映画「インサイド・マン」の謎やオチ解説と感想

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 今回紹介するのは、映画『インサイド・マン』の2006年版

評価の高い作品でNetflixでも配信されている。
作品は犯罪ものだが、カットバックが多くてさらに状況説明も少ない。そしてあっさりと終わるラストなど観客に推理や理解力を要求する。

今回は『インサイド・マン』の不可解な部分やオチとラストシーン解説。

一度見て分からない方向け。なるだけデータを集めて憶測は避けた。 
ネタバレ・謎やオチ解説ですので知りたくない方は見ちゃダメです。


■ はじめに ~  映画情報や概略 


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 『インサイド・マン』は2006年のアメリカ映画。
アメリカでの原題も「Inside Man」

監督はスパイク・リー。主演はデンゼル・ワシントン。

題名のインサイド・マンは詐欺に関する用語だ。詐欺の主犯ともいえる。
ビッグコンと呼ばれる大掛かりな詐欺でカモ(被害者)を扱う役割を持つ。作中ではダルトン・ラッセルが相当する。なおビッグコンを扱った作品では映画「スティング」が有名だ。*1


■ 制作経緯

原作者は元弁護士だ。彼は幾つかの国で休暇を取っているうちに今作のアイデアを思い付いた。初めての脚本となる作品が出来るまで5年を掛ける。2002年に脚本が出来て売り込みを開始した。

イマジン・エンターテインメントは脚本をユニバーサル・ピクチャーズが制作するために購入。イマジンの共同創設者であるロン ハワードが監督となるが辞任。脚本はスパイク・リーにたどり着いた。2005年6月から8月までニューヨークでロケが行われた。

 公開後: 2006年3月20日にプレミア公開。3月24日に全米で公開。製作費は4500万ドルだったが、興行収入は世界中で1億8,440万ルを稼いだ。リーの映画では「マルコムX」を抜いて最高収益となった。

● 関連作品

2019年にオリジナルビデオ作品として続編が作られている。監督や主演は変更。
ストーリーは映画からの続きとなっている。



■ 映画のあらすじ


 Diamonds
 Diamonds / Kim Alaniz


 映画のジャンルは、犯罪、サスペンス。
銀行強盗+籠城ものであり、見所は犯人と警察側の先読み合戦で知恵比べだ。


 舞台はニューヨーク。
マンハッタンの信託銀行に強盗が押し入り、人質を取って籠城する。 

ニューヨーク市警のキース・フレイジャーとビル・ミッチェルが現場の担当として派遣された。フレイジャーは汚職の容疑を掛けられており、汚名挽回のチャンスに意気込んでいる。

強盗の首謀者はダルトン・ラッセル。狡猾な彼の作戦や揺動により警察側は翻弄される。 そんな中で事件を知った銀行会長のアーサーケイスは強盗事件の隠ぺいを狙う。弁護士であるマデリーン・ホワイトに依頼した。

犯人グループの目的も不明。犠牲者が出る中で、弁護士や市長が介入して警察に圧力をかけ始めた。 主人公フレイジャーは事件担当から外されて事件は混迷を深めていく。

見どころはフレイジャーの正義を貫くための行動。そして犯人の正体と目的の捜査。犯人の脱出方法だ。


■ 謎解きと解説



Brooklyn Bridge and the World Trade Center, Blue Hour 3-31-2016 / John Cunniff


 設定やわかりにくい部分を解説。
無茶な推測やこじつけなどは避けた。

時間順に紹介。

 ■ 人名、キャラ(俳優名),用語解説

キース・フレイザー刑事(デンゼル・ワシントン) = 一級刑事志望。結婚予定。銀行強盗事件で交渉を担当する

ジョン・ダリウス大尉(ウィリアム・デフォー) = NYPD Emergency Services Unitのキャプテン。キースと協力して事件に当たる


■ 犯人側

クライヴ・オーウェン(ダルトン・ラッセル) = 銀行強盗のリーダー

■ その他

アーサー・ケース = マン・ハッタン・トラスト銀行の創設者

弁護士(ジョディ・フォースター) = アーサーの依頼で 警察に圧力をかける

市長= 弁護士とアーサーの協力者。キースに圧力をかける




■ 犯人と犯人グループの正体は?

