S.M.S.LのハイエンドDAC「VMV D3」解説。

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 S.M.S.Lから新型ハイエンドDAC「VMV D3」が登場した。

今回は特長と購入リンク。 便利な周辺機器を紹介する。

■ 「VMV D3」とは


 「VMV D3」は同社のDACで、特徴は高品質・高性能。ハイレゾのデコードやバランス入力にも対応する。

SMSLの支店会社VMVブランドが冠される。ハイエンドDACのD2に続くモデルとなる。希少なDACや豪華な設計を採用しており、同社で「D3」は、最も高価な機種となった。

 ● D1~D3の違い

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  ・VMV D1

新型「D3」の特長は、高品質化と性能向上だ。初代D1の電源分離構造へ回帰するなど高級志向に近づいた。

2代目のハイエンドDAC「D1se」では価格が抑えられた。しかしD2では再びサイズも大きくなり、D1同様の高級仕様に戻っている。さらに「D2」では、高音質部品や回路が採用された。そして今作「D3」ではD1の高級志向にD1se、D2の機能性や汎用性を取り込んだモデルであり、SMSL渾身のDACだ。 日本での販売価格は、同社DACで高価だったD1の2倍を超える。

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■ 特長と性能


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 高級シリーズを扱う「VMV」ブランドで販売される。
ハイエンド指向で作られており、徹底した分離設計や高級部品が採用された。 さらにピュアオーディオ方向に作られており、無線機能や液晶部分は廃止された。

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 ● 梱包

梱包は、価格から考えるとそっけないものだ。
D3の写真が印刷された紙箱に入っている。中に緩衝材が有り、本体や付属品が収められている。中英文のマニュアルや検査証も同梱される。

マニュアルは相変わらずシンプル。各項目の設定方法が記載されているくらいだ。



■ 外観と内容

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外観: 今までのDシリーズDACの良い部分を合わせたような構成だ。D1se~D2の一体型デザインと異なり、D1の分割型デザインに戻った。液晶部分はD1se~D2のような情報量の多いタイプだ。回転ノブは廃されている。

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幅は28センチで奥行きは24㎝。CDケースを2枚並べたくらいの幅と奥行きだ。

脚部もD1se~D2の特徴ある不等長のスパイク型から、フラットなタイプに戻っている。

筐体はアルミのCNC加工で、陽極酸化プロセスを施されている。

全体の重量はなんと3.96㎏もあり、同社DACでは最も重い。


前面:ディスプレイとボタンを備える。

ボタンは2か所あり、上が電源。下が入力切替だ。操作や設定はリモコンが主体となる。

表示部はカラー液晶で、画面内のロゴなどのデザインは新しいタイプになっている。。
表示項目は音量、ソース・ビットや周波数、デジタルソースの規格アイコン(Hi-Res、MQA、DSD,USB,光、同軸,Bluetoothm)。

メニューからはPCMサウンド・フィルター6種、サウンドカラー10種を設定可能。DSDフィルターも有る。クロック設定、DPLLの設定、正/逆相の設定が可能。OS RateではSM5847を4倍のオーバーサンプリングまたは8倍のオーバーサンプリングで動作するように設定が可能。I 2 Sの設定が可能。

表示ではディマーは5~60秒。明度は6段階設定が可能。音量可変と固定のプリモードを利用可能。

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リモコン:付属。同社の上位機につかわれるアルミ製のモデルだ。


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チップ: 本機の注目部分はBBのPCM1704U-Jを採用する。R-2R部を持つDACであり、計4基搭載している。PCM1704自体の特長はマルチビット式のDACで24ビットの分解能を持つ。1999年ごろに流通していたようだ、製造工程が特殊で収率が低く高価だった。
当時は山水やデノンのCDプレイヤーで高級機や、NakamichiのDRAGON DACLimited。ハイエンドオーディオではmark levinson D/Aコンバーター No.360SL、エソテリックの最高級機、Wadiaなどに使われている。

