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映画「遊星からの物体X ファーストコンタクト」のネタバレ・謎やオチ解説。視聴感想。

 

 今回紹介するのは、映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』

人気作の前日譚で、衛星でも良く放送されている作品。

今回は『遊星からの物体X ファーストコンタクト』の、不可解な部分やオチの解説。 一度見て分からない方向け。ネタバレ・謎やオチ解説ですので、知りたくない方は見ちゃダメです。


■ はじめに ~ 遊星からの物体X(2011)とは 


 

 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』は2011年の映画。
アメリカでの原題は「 The Thing」で、1982年の映画『遊星からの物体X』と同じ。原作はジョン・W・キャンベル 『影が行く』。

1982年版の前日譚となる。
今回の内容だが、1951年の『遊星よりの物体X』と1982年版『遊星からの物体X』を組み合わせた雰囲気だ。UFO発掘は1951年版 ~ 基地内で怪物探しの戦いや検査は、1982年版を彷彿させる。そして今作も状況説明の少なさや疑問を持たせるシーンが、想像の余地を生んでいる。

● 関連作品

1951年 『遊星よりの物体X 原題:The Thing from Another World 』公開。
1982年 『遊星からの物体X』公開。カーペンター監督。
2003年 ゲーム『遊星からの物体X episodeII』。1983年版の3ヶ月後の話。



■ 映画のあらすじ




 映画のジャンルは、SFホラー+アクション。


1982年、舞台は南極。観測隊が巨大宇宙船を発見する。
主人公は古生物学者のケイト・ロイドで、メアリー・エリザベス・ウィンステッドが演じる。

宇宙船の探査に、アメリカからサンダー博士と助手のアダム、そして主人公ケイトが参加。 調査隊は南極ノルウェー基地に派遣される。 現地では、UFOを探索中に氷中のエイリアンが発見されていた。ケイト達は、異星人を氷ごと切り出して基地に持ち帰る。しかしサンダー博士は安全確認の手順を怠り、ケイトの制止も聞かずエイリアンの調査を開始する。

その後、エイリアンが蘇生して人間や犬を襲撃し惨殺していく。 ケイトは怪物”The Thing(それ)”を調べる内に、他生物を複製して増殖する生命体だと気づく。

基地には吹雪が近づく。 誰が”X”か分からない状況で、人類と”X”の闘いが始まる。



■ 謎解きと解説


 

 設定やわかりにくい部分を解説。時間順に紹介する。
無茶な推測やこじつけなどは避けてます。



● 人名、キャラ,用語解説

X = The Thing(それ)、未知の生命体


 
ケイト・ロイド= 作品の中心人物で生物学者。古代脊椎動物の専門家。

アダム= サンダー博士の助手。ケイトと知人らしい。

サンダー・ハルヴァーソン博士= SF映画で定番の倫理観が無い博士。ラスボスとなる。

ラース、ラーシュ = 犬好きのごついおじさん。中盤ケイトと行動する。英語が喋れないことが不幸を招く。

カーター= ヘリ操縦士で耳にピアスしてる男。ケイトに好意がある。終盤ケイトと行動する。





■ Xの正体は?

 Antarctic Peninsula
Antarctic Peninsula / NASA Goddard Photo and Video


 作品を楽しむために、Xの正体と属性を解説。

今回の”物体X”は、1982年版と比べて新しい設定が幾つか追加された。

"X"は10万年前の氷原で発見された墜落したUFOから、脱出して氷漬けになっていたエイリアンから出現。

Xは他生物に同化してコピーし、本体を破壊する。作中での解説は、ケイトの研究シーンにある。『Xは細胞単位で他生物と同化して、複製する』

● Xの特長と属性

 [2011年版で追加された設定]

✔ 無機物と同化できない。金属製の歯詰め物、骨のプレートなど。
✔ 暗中でなくても同化できる、かつ速度が早い。同化中に服を破かない。


 [1982年版と同じ設定]

✔ 火に弱い。
✔ 血液単位でも生存可能。
✔ 低温になると冬眠可能。

● Xの見分け方は?

