S.M.S.Lから高級DACの新型「SU-10」が登場した。
ハイエンドラインのVMVブランド製品を除けば、SMSL内ではSU-10がフラッグシップ機だ。
今回は全機の特長と購入リンク。 便利な周辺機器を紹介します。
■ SU-10とは
S.M.S.L 社の新型オーディオDACがSU-10。日本では2022年9月に発売された。
同時期に発売されるSU-9Proを超えた、新しい最上位機種だ。
なお発売してからもSMSLの公式サイトのDAC一覧に情報が無かったが、2023年3月3日に追加された。
価格は海外で$899.99で発売。
● SUシリーズについて
SMSL内でSUシリーズは、ヘッドフォンアンプを持たないDACだ。無線機能も持つ。クラスはSU-6からSU-10があり、中級機~旗艦機になる。
またSMSLのVMVシリーズを除けば、同社内でSU-8~9は上位クラスのDACだ。SMSLはSU-9Proは高性能機。SU-9は以前のフラッグシップ機、SU-9nは以前はサブフラッグシップ機と呼称していた。
■ 特長と性能
同社のDACでは、SU-10は新型であり機能と性能は高い。
最新の部品やSMSLの自社開発部品が投入されている。
■ 外観と内容
SU-10はデザインはSUシリーズを受け継ぐが、新型筐体が採用された。
本体はアルミシャーシで、CNC加工。単一のアルミブロックから機械加工されたケースだ。前後方や上面部分から眺めるとつなぎ目が無いことが分かる。
大きさは幅240㎜でハーフサイズよりやや大きい。奥行きは185㎜でCDケースくらい。高さは薄めの39㎜でカーオーディオの1DINに近い。
底面は足が4点タイプとなった。(SU-8~9は3点)。金色のインシュレーターでカッコいい。
重量は1.86㎏もあり、SU-9Proの2.35倍だ。
● 梱包
梱包は、黒い紙箱に入る。従来のSUシリーズとは異なる重厚な雰囲気になった。表はSMSLのロゴのみでイラストは無い。
中に緩衝材が有り、本体や付属品(リモコン、USBケーブル2種、BTアンテナ)が収められている。本体はさらに袋に収められてる。中英文のマニュアルや検査証も同梱される本体はさらに黒い袋に包まれている。
マニュアルが日本語対応となっている。
● 前面、操作系
前面はディスプレイ、回転ノブを備える。
センターに新型の2インチ液晶カラー表示画面を備える。さらにUIは新型となった。SU-9と比べて、シンプルで見やすい画面になっている。また新型液晶で見やすさも向上した。
ノブはスイッチも兼ねており、スタンバイ状態から一回押すと電源がオン。もう一回押すとメニュー。設定が可能だ
項目は音量、ソース・ビットや周波数、デジタルソースの規格やアイコン(MQA、DSD,USB,光、同軸,Bluetooth)。メニューからはPCMサウンド・フィルター7種、サウンドカラー9種、DSDフィルター、位相設定。DPLL設定。I2Sの設定。 表示では6段階の明度調整あり。ディマーが5~60秒。音量可変と固定のプリモードを利用可能。
注目点は本体操作がノブとキーで可能だ。 各種操作と音量を兼用する。
リモコンも付属しており、各種操作が容易になっている
● DAC
SU-9PROはESSの旗艦DACである9038PROを2機搭載する。
SMSLでは新しい構成だ。2基構成のハイエンドDACから16チャンネルを使用して、4チャンネルを平行化する。
完全に再設計されたフラッグシップの32ビット8チャンネルDACだ。全世代より低消費電力で、高音質化を実現した。ES9039PRO には、ESS の特許取得済み Hyperstream IV DAC アーキテクチャを使用する、8つの統合DACを持つ。QUADモジュレータ アーキテクチャを使用して、世界クラスのチャンネルあたり +132dB DNR、+140dB DNR、THD+N -122dBの性能、モノモードで-140dBと前例のないオーディオ音質と仕様を実現した。 対応ビットレートや周波数は広めで最大でPCM768kHz、DSD512にも対応する。7種のデジタルフィルターやDSDフィルターを備える。
USB端子は従来のUSB-Bに加えて、新たにUSB-Cを採用している。
またI2S、AES端子も装備された。
新機能だが、メニューから選択できる USB-BとUSB-C 入力の選択肢があります。もう1つの新機能は、バランス出力またはRCA出力を、個別。もしくは同時にオンにする機能です。
・サンプルレート
USB/サンプルレート:32bit、44.1~768kHz DSD最大サポート:DSD512
光/同軸入力サンプリングレート:24bit 44.1~192kHz、
DSD:2.8224~22.5792 MHz(1bit)
DoP:DoP 256(USB)、DoP 64(光/同軸/AES)
そしてMQAのハードウェアデコードも対応する。
NQAデコードはUSB、光と同軸でも対応する。
MQAデコーダー:USB/光/同軸/
MQA-CDデコーダー:光/同軸/
・内部、機能
筐体は、底面からパネルを一枚外すと覗くことが出来る。
内部は巨大なトランスと、各セクションに部品が整然と並ぶ。21基のオペアンプ等なかなか迫力ある構造だ。
USB受信部は第3世代となる「XMOS XU306」を搭載した。DoPとDSDネイディブ再生に対応。最大32bit / 768kHzのPCMサンプリングレートとDSDに対応する。
