■ ~ゲーム機でTVが見れる機種
Sintonizzatore TV per PSP / Tanzen80
TVが見られるゲーム機の歴史を紹介する。
ゲーム機は、初期の頃からTVを利用して表示する機種が多かった。 だが実はゲーム機だけでTV放送を受信して表示する機種は珍しい。
今回はアナログ地上波時代から現在のデジタル放送。昭和から現在までのTVが映るゲーム機やオプションを紹介する。
■ 任天堂ゲーム機とテレビ
家庭用ゲーム機を大きく普及させたのは任天堂だ。
ゲーム機の初期は専用モニタを使ったり、TVが利用されたりとさまざまで混とんとしていた。
だが家庭用テレビに接続するゲーム機の中で、ファミリーコンピュータは有名なアーケードゲームをソフトに用意。
家庭で使えるゲーム機であり、価格もお手頃で大ヒットになった。
だが任天堂ゲーム機で、単体でTVが見れる機器は珍しい。
古くは、アナログ地上波時代にかってのシャープのファミコンテレビC1(1983)、そしてスーパーファミコンを搭載したSF1(1990)がある。なお共に据え置き型であり、携帯端末でTVが映るのは任天堂ではDSテレビくらい。またデジタル放送に対応しているのもDSテレビのみだ。
■ 各社ゲーム機器用 TVオプション
任天堂以外の携帯ゲーム機器でも、TV放送が見れる機種は珍しい。
ゲーム機器でTVの流行は、1990年頃からだ。 カラー液晶が登場して、ゲーム機の表示部としてゲーム機各社が導入を進めた。
■ セガ
セガはアナログ地上波時代に、TV関連機器を出している。
セガの携帯ゲーム機「ゲームギア(1990)」TVチューナーを出していた。ゲームギアは国内初のカラー液晶機だ。ゲームボーイやあたりリンクスに挑戦すべく。登場した。ゲームギアは高いCPUパワーやアーケードに近いゲームを出すなど特色を打ち出そうとしていた。マスターシステムのハードウェアが応用されており、後にアウトランやスペースハリアー、コラムスなど有名ゲームも移植されている。
ゲームギアは、携帯端末で有ること・モニターを搭載しており、構想時点から地上波TVやモニターとしての利用も視野に入っていた。そこでテレビ受信機能を付加したのだ。
だが商品のレベルは低価格と引き換えにTVとしては使いにくい物だった。
TVチューナーの電波の受信感度は低いうえに画質や操作性も悪くて実用性は低い。さらに初期型はマニュアル選局で不便だった。
後期でオートチューナーになった。後期版の価格は12800円。
仕様で面白いのは、アンテナ端子とミニジャック型のRF映像入力端子が搭載されていた。これにより外部からビデオ信号などを入力してモニターとして使えたのだ。
なおセガから車載用のカーアダプタ(シガー電源機器)やカーアンテナも販売されていた。車にゲームギアを積めば、当時はまだめずらしい液晶TVの車載が気楽に実現できた。またポータブルバッテリーも用視されており、携帯・屋外利用も可能だった。
オプションでは、画面を拡大する機器なども登場。ゲームギアはゲーム機として優秀だったが携帯テレビやモニターとして面白い機器だった。
■ NEC
NECは1990年頃に多数のテレビ関連機器を出している。
まずNECのPCエンジンの携帯版「PCエンジンGT(1990)」で、チューナーが販売された。ただし本体とチューナーを接続した姿は不細工だった。
その後も、NECは「PCエンジンLT(1991)」を発売。モニターとチューナーを内蔵していた。LTはラップトップの略だ。デザインも良くてコンパクトだったが、価格が99,800円と高額だ。気楽に使えるテレビとは言えず、コアなユーザーが所有する存在だった。流通量が少ないため、現在中古相場でも、当時の販売価格を上回る、もしくは倍以上の高い価格で取引されている。
NECは「DUOモニター PI-LM1(1991)」も発売している。PCエンジンDuo用のオプションで、モバイルバッテリー(Duoバッテリー PI-AD15)と組み合わせて持ち出しを可能にした。79800円と高額な製品だ。魅力は有るが、TVやPC用のモニターが簡単に購入できる価格だった。 この他に、モバイルやAV用,車載用にもオプションが登場していた。
この時代のNECが持つ気迫には驚く。PCエンジンの新型やバリエーション、オプションが活発に発売されていた。
当時最先端だったCD-ROMや液晶モニター、AVを楽しむサウンドクッション等。他社に先行したり、独自性の高い用品が多数登場していた。
■ ソニー
DSのライバルだったのがPSP(プレイステーション・ポータブル)だ。2004年12月12日にSCEが発売。
マルチメディア端末としてかなり優れた画期的な機器だ。ゲームはもとよりカード媒体の利用やネットワークの利用も可能だ。
表示部分だが、初期型となるPS-1000はシャープ製のVA液晶を搭載していた。
その後、オプションでワンセグチューナーを発売した。PSP-2000/3000シリーズ専用となる。画質も良くて、機能では番組表やデータ放送に対応している。
PSPはTVとの連携もしやすい機器となる。
PSP-2000からはビデオ出力端子(アナログ)を搭載。その後3000番台からプログレッシブとインターレースに対応している。
今、PSPの機能や仕様をみると、豪華で過剰ですらあることに驚く。
ゲーム機器は競争と進化の激しい機器だ。それゆえ後年に振り替えるととんでもない性能を持つ機種が有る。PSPもその一つだ。
● ゲーム機用テレビで実用性が高い機種は少ない。
ゲーム機器用オプションのTVは弱点が多い。
主に価格が高い,性能が低い製品が多い。そしてバッテリー駆動時間が短い等だ。またアナログ放送時代の機器であり、現在のデジタルTV放送は受信できない。
実用性が高いのは2機種。DSとPSPだ、
まずDSだが、DSテレビのように実用性が高くて普及している機器は珍しい。
対抗できるのは、同時期に登場したPSPのワンセグチューナーくらいだろう。ソニーはPS用でTVチューナーのトルネ(CECH-ZD1)を出しており、こちらも実用性が高く人気がある機器だ。さすが世界規模でTVが有名だったソニーだ。
■ 更新情報
2024年3月1日 DSテレビ記事より分離。KRBリンクを作成。