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20 Exchange Place, New York3 / Chris Urbanowicz


 作品を楽しむために、わかりやすく解説。
まず犯人グループの正体と属性を解説する。




■ 犯人の目的 ~ 強盗を起こした経緯。

首謀者オーウェンが銀行創始者アーサーの過去を告発して、さらに「悪事は悪臭を放つ」と語っている。単なる金銭目的ではなくアーサーへの義憤が大きいようだ。

アーサーはナチスに協力。ユダヤ人家族を助けることが可能だったが見捨てている。そして大量のダイヤを入手。銀行創始の土台にしている。



 ■ 強盗団のメンバー

作中では犯人グループの正体は不明だ。 劇中で首謀者以下のメンバーはスティーブXと呼び合うことで本名を隠している。

だが終盤にメンバーが顔見せをして素性が明らかになる。
強盗した理由やメンバーの関係は不明。またラストに顔出ししていないメンバーや協力者がいる可能性も有り全容は不明だ。強盗団と明らかになっている人物を紹介する。


 

■ 正体が分かっている人物

クライヴ・オーウェン(ダルトン・ラッセル)=銀行強盗のリーダー。
犯人グループの中で唯一、最初から顔見せしている。作中で首謀者と観客に分かるように一度マスクを脱がされている。 強盗団の中では唯一、警察に確保されなかった。なおラストでフレイザー刑事には存在を明かしている。

バーニー・レイチェル =人質の中で目立っていた人物。
コロンビア法科大学院で教授として働いている年配のユダヤ人男性だ。虐殺、奴隷労働、戦争賠償請求に関するコースを教えている。人質として脱出に成功した。観客にはラストシーンの車中で協力者と判明した。

カルロス・アンドレス・ゴメス、ケネス・ダマージアン = 強盗団のメンバー。
スティーブと呼ばれる。雑用を担当して、銀行内でiPodから放送を流して警察のかく乱なども行った。彼も人質として脱出に成功した。観客にはラストシーンの車中で協力者と判明する。

巨乳の美人= 強盗団の中で目立っていた女性。途中で人質のふりをして監禁部屋に入るシーンがある。他に巨乳の女がいたため警察の尋問をすり抜けられた。




■ 舞台での疑問。 


 20 Exchange Place, New York
20 Exchange Place, New York / Chris Urbanowicz


 作中での舞台に関する謎。


■ 舞台はどこか

 
Brooklyn Navy Yard Bike Tour 36 - Steiner Studios / H.L.I.T.

 
インテリア セットはニューヨークに拠点を置くシュタイナー スタジオで作成された。
銀行地下シーンなどのセットが組まれた。

警察側の司令塔となるのが車両軽量移動通信車両。実機を使用している。



 ● マンハッタン トラストの支店

 One of three entrances at 20 Exchange Place, Lower Manhattan, NYC
One of three entrances at 20 Exchange Place, Lower Manhattan, NYC / Jeffrey


架空の店。撮影にはエクスチェンジ プレイスにあった元ウォール街の銀行が葉巻バーとなっていたのを利用した。1階は実際に人質が捕まったシーンで使用。

トゥエンティー エクスチェンジ プレイス





■ 構成の難しさ ~ フラッシュバックの多用


 NYPD
NYPD / Dave Hosford


今作ではフラッシュバックが多用される。突如、過去のシーンが挟まれる演出だ。
過去と未来が交錯して展開する。さらに画面の切り替えに明確な演出や画面効果が無い。観客が理解しづらくかつ混乱する不親切なつくりだ。