✔  血液鑑定。被験者から血液を採取しXの血液を混ぜ反応を見る。
✔  歯に銀の詰め物等がある場合は人間。ただし治療歴が無い人やセラミックだと見抜けない。





■ 舞台での疑問。 

 Moon over Antarctic
Moon over Antarctic / NASA Goddard Photo and Video


 研究隊は、なぜアメリカ側から派遣されたのか。

 = ノルウェー観測基地にいる人と、アメリカのサンダー博士が知人だった。

● 舞台となる基地の場所はどこか?

架空の基地。作中では、看板に”Thure基地”と記載されている。



■ 登場キャラクターに関する謎。


 各キャラクターの不可解な行動や最期について解説


● 消えたキャラ コリン

途中でいつの間にか退場するのが、コリンだ。
終盤に基地内で、人類とXとの戦いが激しくなる。その際にコリンは怯えて隠れる。この後は出てこない。

どうなったかは、エンディングで救援隊が来た際に判明する。無線室で、コリンが椅子に座り自殺してる。 ~ 1982年版のノルウェー基地探索シーンに重なる展開だ。




● ラースはどうなった。

 Siberian husky
Siberian husky / Valerio Avvisati


犬好きのおじさん。中盤でケイトを補佐して頼もしい存在がラースだ。
だが途中で、一旦退場する。

退場の経緯だが、作品の1時間6分あたり。米兵の監禁場所付近の探索中に、ラースはいきなり小屋に引きずり込まれて失踪する。 

何が有ったか、考察する。監禁場所からの逃走後に再登場したカーター達が、ラースの持ち物と思われる火炎放射器を所持しているので、ラースと会っている。 さらに終盤の雪上車内では、カーターが「我々は(ラースを)殺してない」と語る。 推測すると、逃走中のカーターはラースと遭遇したが、ラースは米兵を殺害する決心が固い。説得が出来ないので、拘束もしくは監禁した。

ラースは、エンディングで再登場する。
ライフルを持ち、駆けつけたヘリから降りた知人を狙撃するなど、錯乱状態だ。そこへ基地からハスキー犬が飛び出し逃走する。犬好きのラースは犬が偽物と見抜いて、ノルウェー隊ヘリを使い犬の追跡を開始する。 これは1982年版『物体X』の冒頭に繋がる展開となる。


■ オチについて ~ またもや謎の残るラスト


 タイトルなし
タイトルなし / Marcin Wichary


 今作も、ラストが分かりにくい展開だ。
ケイトは、カーターが”X”と見抜き火炎放射器で焼き殺す。

曖昧にしたのは、1982年版のラストと同様に「誰がXなのか明快にしない、不気味な演出」をなぞっている。~ だが今作では、Xの証拠が乏しいため理解しにくい。


 ケイトがカーターをXと断定した流れと、不自然な点まとめ。

• ケイトは「カーターのピアスが無いことから、Xであると疑問を抱く。念のために質問したが、カーターは付けてた方向を間違えた」為に、Xと断定して殺害。

• 証拠とXである演出が弱い。そのため観客側からは「存在していたか分からない・もしくは落としたかもしれないピアス」のために、カーターが”X”と誤解されて、焼き殺されたように見える。


それぞれを、説明する。

1 ケイトが、カーターをXと見破ったセリフの流れ。理由

雪上車に乗り込もうとするケイト。なぜか運転席のカーターを観察する。~ ケイトは乗るのを止めて、車から火炎放射器を降ろし装着。ケイトのようすを見てカーターが戸惑う。

