリープの対象となっている、
もしくは、ギタイは種族全体が連携されて構成されているため、ギタイは危機に瀕した際、司令塔となるオメガの意識も、過去に転送していた。もしくは、転送可能にしていたのでは無いでしょうか。

 従来の戦闘では、オメガが危機になる、かなり前の段階。アルファの死亡で、タイムリープを発動させている。オメガ自体が、攻撃を受け死亡したことがないため、その方法が通用していた。

 ケイジの場合は、ギタイと違って人間であるために、
独立して生存できるので、単独でタイムループしてしまいますが。





■ ギタイが壊滅した理由 = 再構成する能力を無くしたオメガを過去に転送した


Louvre / Zemzina


 タイムリープを発動する引き金となるのは、アルファの死。

 あと、仮定になるのですが、アルファによって任意に発動できる。
あと一つは、オメガが死亡した際、連鎖してタイムリープを行えるのが考えられます。



 ● ラストで、主人公が獲得した能力と、オメガの状態 

 ここは仮定になります。
ルーブル美術館地下で行われた、最後の戦闘で、主人公が得た能力を考えてみます。
手榴弾で爆破したオメガの血を、主人公が浴びていた。

 つまり、オメガが転送(タイムリープ)の対象となり、過去で記憶や能力を再構築する能力をケイジに奪われていた。(ストーリーの最初にケイジが、オメガの血を浴びて能力を獲得したように)

オメガは血液を失うことで、能力を喪失した。(ケイジやリタが輸血で能力を無くしたのと同様)

 
余談:じゃあ、なんで主人公と遭遇した最初の戦闘で
アルファは、能力を失ってないのか?という話になりますが
アルファは、死亡して既にタイムリープしており、残った血液を人類が被るのは特殊なケースだった。
ケイジが能力を獲得して、ケイジとアルファ。ふたつの能力を持つ者ができてしまった。




■ 最後のタイムループのきっかけ 仮定1
:アルファが、任意でオメガを転送した。


 最後のタイムループのきっかけは、
オメガがケイジに襲撃を受け危ないので、アルファがタイムリープを発動させ、オメガを過去に送った。

 しかし、既にオメガは、手榴弾で破壊され、死にかけ、もしくは死んでます。
過去に転送されたが、転送前に血液を失いケイジに能力を奪われている。(たまたま移っていたのですが)。 
よって、転送先で記憶を再構築できず、死亡。
 
 転送元で破壊されたデータを、転送先のハードディスクに上書きしたような感じでしょうか。
ギタイ種族の脳に相当するオメガが死んだため、連鎖してギタイ全体が壊滅した。



■ 最後のタイムループのきっかけ 仮定2:
 オメガが死んで、連鎖してアルファが死亡。オメガが、自動で転送された


 似たような、解釈ですが
オメガが死に、連鎖してアルファが死亡。
 
 アルファが死ぬと、自動でオメガを過去に転送する。
しかし、既にオメガは死んでいた。 そして既にオメガの能力はケイジに移行している。

ここからは、上の仮定1と同じ。過去に転送されたが、オメガは死に、連鎖してギタイ全体が崩壊。

 こちらの方がやや自然な感じ。


■ ギタイ壊滅と、ケイジが目覚める時間がずれている理由



Houses of Parliament / b.donaghey


 ここも、引っかかりますね。
エンディング近くであり、視聴の余韻に影響する。気になる部分です。

 まず、考えられるのは、単にタイムリープの対象となる時間が、ギタイと主人公ケイジでずれているため。

 ギタイのタイムリープは、作品の序盤、将軍のSPに、ケイジがスタンガンを受けて気絶していた時へタイムループしていたように、基本は、”気絶や睡眠など、対象が覚醒してない状態へ巻き戻される”ようです。
作品では、ケイジの死に伴い、タイムループが発動していましたが、

