今回のおすすめ作品は『税務調査官・窓際太郎の事件簿』
20年にわたり、毎年放送されている人気テレビドラマです。
■ 『税務調査官・窓際太郎の事件簿』とは
1998年からTBS月曜劇場で21時のゴールデンタイムに2時間枠で放送される。年に1~2本の頻度で放送されている。
視聴率はピーク時に20%近くを取っており、現在でも高めで推移する。 原作の無いミステリー2時間ドラマでは異例の長期作品。
■ ストーリーや構成について 「かってエリートだった男が、政治家の巨悪を暴く!」
ミステリードラマで政治と企業の脱税や金の動きを暴くのが主体。”窓際”と呼ばれ虐げられている税務署員 窓辺(まどべ)の推理と活躍が見どころ。
「ぼんやりした人が、実は凄い人」という日本人が好む王道です。窓辺が悪党の拠点に令状を持って乗り込む窓辺も痛快だが、楽しい雰囲気もある。生活や商売に関わる節税方法が優しく解説されて税やお金の知識も深まる。 レギュラー陣とのやりとりも楽しい。また家族愛や親子愛も大事な要素です。窓辺が幼い時に父を亡くしており、ゲストの親子や夫婦間の問題を助ける場合が多い。
● あらすじ
主役は世田谷南税務署に勤務する窓辺太郎。国税局査察部で活躍していたが、政界の謀略と戦うため5年前から税務署勤務となっている。
窓辺は、通常は世田谷税務署でのんびりと勤務している。 冒頭で起きる殺人事件をきっかけに、国税局(現在は財務省)の森村からの依頼を受けて、窓辺が地方に研修名目で訪れて調査する。 扱うのは政治家の贈収賄や官製談合、省庁の不正や議員と企業の癒着や脱税などスケールは大きめ。そして各回のマドンナや出会った人の悩み解決にも貢献する。
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● 魅力1 キャラ
主人公窓辺役の小林稔侍、局長役の北村総一郎などベテランが揃う。また上司役の渡辺いっけいがレギュラーで楽しいコメディを繰り広げる。パートナー薫役の麻生祐未さんの熱演もお楽しみの一つ。
ゲストも毎回豪華でベテランや旬の若手俳優が登場する。人気女優やアイドル、ベテラン女優が出るのもお楽しみです。恋愛要素もあり出張先で女性に惚れられる場合も多い。また窓辺が毎回心に染みるような名言を残すのも魅力です。
● 魅力2 美しい景色や名物
Kobe Port Tower / elminium
ストーリーに大きく関わらないが、地方の名所がさりげなく登場する。主人公が宿泊するホテルや旅館も綺麗です。グルメもさりげなく登場。例えば広島に出張したらパートナーの実家がお好み焼き屋だった、窓辺が誰かを励ますために名物料理の食事を誘うなど。
● 魅力3 映像とストーリー
話のレベルは高い。 一回目からキャラや展開の完成度が高いため長年続けているとマンネリになりそうですが、同じパターンは少な目。窓辺が地方へ出張でなくて旅行で訪れる場合もあるし、また窓辺の過去に関わる人物が居たり、相棒の抱える悩みが異なったりと変化がある。
■ キャラ紹介
作品を楽しめるようにキャラの特徴や立場を紹介。
■ レギュラー陣
Central Gov't Bldg. No.4 / Dick Thomas Johnson
正義側。税や不正の調査側。
・世田谷南税務署 窓辺太郎(まどべ たろう) - 小林稔侍
元国税局査察部の課長で凄腕だった。たが政治家との戦いで部下を殺された責任を感じて、税務署に移動した。
査察部で仕事一筋だったため現在も独身。 仕事ではかって「税金はとるもの」という信念だったが、先輩の「税金ははらっていただくもの」の言葉に感銘を受けて、今は庶民の相談にも親身に乗っている。 頑固なところがあり曲がったことが嫌いで、税や人生相談中に相手が間違っていると感じたら、激高して叱ることも有る。
先端技術に疎くて携帯電話も持たない。ダンスが得意で、ゲストの悩み解決や推理の際には良く踊る。またコスプレしての潜入捜査や憂さ晴らしに酒を飲むなど面白い行動も多い。
普段はくたびれたスーツだが、令状を持って強制捜査に行く場合は、殺し屋のような黒い帽子とスーツ姿になる。査察部時代の上等なスーツを使う。なお出張時は貸衣装を使用する場合も有る。 証拠がない場合は悪党に暴力を振るわれることも有るが、令状を持った捜査の場合は妨害するボディカード等を叩きのめす。
基本は丁寧なしゃべり方だが、主犯格を追い詰める時は江戸言葉のべらんめぇ調になる。 決め台詞は「手前に政治を語る資格は無ぇ。キッチリと落とし前付けてもらうぜ」
・ 財務省(国税局) 森村信一郎 - 北村総一郎
