
S.M.S.L 社から新型 DAC「D400EX」と「D400ES」が登場した。
AKMとESSのフラッグシップチップを搭載した高級機だ。
今回は特長と購入リンク。 便利な周辺機器を紹介します。
■ 「D400EX」と「D400ES」とは

S.M.S.Lの新型オーディオDACで、日本では2022年の11月に発売。
D400ESとD400EXの2種が発売された。同社のVMVブランド製品を除けば最上位となる。
■ D400EXとD400ESの主な違い

・[画像] D400EX
両機の目立つ差異はDACだ。
D400EXの構成は、AKM(旭化成エレクトロニクス)のフラッグシップDACチップであるAK4499EXを2基、そしてAK4191を1基。合計で3基のDACを搭載する豪華な構成だ。

・[画像] D400ES
D400ESは、ESSのフラッグシップDACチップであるES9039MS Proを搭載する。
DACの性能や機能が両機の差になっており、音質やサポート規格、フィルター機能等に影響している。

その他の仕様はほぼ共通だ。 USB受信部は、SMSL初となる第3世代XMOSを採用する。 各部に高音質部品や回路が搭載された。両機ともダイナミックレンジが133db(XLR)、SNRは133db(XLR)となっており好記録を出している。
■ 特長と性能

同社DACのDシリーズで両機は最新機となる。
これでDシリーズのラインナップは、チップメーカー大手の旗艦・高級DACが揃う。既発のD300がROHMのチップを搭載。そして今回登場するD400EXがAKM、D400ESがESS社のDACを搭載した。
■ 外観と内容 D400EX、D400ES

・D400EX

・D400ES
D400EX、D400ESのデザインは共通だ。外見は先行したD300と似ているが、カラーはシルバーを採用している。 操作系は同社では珍しい配置で、液晶パネルが左側、ノブがセンターに設置される。フラットなノブなのも珍しい。そして物理ボタン数が多くて扱いやすくなった。
本体はアルミシャーシでCNC加工。天板にはハイレゾ認証のロゴシールが付く。側面は同社では新しいデザインとなり放熱用の溝が付く。
大きさは幅188㎜のハーフコンポサイズ。奥行きも188㎜。高さは40㎜で、カーオーディオの1DINに近い。 全体では、デスクトップPCの光学ドライブに近いサイズだ。底面は足が4点タイプ。D300と比較すると、インシュレーターのサイズが大きめになった。
本体カラーはシルバーのみ。
● 前面 ~メニュー

・D400ES
前面はディスプレイと電源ランプ、回転ノブと右側に電源+メニュー+ファンクションボタンを備える。同社では独立したメニューキーの装備は珍しい。操作がしやすくなっており嬉しい仕様だ。
カラー表示画面を備える。パネルはIPSで表面には強化ガラスを採用する。
表示項目はソース名とアイコン。出力端子。ビット&周波数、デジタルソースの規格アイコン(PCM,MQA,DSD,USB,光,同軸,Bluetoothのデコード形式)
・メニュー設定項目
PCMサウンド・フィルター(ES:7種、EX:6種)
DSDフィルター(ES:4種、EX:2種)サウンドカラー(ES:9種,、EX:4種
音量可変と固定のプリモードを利用可能。DPLL設定、I2S設定(正,反転)
表示で6段階の明度調整と5~60秒のディマーが可能。
付属部品:リモコンも付属しており、各種操作が容易になっている。
■ DAC
D400EXとD400ES。両機の特長がDACだ。AKMとESSの旗艦DACを搭載している。
各機種を解説する。
● D400EX

本機の注目点がDACだ。
AKMの新フラッグシップDACチップであるAK4499EXを2基、そしてAK4191を1基。合計3基のDACを搭載する。 AK4499EXとAK4191の採用はSMSLで初めてとなる。
デュアルモノラル設計で、チャンネルごとに1つのAK4499EXを使用する。VELVET SOUND /VERITATM AK4499EXは世界最高クラスのノイズ特性と THD 特性を誇る。新開発の「DWA ROUTING テクノロジー」 により、製造プロセス起因のノイズを抑制しており、世界最高クラスのアナログ特性 (S/N: 135dB per channel / THD: -124dB) を実現した。
そしてAK4191は、デジタルフィルターとΔΣモジュレーターを担う。AK4191に搭載した新機能「非同期動作モード」により、デジタル部とアナログ部のクロックを完全に分離することが可能となって低ジッタで高精度な D/A 変換を実現する。
これら二つの製品を使用することで、デジタルとアナログの完全セパレート構成を容易に構成できる。 なおDACチップ自体は超ハイレゾ音源(PCM 1536kHz, 64bit; DSD 44.8MHz) の再生に対応しているが、本機では制限されている。
2種類のデジタルFIRフィルタ(Sharp Roll-Off, Slow Roll-Off)を切り替えることで、好みの音質が選択可能。PCM I/F, 対応ビットレートや周波数は広めで、最大PCM768kHz、DSD512にも対応する。
USB受信部は、第3世代となる「XMOS XU306」を搭載して最大32bit / 768kHzのPCMサンプリングレートとDSD512に対応する。またMQAのデコードも対応。
・サンプルレート
USB/I2S サンプルレート:16、24、32bit、44.1~768kHz DSD最大サポート:DSD512
光/同軸入力サンプリングレート:16~32、1bit 44.1~192kHz、
・ダイナミックレンジ、SNR
Dynamic range = XLR 133db,RCA=128db |SNR=133db