 ラストでは、オメガのために発動されたタイムリープだったため

 ケイジの目覚める前日にオメガは転送され、ケイジは直近の覚醒してない時間へ転送されたのでは?と推測します。それが、ヘリで眠っていた時間に相当した、と。

 
 ただ、実際には、制作の都合かな。
将軍とトラブルになる前の時点に戻る方が、主人公に利点が多い。
ラストをハッピーエンドにするためのご都合主義が多いと思われます。


■ オチについて 


オール・ユー・ニード・イズ・キル Edge of Tomorrow|特典ポストカード ◆エミリー・ブラント(リタ・ヴラタスキ)|桜坂洋 ダグ・リーマン ワーナー・ブラザーズ


 色々理屈をこね回して、推測してみましたが

 本音を言うと
アメリカは映画でハッピーエンドを好むので

 まぁ、安直に「皆生きてて良かったね!」というオチなのでしょう。\(^O^)/

 オメガを倒した時点で、戦闘は終結してますが、
主人公に協力したメンバーが全滅してるし、後味が悪いですよね。

 そこで、分かりにくいけど、もう一ひねり加えてタイムループを使った感じです。

 あと、気になるのはケイジの異能力。
ラストのケイジは、タイムリープの対象としての能力を持っているだけであり、
オメガもアルファも滅んだので、今後、タイムリープをすることは無いのでしょう。



■ もう一つの解釈 〜 夢オチだった。


 あとまぁ、誰もが考える、感じたのはこれでしょう。

話作りで禁物ですが、
 「夢オチ」(__*)

 話全体で、整合性がとれる禁断の手法。
 
ケイジが冒頭でいきなり、左遷されたり、拘束されるのも納得できます。
リタが好きすぎて、夢で妄想した。 
”トータルリコール”みたいに、ほとんど妄想だったとか。



■ 良く分からないところ


見ていて、推測できなかった部分。



■ なんで将軍が、ウィリアムの作った器具を持っていたか

 すごい、ご都合主義と感じるシーンが、
将軍が、ウィリアムの作った”オメガの場所を示すための器具”を身近にもっていたのか。です。

 重要や危険なものなら、警備の厳重な施設に置くでしょう。
わざわざ、隔離されていない、簡単に人が出入りできる、
将軍自体も席を外す事が多い場所に置いているのも良く分かりません。

 そもそも、頭おかしいと判断した技術者が作った物を
手元に置くという発想が、かなり不自然です。



■ アルファの血を浴びて、タイムリープ能力が移ることについて

 血を浴びるくらいで、能力がつくなら、
ケイジの血を、他者に輸血して、能力を持つ者を増やせばよいのでは。
 


■ 注意点


 今回のオチ解説も、仮説です。

冷静に考えると、作品やわたしの仮説に、疑問やツッコミどころは、たくさんあります。
補完もできるのですが、際限なくなるので、この記事では、このくらいで。


■ 感想


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 映画自体は、アクション部分も多いし、
なにより、トムクルーズがパワーアップしていく様が楽しい映画です。

 見おわって思うのが、説明不足のシーンがあるし
続編がありそうですね。(*^_^*)


■  関連商品 


オール・ユー・ニード・イズ・キル(吹替版)

 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が
 気になる方、「また観たい!」 あなたのために紹介しますね。

■ 映画


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■ 書籍


・All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫) 文庫 – 2004/12/18
桜坂 洋 (著), 安倍 吉俊 (イラスト)

 原作。
イラストは、安倍 吉俊さん。





・All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)2014/6/19
小畑 健、 竹内 良輔
ペーパーバック

 小畑さんによるマンガ版。
小畑さんはデスノートやヒカルの碁が有名ですが、
もともと「CYBORGじいちゃんG」で経歴をスタートさせており
SFは得意そうですねぇ。






■ 終わりに

 わたしは、友達に推されて見ました。
トムクルーズファンの妹も絶賛しており、かなり面白い映画です。

 トムクルーズは、面白い映画ばかり作りますねぇ。(*^_^*)


■ 参考、関連サイト

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