財務省 財務省 主税局特別調査室 参与(28作目まで国税局査察部長)。政治家や地方の不審な事件を察知して、秘密裏に窓辺を送り込む。
窓辺が国税局時代に元上司だった。国税局が政治家の圧力に屈して窓辺が左遷させられる際に森村も辞職しようとしたが、窓辺に引き止められて「巨悪と戦うために」国税局に残った。
のんびりしたおやじに見えるが不正や巨悪に対しては厳しい。3話では宿敵である政治家の小山田に強制捜査を行うため、自ら辞表を準備して令状を取った。また20話では大物議員が不正を隠ぺいするため森村が暴行を受けて入院するが、復帰して黒幕の議員と与党を追及した。
・ 相棒 椿薫(つばき かおる) - 麻生祐未
窓辺の秘書を務める。 普段は国税局に勤めており、税務署や事件で地方にいる窓辺に変わり情報を調査して提供する。
膨大なデータの処理や不穏な要素の抽出,電子機器の扱いを得意としており、窓辺の苦手な部分を保管する。 森村の姪っ子で可愛がられている。 薫は窓辺に恋心を抱いており度々アプローチするが鈍感な窓辺はつれない。窓辺の宿泊先に各回のマドンナが訪れている時に、鉢合わせして嫉妬するのがお約束。
資格を取るのが趣味で、普段は資格や趣味の勉強や練習をしている。基本は窓辺に関連しており、例えば足つぼマッサージ、タロット占い、テディベア自作など多彩な挑戦をする。 時に窓辺が捜査で行き詰ったときに特殊技能を発揮することも有る。不正を行う人物の盗聴録音や物件へ潜入での鍵開け(18話)などで証拠を掴んだ。
■ 悪側
National Diet Building / Dick Thomas Johnson
政治家や県議員、地方の公共事業に関わる大手建築企業や団体が多い。
・ 衆議院議員 小山田高明 - 高田純次
序盤で窓辺の宿敵。与党議員で臨海開発公団を使って不正を行う。かって自分の資産を食いつぶして政治に関わるうちに、手段と目的が錯綜して「カネ」を追い求めるようになった。自身の捜査から守るために、国税局に対する殺人や圧力で窓辺を国税局から追放した。
執拗に追ってくる窓辺を軽くあしらっていたが、3作目で窓辺に強制捜査まで追い詰められて対決する。 20回スペシャルで再登場。政治家として自分のみそぎをすませる為に、腐敗した与党政権を揺るがすほどの切り札を窓辺に渡す。
・ 元首相、民自党 山川清之介。
12~13作の黒幕。 自分の不正を隠すために巨大企業の会長や社長、大阪府議員を手下に命令して殺害した。また森村も脅迫している。なお12作目から倉成柊一郎氏が脚本を担当しており、1~3作目の小山田側を彷彿させる巨悪と窓辺たちの対決となっている。
・ 元官房長官、山川派幹部 鳥越啓介 - 寺田農
12~13話の黒幕側の中ボス。収賄や政治資金法違反を行っている。終盤に窓辺や元秘書の説得、そして孫の存在を知り心変わりする。
■ Tips
事件部分はけっこう犯罪のスケールが大きい。また関わる組織が多い上に人間関係が複雑です。 ストーリーを楽しむには、序盤に窓辺が森村に指令を受ける所で、事件と人間関係の概要を説明するのでしっかり聴いておくのがコツ。
作品自体はアダルトや陰惨なシーンはほぼ無いので子供でも楽しめるでしょう。
■ 全体の感想
脚本は土屋斗紀雄さんが1話から多く関わる。アニメ作品も多く手掛けた方で『窓際太郎の事件簿』の展開も親しみやすく感じた。
『窓際太郎の事件簿』は歴史の長い作品であり、バブル崩壊後で景気が低迷した時代からスタートしている。ファッションや事件の内容も時代の流れを反映しており、放送当時の雰囲気を楽しめます。
レギュラーメンバーが年齢を重ねても面白いし、これからも期待しています。
■ 配信情報
いくつかのサイトで配信されている。
● 配信について:初期は画面比率が3:2サイズ。10作目から比率が16:9になる。ただし初期から画質は良いのであまり気にならない。
■ U-NEXT
1~29作まで公開中。
■ TSUTAYA DISCAS
1~29作まで公開中。HD画質。10話パックもあり。
•TSUTAYA TV
■ amazonプライムビデオ - amazon
amazonの動画見放題サービス。有用会員サービス”プライム”の特典に含まれます。 現在『窓際太郎の事件簿』が無料対象で1~29作まで公開中。
•Amazonプライム
■ Gyao
期間限定で無料配信開始。週単位で追加されている。
・Gyao 税務調査官 窓際太郎の事件簿
■ 更新情報
2019年11月28日 Gyaoへのリンクを追加、IGSの画像を追加
2019年10月11日 作成
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