充電池のメンテナス方法。エネループ等が充電できない、エラーが出る場合の回復方法2種類。

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 eneloops / yellow_bird_woodstock


 今回は充電池の修理。充電できない時のメンテナンスです。
充電池やエネループが充電できないのは多いトラブルです。

充電池の回復に効果が高い方法を解説。
誰でも簡単にできる方法と、使った道具や用品を紹介する。

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■ はじめに 


 New Eneloop Batteries
 New Eneloop Batteries / Pete Slater


 充電池は便利な用品です。
特にエネループが登場してから、放電量の減少や持続時間の増加など性能が向上して便利になった。

だが充電池には弱点もある。電圧が低い・端子サイズが違うなど。使用機器の選択や取り扱いに注意が必要です。

そして今回紹介する、充電が出来ないトラブルです。


 ■ トラブル ~ エネループが充電できない。

 New envelop lite arrives.
New envelop lite arrives. / Adikos


充電池やエネループの使用で困ることが有る。それは充電が出来ないケース。

まだ寿命には早いと考えられる充電池が、充電できなくなる。
エネループ充電器の検査機能でエラーを出すと、充電が不可になるのです。


 ■ 状況 エラーと発生傾向。

 エラーが出やすい電池には傾向がある。


■ エラーが出やすい電池

エラーが出やすいのはハイエンドモデルだ。
黒のエネループだ。高容量で寿命が短いが、引き換えに電池容量が多いタイプ。

私の場合: エラーが出るエネループの傾向だが、使用年数は長いが酷使してないものに多く発生した。懐中電灯やセンサーライト等に使っている程度。使用頻度が低いのでエラーが出るのは納得が出来ない。充電は10回もしてない個体ばかりだ。

■ エラーが出にくい電池

富士通やパナソニックの古い充電池等で、10~20年以上経過しても使える電池が存在する。



■ その他 ~ 寿命の場合

 エラーではなく、経年劣化や寿命の場合。修理は出来ない。

1. 使用年酢が長い。~これは単なる寿命。今回の対処法の適応外です。
2. 過放電。例:ソーラーライト等で酷使すると数年でダメになる場合が有る。





 ■ 充電池を修理・メンテナンスする。

 
エネループ / yto


私の場合エラー電池は、はじめに接触不良を疑い、充電器や電池を掃除したりする程度でした。今回は頑張って直してみます。

エネループや充電池は価格が高い。 高容量モデルは特にだ。~ 液漏れや酷使しての寿命なら諦めるが、不具合なら直したい。壊れている製品が有ると、手間やストレスになるので修理する。だめだったら、電池を廃棄するだけなので踏ん切りがつく。

 ● 対象
題材は、実際にエラーが出たエネループや他メーカー製充電池の修理。




 
■ メンテ概要


 
eneloop / Matthias Rhomberg


 修理の概要。
今回は実際に、エネループを整備する。

流れは 検査→清掃→確認。


■ 工具類 - 


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 作業の全体で使う機器と工具を紹介。

必ず必要なのは、検査機能付き充電器。

細かい工具や用品は行程毎に紹介する、必要なものを選んで下さい。



■ 充電器

検査機能付き充電器が必要。

理由:電池の検査が可能。そして過放電電池の充電に対応する”センシング充電機能”搭載モデルが要る。 ~ エラー電池が直せる場合が有る。


・BQ-CC83(通常充電タイプ)
 2018年9月発売
 
エボルタ、エネループ対応型。私も購入しました。
新機能の予備充電機能で、ダメージを受けた充電池をLEDでお知らせする。従来機では対応不可だった過放電した充電池の充電に対応している。

機能: スマートチャージ、クイック診断、継ぎ足し充電、乾電池充電防止機能。




・BQ-CC85 (急速充電型)
 2018年9月発売

 最上位モデル。機能が多い。

機能: 残量チエック、買い替え目安診断、スマートチャージ、クイック診断、継ぎ足し充電、乾電池充電防止機能。




■ 研磨道具: やすり

 今回の修理方法にはやすりを使う。

金属のやすりが良い。平面部のみが削りやすいのと、削る力が強いため。
そして小型で目が細かいもの。 DIYやプラモ用で充分です。


・タミヤ クラフトツールシリーズ No.104 ベーシックヤスリセット (細目 ダブルカット) 74104

 



・長谷川 モデリング ファイル 精密やすり 10本組 (TT2 )





● その他の、工具類。

 電気加工以外のちょっとした道具。
お家にあるものでも可能です。

今回は、電池の清掃にキッチンペーパーを使用した。硬めの紙だと汚れが取りやすい。




■ 修復


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 それでは実際に修理作業に入ります。

家電製品は『故障してる』ようでも、実際には電源が不調だったり、もしくは単に接触不良がほとんどだ。ネットで情報を検索すると、充電池の場合はやはり接触不良が原因の場合が多い。 ~ 自分で直せる気がしたので、わたしも挑戦する。


 ■ 故障状態の判別

 結論から言えば、充電できない電池で直せる場合は2種ある。

 1. 過放電
 2. 端子部の汚れ




■ 電池の検査

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 まず電池の検査。エラーが出る個体を判別する。

 今回は、パナソニックの充電器でテストした。


■ チェック方法

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パナソニック純正で、予備充電機能付き充電器 BQ-CC83で検査する。