主要な流れにもフラッシュバックが使われる。例えば人質確保後の取り調べにも何度か挿入される。 人質の経歴を説明する仕掛けだが観客側には非常に話が理解しにくい。

観客に伝わる部分のひとつが首謀者クライヴ・オーウェン(ダルトン・ラッセル)の立場だ。冒頭の独白で強盗団のリーダーであると判明する。

そして謎解き部分の一つである”犯人当て”でもフラッシュバックで解説されている。
例えば胸の大きい女性や心臓の悪い男性が、犯人側と全く関係無いと分かる。


■ 登場キャラクターに関する謎。


 NYPD
NYPD / plassen


 各キャラクターの不可解な行動や最期について解説


■ 主人公とミスリードの巧みさ

主人公のデンゼルワシントンの抜擢が良いですね。 彼はちょい悪。映画「イコライザー」シリーズや「フライト」など。アウトサイダーも似合うので不正をしそうな雰囲気を持つ。 

彼は終盤まで実は無能な振りをして”犯人とグルではないか”という可能性を漂わす。実は普通の刑事で、強盗団に振り回される役どころでした。


■ ジョディ・フォースター登場!有能弁護士・・・のはずが

ジョディフォースターが演じる弁護士。
見る側は『悪者ぶってるけど途中から主人公に協力してくれそう、本当はいい人』だと期待する。だが実は悪徳弁護士だった。 

しかし高飛車に出る割には物事の進捗に役立たない。終盤間際には主人公との会話を盗聴されており証拠品として突きつけられるなど。実は「美人だがただのポンコツだった」と明らかになる。私はジョディ・フォースターが好みですが、今作では上手く役立たずにして外したなと感心した。



■ 子どもと首謀者の交流

 
PSP / Ricelife


人質で8歳の少年ブライアン。首謀者と交流する。
ブライアンはゲームの影響で、犯人グループに対して好意を持っている。このシーンは首謀者の信念が何点か分かる面白いパートだ。

まず首謀者が観察力があると判明する。単なる子供のゲーム機だが注意深く見ている。 そこで上手く犯人に人間味を出している。子供を心配する,ゲーム内容を父親に注意する等だ。犯罪を行うゲームと子供への影響に対して懸念や注意するやさしさを持っている。
 
単なる衝動的な犯罪者ではないことを示す。
子供は犯罪者に憧れやすい。 首謀者は犯罪者だが、正義を錦に持つ知能犯だ。射殺や殺人など暴力は良く思っていない。 言い換えれば、今作では『犯人は残虐な犯罪者ではない』と暗示する。


 Grand Theft Auto IV
 Grand Theft Auto IV / Silvio Sousa Cabral


ゲームについて:雑学だが、子どもはソニーのゲーム機PSPで遊んでいる。ゲームは街中で犯罪を起こしていくグランド・セフト・オートがベースだ。



■ 人質たちは何者か? 謎を深める群衆たち。

 Disused bank interior, 20 Exchange Place, Lower Manhattan, NYC
  Disused bank interior, 20 Exchange Place, Lower Manhattan, NYC / Jeffrey


この作品では人質が謎解きの要素を強化する。
作品の終盤まで犯人グループが顔を見せないからだ。 

犯人グループ側は、人質と犯人グループのメンバーを時折混ぜている。そのため警察側には誰が犯人か分からない。犯人の策略はうまく運んで結局は人質に紛れて脱出に成功した。

人質には個性ある人物が混ざっている。それゆえ警察による犯人の推測を困難にして、観客の推理も難解にしている。
ざっくり言えば誰が犯人か分からない。さらには無関係に見えても実は犯人の協力者である可能性も高いのだ。

■ 目立っていた人物

 ・ 携帯を使って大声で話していた女性
 ・ 大声で話していた女性を気にかけていた男性  
 ・ 心臓が悪いと語っていた男性。直ぐに開放された
 ・ ピーターハーモンド。携帯を隠していた銀行員
 ・ シーク教徒の男性。ターバンをはく奪されて憤っている
 ・ ミリアム・ダグラス。服のはく奪を拒んだ女性



 ● 協力者は多数いる?

