今回は音楽プレイヤー「HQPlayer」の解説。
ハイレゾ再生に対応してアプコンも搭載する、高音質で評価が高い音楽再生ソフトです。特長や使用感想を紹介する。

■ 「HQPlayer 」とSignalyst社とは
「HQPlayer 」はパソコン対応の高品質オーディオプレーヤー。
Windows,LinuxおよびMacOS用の販売ソフトで、2010年頃から発売され歴史があるソフト。オーディオメーカーのDACやネットプレイヤーに付属する場合もある。日本版が2013年末ごろに登場していたが、今年3月に終了。
現在の家庭用最新バージョンが「HQ Player3」。オーディオファンに人気と評価が高いソフトで高音質再生に特化されており、リアルタイムでアップサンプリング再生が可能。
・ Signalyst社について。
Signalystはフィンランドの会社。消費者向けの高品質なオーディオ再生、プロフェッショナルな低周波信号(主にオーディオ)測定、録音および再生システム用のソフトウェアおよびハードウェアシステムに特化したソリューションベンダー。
■ 使用 音質や操作感
「HQ Player3 Desktop」のWindows用体験版を使用した。
● インストールと使用。
インストール中に32,64bitの選択が可能。今回は64bit版を使用。
■ 特長
歴史のあるソフトで、外観やGUIはほぼ完成している。
私が感じる特長を3つ紹介。
1. シンプルな外観と操作
プロ用の雰囲気を持つ。外観は再生機能に絞り込まれ飾らない、上段にプレイヤー操作と下段にリストが並ぶだけの画面。愛想のないデザインでWin98~2000頃のソフトを彷彿させる。
音楽を聴くには、プレイリスト再生が基本で複雑なことはできない。迷うような部分は無し。
操作感は重くもなく普通。癖があるのはWindows用ソフトでもシングルクリック操作が基本。他OSとの互換性のためでしょう。例えば曲名を選択のためにクリックすると、いきなり曲が切り替わり再生される。
<対応フォーマット>
サポートされているソース形式:CDDA(オーディオCD)、FLAC、DSDIFF(DFF、非圧縮)、DSF、RIFF(WAV、DXD / RF64を含む)、AIFF RAWストリーム
サポートされているプレイリスト形式:M3U / M3U8、PLS
2. アップサンプリング
CD音質のFlacやWAV,ハイレゾ音源でもさらにアップコンバート可能。既定ではDACの上限まで、ソフト側で周波数をアップコンバートする。
3. 特殊機能
やや上級やプロ向けの部類。再生設定,フィルターや変換方式,サンプリング等が細かく調整できる。設定は既定でも充分な音質でトラブルも無し。
■ 音質

音質は良い。歴史があるソフトだが現在でも高音質。今まで聞いたWin用音楽プレイヤーで一番の音質と正確さ・解像度だと感じた。
とにかく正確に再生しようとするプレイヤー。~ 音は飾り気がない「モニター系で全部出すタイプの音質」で好き嫌いが分かれそう。気持ち良い音・味付けされた音色を好む人には不向き。
音は細かくてモニターや機器確認用に良い。音質は高域が補完され硬めで、かつノイズに聞こえるような微小な音も再現する。分解能が高く多数の楽器が重なる時などで音が崩れにくい・混ざりにくい。 そして再生の安定度も高くて音のブレや歪が無い。 音場全体はDSPの効果か広い。 弱点は雑音もごまかさずに出すため、慣れるまでは聴き疲れする。
● リアルタイム・ハイレゾ化や音楽ファイル再生について

• ハイレゾ化とCPUパワー
基本は音源をハイレゾへ高解像度化しながら再生する。アプコンはCPUパワーを消費する場合が多いが、HQplayerでは音の遅延等は無く、正確に再生する。 CPU要求スペックもさほど必要ないようで、多数のアプリを使いながらでもCPUリソースは数パーセントしか使ってない。
• 音質
FLAC,ハイレゾ、WAV主流形式を再生してみたがトラブルもなくあっさり再生する。なお各音源を比べるとWAV形式の音質が良かった。
■ 基本操作から特殊な操作方法 ~使い方のコツ
基本操作や特殊な部分の対処方法を紹介。
■ 基本操作
• 音楽ファイル再生方法
基本は単一リストで再生する。追加はドラッグ&ドロップ対応。
■ 高音質化、おすすめ設定
File > Settings > Multicore DSP → ONにする
■ 気になる所、注意点
• 日本版の販売が終了した。
• 再生や曲管理機能は少ない。
• MP3やAAC等の圧縮音源には非対応。
• 難易度は高い。調整機能が多くて細かい。
• ダークモードに一部メニューが未対応。
• 体験版は30日間使用可能だが、30分でアプリがシャットダウンする。
■ ダウンロードとソフトの種類
ダウンロードは公式から可能。
• 公式 https://www.signalyst.com/consumer.html
● ライセンス方式で使用する。Amazonなどで発売中。
• Amazon ライセンス販売 - Windows,Linux Ubuntu,mac版
• ネット通販各社用の検索リンク
■ 総評
音質: 92点
総合面:45点
お勧め点: 音が正確で解像度が高い。モニターや音源・機器チェック向き。
■ 感想

![[atod][fostex_t20rpmk2n]DSC_0995.tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bfostex_t20rpmk2n5DDSC_0995.tibi-thumbnail2.jpg)
プロやDTM向きと思われる。正確で高解像度のプレイヤーを求めてる方におすすめで、音源や機器確認用に活躍するでしょう。
用途は、便利さは犠牲にして音質を追及する場合に向く。現在はiTunesなど統合型が主流で高音質特化されたプレイヤーが少ない。そしてアプコン搭載も多いが色付けされる場合が多いので、HQPlayerのような精度重視の音は珍しい。
最初はHQPlayerで音楽を聴くと色気の無い音質に感じるが、実は正確で情報量が多い。~ やがて他プレイヤーの音が物足りなく感じだす。
「HQPlayer」は高音質再生に特化された貴重な存在。
30日の体験版が有るので、興味があれば体験するのも良いですね。
・ 試聴について : 私の環境下での感想です。今回は複数PCでのテストは無し。
・ 記載について : 一部にリンク先データを参考もしくは引用しています。なお引用先の誤記の場合でもそのまま転載し、記事中で修正されない場合が有ります。また仕様変更や取り扱い店で本体や付属品が変更される場合が有ります。 リンク先記載や購入時の疑問や不明点は、リンク先や購入会社窓口にお問い合わせ下さい。
■ 試聴機器、テスト用アルバム
使用バージョン : HQPlayer 3.22.1 64bit
• Core i7搭載機、Win10 1803: SSD化し、メモリーは16GB、HDD増設。電源を強化。
• FOSTEX ヘッドホン T20RPmk2n
• YAMAHA NS-10M PRO, Pioneer SP-A4
■ 試聴アルバム
• マイケルジャクソン BAD,DANGEROUS / CDと配信ハイレゾ版
• カルミナ・ブラーナ / CDと配信ハイレゾ版
• 欅坂46 真っ白なものは汚したくなる / CDと配信ハイレゾ版
• SKE48 この日のチャイムを忘れない / CDと配信ハイレゾ版
■ 更新情報
2017年06月17日 作成
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・[2017年2月更新☆] Windows用の音楽再生ソフト対決。使いやすくて高音質なソフトは? [有名、マイナーソフト対決]
■ 参考、関連リンク
・公式 signalyst