CC83は検査機能と回復機能付きだ。
最初に検査。そして不具合が有る場合は回復充電を試みる。回復充電時は早い点滅を2回、消灯を繰り返す。

その後OKになると充電が開始。
なおエラーの場合は、ランプが点滅して充電が停止する。



■ エラー電池 ~ 充電器で回復できるケース


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 古い電池では、充電器の使用のみで回復できる場合が有った。
推測だが、過放電でダメージを受けた電池だ。


 ■ 回復した電池

古い電池やソーラーライト等で酷使していた電池だ。
ちなみに古い充電器(パナソニックの旧モデル)では、エラー警告で終了するために充電できなかった電池だ。

だが特定の充電器では対処が可能。例えばPanasonicのBQ-CC83だ。
放電した充電池に対応する「センシング充電機能」の効果があったと考えられる。エラーを検知後に、回復充電が開始。そして無事に充電が完了した。

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 [画像] 左: 旧型充電器。 右:エラー回復機能付き充電器




 ■ エラー電池 ~ 充電器で回復できないケース


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 次は「センシング充電機能」でも回復出来ない電池だ。
別の方法で回復を試みる。

 ■ エラー電池の傾向

ハイエンドモデルのエネループ・プロでエラーが出る場合が多い。
おおよそだが、手持ちの黒エネループでは2/3程度でエラーが出ている。

エネループプロのスペックは旧JIS規格では500回、新JIS規格だと500回も使用可能。だが私の場合はおそらく20~30回くらいしか充電してないものが含まれており、寿命には程遠い状況だ。



・使用状況
使用回数が多い個体ほどエラーがでる。点灯回数が多いセンサーライト等に使っている場合だ。
反面、エラーが出にくいのはストックしていたもの。用途では、使用頻度が低い美容器具やカメラ。PCマウス用等。




■ 清掃作業


 
  eneloop / kanonn


 それでは、実際の作業に入る。

電池一本当たりで、5分くらいの作業です。あとお約束ですが自己責任になります。

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■ 清掃 ~ 金属やすりで磨く 
 
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 交換する前の状態。端子部を確認。
汚れ具合を見ておく。
エラーが出る電池は端子部が灰色でくすんだ感じ。接触不良を起こしていると推測される。


・ やすりがけを行う 
 
 
 eneloop / kanonn


端子部を金属やすりで磨く。接点部だけを磨くこと。
磨いてきれいな銀色になればOKです。

注意点は、電池の外装を傷つけないようにする。素材が樹脂フィルムで弱いためだ。

・NGな磨き方
ナイロンのやすり、紙やすりは不向き。
理由は、金属の汚れを削るには弱い。また狭い範囲を磨きにくいので電池包装部分を傷つけやすい。


■ 仕上げ ~綺麗にする


 
eneloop / kanonn


削ったら、キッチンペーパー等で磨く。
硬めの紙が良い。拭くとけっこう汚れが取れるので驚く。

■ 注意点
今回は、金属やすりだけで磨いた。
こだわる人や繊細な作業に自信がある方は、端子をもっときれいに磨くと良いでしょう。紙やすりの番手を上げたり、スポンジのやすりで鏡面に近づける。


■ テスト


 再度、テスト機能付きの充電器でエラー電池を確認する。
かなりの確率で、エラー電池が正常になるはずだ。

エラーが出なければ成功。

エラーが出るようであれば、電池の状態を見てからもう一度磨いてみる。
おおむね、端子汚れの電池の場合は2回ほど磨くと充電に成功した。


● 作業終了

 できあがり。おつかれさまでした。

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■ 修理方法で効果が少ない物。 

 今回、電池の清掃でさまざまな方法を実際に試した。 
試した中で効果が少ない、無かったものを記載しておく。


△ 強制充電 = センサーの無い充電器で、強引に充電する。
エラー電池の検査機能が無い充電器を使用。この方法はデメリットは多い。エラー電池にも充電可能だが手間がかかる。さらに満充電感知が無いタイプでは充電完了の見極めがしにくい。 また電池が故障している場合には危険だ。




■ 端子の清掃方法で効果が無い・少ないもの。

△ エタノールで清掃 =通常なら電子機器の清掃はこれで充分だが、エラー充電池には効果がなかった。


X マイナスドライバーで削る。= 削りにくい。また滑って外装を傷つける場合がある。


? アルミ箔で端子を磨く = 金属の汚れ落としに使われる方法だ。だがエラーの充電池には効果がなかった。削りが弱いと考えられる


? 接点復活剤 = 今回は未使用。電池はビニールや樹脂部分があるため悪影響を考えた。





■ 作業した感想。

所有している高容量エネループは、ほとんどで充電エラーが出ていた。

比較すると、他の中~低容量のエネループやエボルタでは余り発生していない。

修復だが、数量では8~9割くらいが今回の方法で直りました。

■ 完成


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 無事に修理できました。

高価な充電池、特にハイエンドのエネループは処分をためらっていた。回復して嬉しい。

新型充電器の使用と清掃により、エラーが出ていた電池のほとんどが治りました。


充電池は製品や使用方法によっては、定期メンテナンスで端子清掃が必要なようです。

なお今回の方法でも数個の電池が回復しませんでした。現在、エラー電池を強制充電や使用で回復しないか試しているのでまた追記しますね。


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■ 今回使用した機器

Panasonic 充電器 BQ-CC83


■ 更新情報

2023年6月6日 作成



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