
今回はバンド・エイドの経歴と作品情報。
作品の時代背景や解説。感想を紹介する。
■ バンド・エイドと「Do They Know It’s Christmas?」とは

Despotic world leaders: Bono, Blair, Putin and Geldof 🇮🇪 🇬🇧 🇷🇺 / dullhunk
「バンド・エイド」は、1984年のチャリティープロジェクト。イギリスとアイルランドのポップ&ロックスターが集結した。アフリカの飢餓救済募金を集めるために作られた。
参加者は当時のロックスターと有名プロデューサーが集結。そして作られた曲「Do They Know It’s Christmas?」は、全世界で大ヒットとなる。
■ その後の活動や展開

各年度版にも大まかな部分は引き継がれるが、作品毎にアレンジされる。
リメイク版もすべてイギリスで一位を獲得した。「Do They Know It’s Christmas?」は、今でもクリスマス時期になると流れる曲となっている。
1985年 ライブエイドが開催。
1989年 バンド・エイドⅡ
2004年 バンド・エイド20が結成。
2014年 バンド・エイド30、エボラ出血熱の救済金を募りました。
■ 特長とネット通販各社 購入用リンク

作品を発売順に紹介する。
各年度版ごとに制作や時代背景、売れ行きなどを解説する。
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■ オリジナル・アルバムCD、レコード
アルバムCDやレコード。発売順に並べた。
時代背景や曲内容、アーティスト。評価等を紹介する。

Record Player / Erwin Bernal
■ バンド・エイド 1984年

1984年12月3日に発売。1984年にエチオピアで起こった飢餓の救済をする為に、イギリスやアイルランドの有名スターが集まった。
きっかけは、BBCニュースがエチオピア飢饉を「地球上で地獄に最も近いもの」と報告していたことから。 テレビ局の女性スタッフと、夫の歌手が援助の方法を模索して、チャリティーレコードを制作するのがベストだと判断する。

Ethiopia / neiljs
そして、歌手ボブ・ゲルドフと「Ultravox」のミッジ・ユーロにより「Do The Know It's Christmas?」が書かれた。参加者はトレヴァー・ホーンも協力して集められる。歌手も凄い顔ぶれで、フィルコリンズやスティング、ジョージマイケル、デュランデュラン他が参加している。曲の録音に合わなかったメンバーは、B面のコメントに参加した。

Midge Ure / Andrew_D_Hurley
曲の感想だが、美しい旋律で今聴いても良いですね。歌詞はストレートな表現や宗教感が強いがインパクトが有った。当時はヨーロッパやキリスト教側からみた視点だった。
「Do The Know It's Christmas?」は英国や世界13か国で一位を獲得。後に続くチャリティーソングや救済イベントの先駆となる。
● 販売について
アナログ時代でありレコードで発売された。
7、12インチシングルが流通。日本では「Band Aid Special」というアルバムも発売された。
現在だと、レコードかMP3で入手するのが容易。CDも存在するようだが、正規では無いので怪しい。
・ アナログシングル、12インチ盤
B面にはコメントを収録した「フィード・ザ・ワールド」が収録。
・ Band Aid Special
1985年
日本のみの発売。レーベルはMercuryで、アナログレコードとCDも発売。
特別コンピレーションアルバムであり「Do They Know It's Christmas?」のシングルとロングバージョン収録。12インチMIXのロングバージョンは参加アーティストのコメントが入っている。そしてBand Aidプロジェクトに参加したThe Boomtown Rats、Big Country、Genesis、Status Quo、Marilynの曲が含まれる。
よく売れたアルバムのようで、今でも中古レコード屋で見かける。
■ バンド・エイドⅡ 1989年

1989年12月11日にリリース。 日本でも翌年1月25日に発売。
ボブ・ゲルドフがピート・ウォーターマンに電話をかけて、エチオピアを継続して救済するために新バージョンが作られた。
イギリスの音楽プロデューサーチームであるSAW=ストック・エイトキン・ウォーターマン(Stock Aitken Waterman)が監督。SAWが制作していたアーティストや80年代のヒットアーティストが参加した。
曲の内容だが「Do They Know It's Christmas? 」の曲調はアレンジされて綺麗なサウンドになった。 私は好みのバージョンで、今でもクリスマス時期になるとよく聞いている。
CDは「Do They Know It's Christmas? 」とインスト版の全2曲。
■ バンド・エイド20 2004年