● D400ES

本機の注目点もやはりDACだ。
ESSの新フラッグシップDACチップを搭載する。完全に再設計されたフラッグシップの32ビットDACだ。ES9039PRO には、ESS の特許取得済み Hyperstream IV DAC アーキテクチャを使用する、8つの統合DACを持つ。QUADモジュレータ アーキテクチャを使用して、世界クラスのチャンネルあたり +132dB DNR、+140dB DNR、THD+N -122dBの性能、モノモードで-140dBと前例のないオーディオ音質と仕様を実現した。 そしてMQAのハードウェアデコードも対応する。
機能と対応; 種類のデジタルFIRフィルタ(Sharp Roll-Off, Slow Roll-Off)を切り替えることで、好みの音質が選択可能。PCM I/F, 対応ビットレートや周波数は広めで、最大PCM768kHz、DSD512にも対応する。
USB受信部は第3世代となる「XMOS XU306」を搭載した。DoPとDSDネイディブ再生に対応。最大32bit / 768kHzのPCMサンプリングレートとDSDに対応する。
・サンプルレート
USB/I2S サンプルレート:32bit、44.1~768kHz DSD:2.8224 ~ 22.5792MHz(1bit)
光/同軸入力サンプリングレート:24bit 44.1~192kHz、
DoP:DoP256(USB)、DoP64(光/同軸)
・ダイナミックレンジ、SNR
Dynamic range = XLR 133db,RCA=128db |SNR=133db(XLR)127db(RCA)
■ D400ESとD400 共通項目
無線部や電源、クロック部分は共通だ。最新かつ高音質な部品が投入されている。
● Bluetooth

BluetoothはクアルコムのBluetooth 5.0レシーバを採用。高音質コーデックに対応。
背面端子に小型アンテナの接続も可能。
対応:LDAC・APTX・APTX-HD・AAC・SBC
■ 入出力と電源
背面は入力端子にUSB/光ファイバ/同軸/I2s/AES兼EBU/Bluetooth。出力にRCAとXLRを備える。
電源は背面の3ピン端子から供給可能。電源スイッチも装備。電源部も凝っている。電力効率を改善しながら、低ノイズ電力処理を内蔵し、消費電力を削減する。複数の低ノイズ安定化電源と組み合わせることで、安定性、信頼性、効率性、低ノイズの電源システムを提供する。
● クロック

自社開発した新しい「CK-03」クロック回路を搭載する。超低Jitterが実現。そして2nd PLL回路を合わせて、SPDIFによりオーディオデータを伝送するジッターが更に減少する。
色: 銀
■ 感想

SMSLのDシリーズへ新たにD400EXとD400ESが登場した。これでSMSLは、ハイエンド機で大手3社のDACを搭載する強力なラインナップを持つことになった。 ~ さすが最新技術や部品を取り込むのが得意なSMSLです。
SMSLは、近年は高価格帯の製品が増えている。 D400ESとD400EXの評価がどうなるか楽しみです。

■ 購入用リンク
■ D400EX
取り扱いはまだ少ない。AmazonではSMSL公式が販売している。
・Amazon > SMSL公式が参加している、販売ページ。
>通販リンク
■ D400ES
取り扱いはまだ少ない。AmazonではSMSL公式が販売している。
・Amazon > SMSL公式が参加している、販売ページ。
>通販リンク
■ 周辺機器
使う時に便利な用品
■ ケーブル
◢・SMSL w6 Audiophilesオーディオ単一クリスタル銅RCAケーブル1ペア
SMSL社のコンポであるパンダシリーズ用に作られたケーブル。オヤイデを使用している。
■ 注意事項 ・ウェブサイトのご利用条件
* 文章を読みやすくするため、敬称は略させて頂いている場合があります。
■ データ
S.M.S.L社は、中国は深圳市にある会社。社名は地名が由来。
(S.M.S.L =深圳市双木三林电子有限公司/ Shenzhen shuangmusanlin electronic Co., LTD)
家庭とカー用音響製品企画から製造まで統合しておこなう企業。製品はヨーロッパ、アメリカ、中東、東南アジアに20以上の国と地域に販売されて、日本でも販売。
AV機器はヘッドフォンアンプや小型アンプ、DACと小さく可愛い製品が主だ。新製品とロングセラーモデルが混在するのも特長。最近は高級モデルが増加している。 技術指向で尖ったモデルが多い。また綺麗なデザインを採用する。
■ 更新情報
2023年7月13日(木) 文章調整。通販リンクを追加
2023年4月14日(金) 文章調整。画像追加
2022年11月9日(水) 作成
■ 参考動画
・ファンの使用動画
■ 関連、参考サイト
・https://www.esstech.com › uploads › 2022/05
ES9039MPRO & ES9039PRO Product Brief APPLICATIONS
https://www.esstech.com/wp-content/uploads/2022/05/ES9039MPRO_ES9039PRO_Product_brief_v0.2.1.pdf
■ 関連記事
・S.M.S.L製オーディオ機器の紹介 2018年版 [特長と購入リンク]