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 ・画像 mark levinson D/Aコンバーター No.360SL

PCM1704は貴重なDACであり、かつマルチビットでは最高性能ともいわれる。デルタシグマ型が主流の現在では更に起床度が増している。 デジタルフィルターにはSM5847を使用。

対応ビットレートや周波数は広めで最大でPCM768kHz、DSD512にも対応する。7種のデジタルフィルターやDSDフィルターを備える。MQAデコードも対応。

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USB受信部: 第2世代XMOSであるXcore200 XU216を採用。最大32bit / 768kHzのPCMサンプリングレートやDSDに対応する。
オペアンプはOPA1612を7個使用。

・ サンプルレート
USB / I2S サンプルレート:1bit、16-32bit 44.1~768kHz DSD最大サポート:DSD512 
光/同軸入力サンプリングレート:1bit、16~24bit 44.1~192kHz、


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背面は入力端子にUSB / OPT / COAX / I2S / AES(EBU) / クロック
出力にRCAとXLRを備える。端子は金メッキ。

電源: 3ピン端子で主電源スイッチも装備する。 部品では英国NOTATEL製のトロイダル電源トランスを搭載。電源チップにはES9311を採用。日本製のニチコンKGシリーズフィルターコンデンサーも使用する。

クロック処理回路はアメリカのACCUSILICON社製の超低位相ノイズ水晶発振器を2個使用し、ALTERA社の高速CPLDでクロックを処理。 


色: 黒

入力:USB/光/同軸/AES(EBU)
消費電力:10W
スタンバイ電力:0.8W
容積:幅280㎜×奥行き240㎜×高さ51㎜
重量:3.96kg



● お勧めポイント

 • デザインが綺麗
 • 多彩な入力。
 • リモコンも付属する。
 • 希少なDACや高品質な部品を多数採用する。

 X 弱点や気になる所

 • 高価。




 ■ 感想

VMVシリーズのハイエンドDACが登場。
SMSLでは最も高価な機種となりました。希少なPCM1704や高価な部品が使われており、分離構造の電源など豪華なつくり。マークレビンソンやエソテリックも使ったチップを使っているので気になりますね。

DACが得意なSMSLが作った、現時点で究極のモデルになっています。

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■ 購入用リンク


 現在の所、amazonに取り扱い有り。

・AMAZON

SMSLとコラボモデルも発売しているAoshidaや、シンセンオーディオ発売中。

 

■ 周辺機器


 使う時に便利な用品



■ ケーブル

◢・SMSL w6 Audiophilesオーディオ単一クリスタル銅RCAケーブル1ペア

 SMSL社のコンポであるパンダシリーズ用に作られたケーブル。オヤイデを使用している。







■ 記事について

  • 注意点


■ データ

● S.M.S.L社は、中国は深圳市にある会社。社名は地名が由来。
(S.M.S.L =深圳市双木三林电子有限公司/ Shenzhen shuangmusanlin electronic Co., LTD)

家庭とカー用音響製品企画から製造まで統合しておこなう企業。製品はヨーロッパ、アメリカ、中東、東南アジアに20以上の国と地域に販売され日本でも販売。

AV機器はヘッドフォンアンプや小型アンプ、DACと小さく可愛い製品が主です。新製品とロングセラーモデルが混在するのも特長。最近は高級機が増加している。

● VMVテクノロジーはSMSLの支店会社となる。2013年に香港で登録された。VMVはフラッグシップや高級機用ブランドだ。


■ 更新情報

2021年12月2日 作成


■ 参考SNS

■ 関連動画

■ 関連、参考サイト

公式SNS:https://facebook.com/S.M.S.LOfficiaI/

・PCM1704の高性能化テクニック - Texas Instruments
https://www.tij.co.jp/jp/lit/an/jaja006/jaja006.pdf

・PCM1704 BiCMOSサイン・マグニチュード方式 24ビットD/A
http://easyaudiokit.hobby-web.net/kit-room2/datasheet/PCM1704.pdf

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