2004年11月29日発売。CDとデジタルダウンロードでリリース。
オリジナルから20周年の記念として結成。アイデアはColdplayのChris Martinによって促されたが、ゲルドフとウレの両方がすぐに関与した。
曲調は随分と変化した。スピードが上がり、そして音が派手になってユーロビート調となる。後半はファンクっぽい部分もある。
今回も話題となり、EU圏やカナダなど多くの国でチャート一位を獲得した。
> MP3
■ バンド・エイド30 2014年
2014年版のバンド・エイド。10年ぶりの結成となる。2014年アフリカで拡大するエボラ出血熱への募金を集めるために結成。
アーティストは、U2のボノが今回も参加。クィーンのロジャーティラーも出ている。
今作の曲内容だが、全体のアレンジは落ち着いた。
出だしは、PVと同じく呼吸器の音から入るインパクトの強いものだ。 歌詞は変化した。例えば1984年版の”Feed the world(世界の人々に食料を届けよう)”と連呼する部分。直球な呼びかけだったが、新曲では”Feel The world(世界を感じよう)やHeal the world(世界を癒そう)”と穏やかに変更。
そして有名な歌唱パートが変更された。”1984年版で議論を巻き起こした”彼らの苦しみがあなたでなかったことを神に感謝しよう”という部分が、”今夜あなたに触れよう”と穏便になった。(Well tonight thanks God it's them instead of you”が”Well tonight we're reaching out and touching you”となった)
販売では、今回の募金に対してイギリスは非課税対象となり、iTunesも手数料を取らない対応がされた。ただU2のボノは、曲の販売価格が10年前にくらべ3分の1になっているので売り上げが落ちることを危惧している。
新曲はイギリスのヒットチャートで一位を獲得。日本ではアルバムが12月8日に発売。日本で発売されるCD版のアルバムは、なんと歴代のバンド・エイド曲もセット。 初めて買う人でも歴代の曲を聴ける、嬉しいバージョンとなった。
> MP3
デジタル版は、11月17日から日本でも発売中
■ ライブ

バンド・エイドの活動からは、派生してライブも生まれた。
・ ライヴ・エイド
バンド・エイド提唱者のボブ・ゲルドフが提案。1985 年7月13日に世界を繋いでのライブが行われた。
2004年にDVDが発売されました。本作の収益金はバンド・エイド・トラストに寄付される。4枚組とハイライトを集めた1枚版がある。
・LIVE 8
2005年夏に活動家のボブ・ゲルドフが企画したコンサート。
■ 音楽販売、配信サイト
バンド・エイドを取り扱うサイト。
・レコチョク →
・Amazon バンド・エイド ストア
■ その他 収録に使われたヘッドフォンについて
改めて「Do They Know It’s Christmas?」のMVを見直してみた。
スタジオでの収録風景が映る構成だが、アーティストの使うヘッドフォンが気になったので調べた。
同じチャリティー企画であるアメリカの「WE ARE THE WORLD」では、録音に使われたヘッドフォンを調べているサイトを見かける。だがBAND AIDについては不思議と解説しているサイトが無いのだ。
おそらく収録に使われたモニターは、BeyerDynamic DT-220。当時19800円のヘッドフォンだ。現在では廃盤。
だがいまでもベイヤーダイナミックからは、デザインがほぼ同じモデルが幾つか発売されている。例えばDT 770等はほぼ同じデザインだ。私も機会があれば購入したい。
■ その他 「Do They Know It's Hallowe'en?」
ちょっと視点が違うものを紹介しよう。 『Do They Know It's Christmas?』に反発して作られた曲だ。
「Do They Know It's Hallowe'en?」は、2005年10月11日に発売。カナダのヴァイス レコードからロック アーティストらによって制作。「北米のハロウィーン予防」が目的。チャリティ ソングであり、収益はすべて ユニセフに寄付された。
『Do They Know It's Christmas?』と異なる視点の曲だ。風刺として作られている。 ”ハロウィーンで苦しんでいる、他の人たちはハロウィーンを知っていますか?”と尋ねる自虐ソングだ。 曲調は『Do They Know It's Christmas?』とは異なる。曲中にセリフが入る構成やコーラスで歌う部分が似ている程度だ。
■ 『Do They Know It's Christmas?』の歌詞と活動について