今回の強盗の協力者だが、何人かは強盗の人質として参加しているように見える。
例えばユダヤ人であるとか犯罪動機に関連する人物がいるからだ。

また行動が大げさだったり不審な人物も多い。 例えば人質の数人が犯人に連行される。だが実際に暴行を受けたかの確証がないのだ。

ひょっとしてオリエント急行殺人事件のようにみんなが犯人だった!なんて可能性も有りそうだ。



■ フレイジャー刑事の汚職容疑

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  nypd / Y3um


 横領の容疑をかけられていた。 作品中盤で容疑がはれる。なお不明金の出所は解説されなかった。


■ 小物


 
iPod / Hiroyuki Tsuruno


 物語の謎を深める小物たち。


■ 盗聴器

 作品の中で活躍した小物だ。

  
iPod / matsuyuki


1. 警察側が、盗聴するつもりで仕掛けた。だが犯人に先読みされており、iPodの音声を聞かされていた。

2. 警察側が犯人に仕掛けられた。犯人に送られた箱に仕込まれており、会話が筒抜けだった。警察の油断が生んだ致命的なダメージで捜査情報がすべて漏れた。

3. 圧力の証拠。フレイジャー刑事が市長と弁護士の会見で渡した。実は、籠城事件でピザに仕掛けた盗聴器を応用している。




■ 392の貸金庫金庫
作品中で重要なものとして扱われる。銀行の創始者が使っていた。


封筒の書類: 作品における謎。貸金庫の中にあった。
途中までは重要な品として扱われるために観客側の推理を混乱させる要素となる。実は映画用語でいうマクガフィンであり”どうでもいいもの”だ。 作中では最後まで封筒の中身は何かは分からない。書類自体は犯人側首謀者が自分を守る切り札として持ち去ったと推測される。


■ オチについて 


 
 ニューヨーク / Shinichi Haramizu


大部分の人が分からないオチだろう。
はじめになぜスッキリしない不可解なラストになったか解説する。大きなのは2点だ。

1. 明快な説明や画像が無くて理解しにくい

 明確なセリフや補強する解説が無い。
例えば、ポケットからダイヤがひとつと出てきても観客は伏線に気づきにくい。 
主人公が結婚前で恋愛関係なのはくどい連絡シーン等で分かる。だが結婚用のダイヤが欲しいとは大きくアピールされてないからだ。 また首謀者がダイヤを持ち出したのも観客側の推理で分かるだけ。 ~ つまりのところ犯人がダイヤを持っているシーンが無いから、最後のダイヤは出所が分かりにくい。


2. 怪しい人物が満載

ラスト間際に一気に犯人グループが顔出しする。だけどあまり印象に残ってないメンバーも多数いる為に観客側は「誰だろう?」とポカーンとする。

「こいつが犯人だったの!」とスッキリしないのだ。~ この辺りは惜しい。火曜サスペンス劇場で『通りすがりの人物が実は犯人だった』という展開と似た印象だ。

私も初めてインサイド・マンを観た時に、分かりやすいのは大学の先生くらいでした。


■ ラスト - 犯人や主人公の行方。


 Disused bank interior, 20 Exchange Place, Lower Manhattan, NYC
 Disused bank interior, 20 Exchange Place, Lower Manhattan, NYC / Jeffrey


 それではラストを解説する。
犯人の狙いと権力者たちの行方。そして主人公はどうなったのか解説する。

1 犯人の脱出方法
首謀者のダルトン・ラッセル。冒頭で彼は牢獄に見える場所で自己紹介を始めている。それが終盤に出てくる部屋だ。実は銀行内の物置部屋に作られた隠し部屋だった。一週間潜んでいた。