・オペアンプ:TI社のOPA1612Aを21基使用する。(SU-9Proでは11基)
・クロック :自社開発の新クロック処理回路CK-03を新たに採用。ジッターを低減した。中国の他メーカと同様に独自部品を投入した。
● Bluetooth
BluetoothはクアルコムのBluetooth 5.0レシーバを採用。高音質コーデックに対応。
背面端子に小型アンテナの接続も可能。
・SU-9PROはLDACをサポート。
LDAC:24bit/96kHz_990kbps(990kbps/660kbps/330kbps )
aptX-HD:24bit/48kHz_576kbps
aptX:16bit/44.1kHz_352kbps
SBC:16bit/44.1kHz_328kbps
AAC:16bit/44.1kHz_320kbps
● ダイナミックレンジ、SNR
SU-10は音質が向上した。
Dynamic range = XLR 135db,RCA=128db |SNR=135db(XLR)
測定データも優秀だ。海外のサイトAudiosciencereview.comで各社DACの性能テストランキングでTOPとなった。*1
・参考
SU-9PRO Dynamic range = XLR 134db,RCA=128db |SNR=134db(XLR)
SU-9,9n Dynamic range = XLR 130db,RCA=123db |SNR=136d
● 背面、電源など。
背面は入力端子にUSB/光ファイバ/同軸/Bluetooth。出力にRCAとXLRを備える。
電源は背面の3ピン端子から供給可能。
電源:電源構成は豪華だ。SU-9と比較しても大きく強化されている。SU-10では2組のリニア電源を使用して、デジタル ユニットとアナログ ユニットにそれぞれ供給する。部品はオーディオ グレードの Noratelトランス。SMSLのハイエンドVMV D2に採用されているがSU-10でも2基投入されている。SU-10に安定した、信頼性が高く、効率的で低ノイズの電源システムを提供するための複数の低ノイズ調整電源を装備する。
● お勧めポイント
• ESSの旗艦DACを搭載
• コンパクトで高性能。
• 操作ノブとボタンを装備、リモコンにも対応
• バランス出力に対応。I2S対応
• 入出力が多い、無線で高音質コーデックも対応
X 弱点や気になる所
・ コンセント部のプラグが3点タイプ。
■ 感想
SMSLの新型旗艦機が登場しました。
新グレードの機種であり、筐体が新型。内部の部品構成も豪華です。海外サイトでの評価も高く、日本での人気が注目されます。
■ 購入用リンク
■ SU-9
現在はAmazonで取り扱いあり。
・Amazon
・通販リンク
[入荷待ち]楽天、YAHOO
■ 周辺機器
使う時に便利な用品
■ ケーブル
◢・SMSL w6 Audiophilesオーディオ単一クリスタル銅RCAケーブル1ペア
SMSL社のコンポであるパンダシリーズ用に作られたケーブル。オヤイデを使用している。
■ 注意事項 ・ウェブサイトのご利用条件
* 文章を読みやすくするため、敬称は略させて頂いている場合があります。
■ SUシリーズについて
SU-8以上はバランス出力とBluetoothも搭載。そして高級DACを搭載する。 SU-9とSU-8sの外観はほぼ同じだ。部品やスペック、機能が若干異なる。アピールポイントは、SU-9はESSの旗艦DAC、SU-8sはAKMのDACを搭載する。
SU-8sとSU-9は2020年9月に発売。
SU-8sは同社DACのSU-8の後継で型番も似ているが、デザインは新しくなった。
SU-9はSU-8のアップグレードモデル。DACや回路が異なり、SU-9がSU-8より若干SN比などのスペックが良い。またサウンドフィルタ等の設定が僅かに多い
SU-9nは2021年10月に発売SU-9の廉価版。機能や対応規格(MQAやUAT)を省いて低価格化を実現した。部品もわずかに変更された。
SU-9 PROが2022年10月に発売。ESSの旗艦DACを搭載して、部品や機能追加が行われた。
■ スペック
■ データ
S.M.S.L社は、中国は深圳市にある会社。社名は地名が由来。
(S.M.S.L =深圳市双木三林电子有限公司/ Shenzhen shuangmusanlin electronic Co., LTD)
家庭とカー用音響製品企画から製造まで統合しておこなう企業。製品はヨーロッパ、アメリカ、中東、東南アジアに20以上の国と地域に販売されて、日本でも販売。
AV機器はヘッドフォンアンプや小型アンプ、DACと小さく可愛い製品が主です。新製品とロングセラーモデルが混在するのも特長。 技術指向で尖ったモデルが多い。また綺麗なデザインを採用する。
■ 更新情報
2023年3月2日 作成
■ 参考動画
・ファン動画 開梱、説明
■ 関連、参考サイト
・Audiosciencereview.com
https://www.audiosciencereview.com/forum/index.php?threads/smsl-su-10-dac-review.38415/
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