Merry Christmas ... dedicated to those we love , who are far away this Christmas / Nick Kenrick . thanks 40 mill views
バンド・エイドで気になるのは歌詞ですね。
実は『Do They Know It's Christmas?』は、楽しいクリスマスソングでは無い。
一見楽しいリズムだが、歌詞では極端な思想を描いた。
例えば、「自分たちが(飢餓の犠牲者でなく)大丈夫なことを神に感謝しよう」とか。 私は初めて聴いた時は、ものすごい傲慢な歌詞だなだと感じた。 反語とも言われているが、それならもっと激しいメロディーや歌詞にすればいいし、主張が中途半端に感じる。
また”自分たちはクリスマスを祝おう。別の世界には食料を届けよう、クリスマスと知らせよう”と叫ぶ。~今でいう”上から目線”の内容にはかなり疑問を感じた。 ~そして毎年、歌詞の意味を考えこんでいた。
■ バンドの影響

Ethiopia Landscape / eekim
『Do They Know It's Christmas?』が登場した後。アフリカにとって良くない影響が有りました。多くの人々やアフリカの人達が1984年版『Do They Know It's Christmas?』の歌詞について憤った。結果、後のバージョンで歌詞は改定。それでも批判は続き、改定は繰り返された。
冷静に考えれば、1984年に制作側は優しい歌詞や批判を避けられる歌詞にできたはず。だがでエチオピアの深刻な問題をぼやかして、甘い歌詞に書いたとしてもやはり激しい批判が巻き起こったはず。やはり歌詞制作はかなり難しい部分でした。
■ バンドエイドの評価
ウーレ自体は、後のインタビューや自伝で『Do They Know It's Christmas?』に低評価や自虐的なコメントをしている。要約すると「曲は2次的なもので、金を生み出すのが目的。チャリティーが優先だった」と。
バンド・エイドのプロジェクト自体が、お金を集める事から逆算し作られている。そこで『Do They Know It's Christmas?』は宗教観やお金など批判の対象になりやすい部分にあえて踏み込んだ。結局言いたいことは、最後の”食料を届けよう”に掛かってるのだ。
バンド・エイドや『Do They Know It's Christmas?』が評価されるのは、批判されても行動した、後の活動も続けたからでしょう。バンド・エイドが投じた石からおこった波紋は、やがて巨大イベントのライブエイドへ続く。そしてUSAフォー・アフリカなど大きなうねりとなり後の救済活動へと繋がっていく。
批判して、思考停止に陥り何もしないのは容易い。 けれど、批判されても誰かを救おうと道を切り開いたのは素晴らしい。
だがやがて賛美より批判が上回り、2014年を最後にバンドエイド・プロジェクトの後続は途絶えた。
■ 現在。そしてこれから
現在は、中国やインド等の英語やキリスト教圏以外がパワーを増した。また欧米の影響が衰えたのも重なる。 多様性が求められる時代だ。80年代を熱狂させた『Do They Know It's Christmas?』のスタイルはもう通用しないのだ。
だが世界は変わる。現在は厳しい評価がつけられる『Do They Know It's Christmas』だが良い面もある。いまだに『Do They Know It's Christmas?』は消えてない曲だ。評価にはまだ時間が掛かるのかもしれない。
私はクリスマスが近づく度に、この曲『Do They Know It's Christmas?』を聴いて考えこんでいる。
子どもの頃は歌詞を理解できなかったが、今は作ったものたちの意図を少し理解できるようになった。
2020年には、世界がウィルスに襲われて多くの人たちが戦っている。
今こそ、バンド・エイドと「Do They Know It’s Christmas?」のような時代を動かすパワフルな曲が生まれることを願う。

Day 222: My Wings / ♥KatB Photography♥
■ 更新情報
2023年12月19日 歌詞について追記。「Do They Know It's Hallowe'en?」 追加。エチオピアや参加メンバー画像を追加
2020年12月30日 現況について記載。
2019年12月12日 文章調整、丁寧語をやや直した。
2018年9月16日 作成
■ 関連、参考サイト
・ Wiki (日本、英語)
>https://ja.wikipedia.org/wiki/バンド・エイド#バンド・エイド_30(2014年版)
>https://en.wikipedia.org/wiki/Do_They_Know_It's_Christmas?
曲解説の一部を参考にさせて頂きました。
・Discog バンド・エイド・スペシャル
https://www.discogs.com/ja/Band-Aid-Band-Aid-Special/release/1578394
https://www.discogs.com/ja/Band-Aid-Band-Aid-Special
・Do The Know It's Christmas?新旧比較《歌詞 和訳》
https://ameblo.jp/kumiam93829/entry-11953091794.html
2023年、本記事で歌詞内容の考察時に参考にさせていただきました。