事件後に首謀者は脱出に成功。ダイヤと書類を持ち出している。

2 大きなダイヤの指輪
カルティエの宝石。今作で目立つアイテムの一つで金庫に残されていた。 ユダヤ人犠牲者の指輪で、のちに悪事告発の鍵となる。首謀者が脱出後に仲間との会話で「信頼できる人物に託した」と語っている。もちろん主人公フレイジャーのことだ。

3. 市長と弁護士への逆襲
フレイジャー刑事は、市長と弁護士の会合の場に出かける。犯罪への関与をかわそうとする弁護士に大きなダイヤの指輪を突き付ける。さらのボイスレコーダーを渡して不当な圧力をかけたこと。そして戦犯捜査局の名刺を渡して捜査の続行を伝える。

4. ダイヤの搬出方法 
大量のダイヤが金庫に納められていた。黒い小袋に入っている。強制捜査で確認したときには消失していた。唯一強盗団が持ち去っている。 首謀者が脱出時にダイヤを一つだけフレイジャー刑事に渡していることから、観客には首謀者が隠し部屋に隠れた後に持ち出していたと分かる。

5. 主人公は汚名を挽回した
ラスト。主人公が彼女の部屋で自分の荷物を服から取り出して並べる。その中には一級刑事と書かれた証明書がある。主人公が汚職の汚名を晴らしたと分かる。

6. ポケットのダイヤ

  
  Diamond / lozikiki


主人公のポケットに入っていたダイヤ。銀行で男とぶつかった際に入れられた。男は犯人グループのリーダーだ。それゆえ観客には、首謀者が脱出に成功していたと分かるシーンになっている。

ダイヤは、フレイジャー刑事と首謀者が話すシーンで「結婚するのでダイヤは欲しい」と語っていた。犯人はフレイジャー刑事にプレゼントしたように見える。 仲間に取り込もうとするわいろにも見えるがなかなか粋な演出だ。 なお観客には盗品と分かる。だがフレイジャー刑事は金庫に残っていた手紙とダイヤの指輪ひとつを見ているのみだ。金庫に多数のダイヤがある光景を見てないので、彼にとっては貰ったダイヤは出所不明の品だ。



■ 犯人は残虐では無かった。

 残虐ではないから強盗や籠城事件が許されるわけでもない。 ~ ただし映画として見ると、観客が犯人に感情移入できる上手い構成だ。人質に暴行を加えたりする犯人だったが、計画を遂行するためでルールを守らない物への制裁だった。

注意深く見ると犯人は極端なムチャは言ってない。人質に「カッパを着ろ」「携帯を渡せ」等と言っている程度だ。抵抗して服を脱がないマダムに関しては、犯人グループの女性に連行させて穏便に済ませた。実際に「心臓が悪い」と訴えるおじさんは早く解放している。残虐に見えた人質の射殺シーンはルールを守らない主人公のルール違反を咎める為。そして実は血を出す注射器によるトリックだった。

死亡者がいない。大きな被害者はダイヤや悪事の証拠を盗まれた銀行創始者のみ。もちろん暴力は受けていない。 犯人が義賊であり、銀行創始者の戦争犯罪を告発するために銀行強盗を起こしたようにも見えるのだ。


 ■ 関連作品


  参考に、関連作品での流れを紹介。


・ インサイド・マン2

映画公開後にインサイド・マン2の続編が開発中と発表された。主要人物を演じた俳優の再演も確認されていた。だが2011年にキャンセルが発表された。スパイク・リーは資金を確保できなかったと表明している。


・邦題:インサイド・マン2 (原題 インサイド マン: モストウォンテッド)
 2019年 ‧ 1時間 45分

 ➤ Amazon インサイドマン2

アメリカでビデオ公開された作品。日本では有料配信や、DVD,ブルーレイなどで見られる。

「インサイド・マン」で銀行強の盗首謀者であるダルトン・ラッセルと、銀行の創始者アーサー・ケースの因縁から話は続く。アーサー・ケースは軟禁中に死亡。そしてアーサーケイスの息子ディートリッヒが、ダルトン・ラッセルに復讐を実行する。 


・その他
Netflixでインサイドマン -囚われた者-というドラマが2022年に公開された。
映画「インサイド・マン」と題名が同じだが関係ない作品。


■ おまけ - 鑑賞法と映画の見どころ 


 
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 今作を私が見ていて、最初は深刻な映画の印象を受けた。
だが途中から犯人が人質殺害や金銭強奪が主目的では無いと分かる。そこから徐々に面白くなる。残酷な映画でないと安心して展開に集中できる。

主人公と犯人側の知恵比べが焦点になるからです。 ふつうこの手の映画だと、例えば犯人の脱出方法に荒唐無稽なアイデアがでるものだ。 だが「インサイドマン」は余り破たんが無い。ありえそうなトリックが多いのだ。

後半になるにつれて、テンポ良く困難や謎が解消されていく。楽しく見れた。


● 絶妙なキャスティングとミスリードの上手さ

キャスティングが上手い。
例えば脇では捜査に当たったウィリアム・デフォーも良い。 彼が登場したら観客は『こいつは悪人だろう!』と想像する。実はとてもまじめで良い人でした。見事なミスリードです。(~_~;)


● 登場人物の多彩さ。

 人質と犯人そして警察が入り組んで混とんとする。
そのうえ癖のあるキャラが多い。さらに人質が強く権利を主張したり横暴を批判する。観る側は混乱していくのだ。



■  関連商品 


 『インサイド・マン』気になる方、「また観たい!」 あなたのために紹介。


■ 映画


 今作と関連作品を紹介する。



■ インサイド・マン

・インサイド・マン ブルーレイ&DVDセット



> インサイド・マン [Blu-ray]



 > DVD





 ■ インサイド・マン2

 続編。

 > インサイド・マン2 ブルーレイ+DVD



 > ブルーレイ



 > DVD




■ サントラ


・オリジナル・サウンドトラック「インサイド・マン」/CD/GNCE-3053

 音楽は『スクール・デイズ』『ジャングル・フィーバー』などを手掛けたテレンス・ブランチャードが担当。








 ● パンフレット

• 映画パンフレット 

 


■ あとがき


映画「インサイド・マン」は美しい映画だ。
映像面では洗練された構図や撮影であまり古さを感じさせない。さすがスパイク・リー監督です。

内容では、籠城事件を扱った映画は脚本が大事な要素となるので面白い作品が多い。例えば「交渉人」「ダイハード」等、話題になった作品も多い。

今作品は、交渉時の犯人と警察の知恵比べに大きく時間を割いており観客は推理が楽しめる構成だ。また作品では重要な要素。犯人の目的の一つが戦犯の告発。さらに脱出方法もひとひねり有るのでなかなか楽しめる。


続編も出来たので人気がある作品になったのでしょう。

惜しいのはスパイクリーが関わる映画版の続編がキャンセルされたことです。見たかったな~。

それでは映画全体の感想をします。
有名な詐欺の解説本であるディビッド・モラー著「詐欺師入門」では、詐欺師の手口や大掛かりな信用詐欺を扱っている。 その中で『一流の詐欺師は被害者に気づかれない。場合によっては感謝される』と書かれている。

映画「インサイド・マン」の詐欺師は、警察側の主人公に感謝されるようにもふるまった。 
観客側からしても、ナチスの戦犯を追及しているためになんだが良いヤツに見えてくるので一流の詐欺師と言えるでしょう。私も上手く騙されたようです。(⌒∇⌒)

 
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 視聴データ:NetFlix


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■ 参考、関連サイト

*1 ディビッド・モラー著 詐欺師入門




■ 更新情報

2024年2月13日 画像追加 Amazonのバナーリンク廃止に伴い差し替え。
2023年12月12日 項目分けや区切りを増やして見やすくした。
2022年12月3日(土) 作成

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