ケイト 「あなたが基地に戻った時に人間だと分かった理由が分かる?(左耳に)ピアスをしていた」 

カーター 右耳を触る。 

ケイト 「違う耳よ!」と怒った後に、火炎放射。

おそらく多くの観客が「はぁ?」と驚くシーンだ。 なぜなら作品の脚本や映像では、ケイトの意図が理解しづらい。

そしてピアスの確認方法も問題だ。ケイトは右側から話しかけている。そこでカーターが声の方向に合わせて右耳を触るのは、人間の反応として自然に見える。ケイトが誤解して殺した、もしくは錯乱してカーターを殺害したように見える。


2 耳のピアスが決め手!・・・だけど

 人間のカーターは、左耳にピアスをしていたのが証拠。
英語ではイヤリングと言うが、耳に穿孔しているので日本で言うピアスだ。

だが最初からカーターのピアス自体が存在が分かりにくい。カーターのピアスが見えるシーンは、基地内でXと闘う際や雪上車に乗り込む場面等。 一番はっきり映るのは作品の1時間20分辺り。雪上車で追跡中に、ケイトがカーターを凝視して両耳を確認している。 

作品全体では、ピアスの存在が分かりにくい。それは、カーターが着ている軍服に大きなファー(襟)が付いてるので耳が見えにくい。 そして耳が出ても、光の加減でピアスが無いように見えるシーンが有る。またピアスなら外れて落とす可能性が有るのも問題だろう


3 カーターは、本当に”X”だったのか?
 
 かなり大事な所だ。誤解で焼き殺されたらたまらない。 
だが明快な描写は無い。カーターが車内で燃える焼ける際に、途中でXに変化すればスッキリするが、なぜか変身しない。

私も見ていて「ええっ!人間だったの?」と焦った。ただし、燃えながら大きく"Xの叫び声"が入るので、Xだったという表現は入っている。

決めシーンにしては、スッキリしない作りだ。はっきりしないボケをかました奴を、火炎放射器で焼いてしまう。ものすごいボケ・ツッコミに見える。 もしくは、ケイトが錯乱してしまったとも受け取れる構成だ。


■ Xである証明が弱い理由

 上記以外にも、カーターがXである表現が薄い部分が多い。

 ● おかしい展開や設定の例

• 偽カーター : 1982年版と今作は、Xが同化する定義が変わって展開が理解しにくい。
例えば、終盤でUFO付近の戦い。カーターが単独行動する短い時間で、Xに同化されている。同化と複製速度が速すぎて、緊迫感が無い。 また、服装にほぼ変化が無いのも不自然だ。

• 記憶の錯誤 : Xの設定がおかしい。記憶がアンバランスであり、制作側のご都合主義に思える。
Xはカーターを複製し意識を乗っ取った。そして記憶ではロシア基地の位置やピアスという言葉が分かる。能力では車を操縦できる。 なのに、ピアスの位置だけを間違える。 



■ その後、ケイトはどうなった。

サンダーの乗ってた雪上車に乗り換えて、50㎞離れたロシア基地に行ったと思われる。

1982年版「物体X」にケイトの存在が無いので、整合するために退場した形となる。





■ オチについて 「女性はよく見ている」

 
Mary Elizabeth Winstead / Gage Skidmore


 ケイトは度々、他人を凝視するシーンが有る。
これは女性が良くする仕草。女の人は、男性をしっかり吟味してチェックする。

そしてピアスが無いだけで、即焼き殺すのですから女性はクールでタフです。


● ラストシーン全体について。

本来なら、悲哀のあるシーンになるはず。 
それは主人公が、恋人候補や地球を救った人間を敢えて殺さなけらばならない葛藤が描ける。

作中で、カーターは序盤からケイトに好感を持ってるようであり、終盤は助けた。しかし冷静なケイトは、自分と人類を守る為に彼を殺さねばならない。もう少し綺麗に説明したら、名シーンになった筈で惜しい。

良い部分は、物語の最後で新しい展開があった。1982年版の物体Xと同様に、今作でも2人が生存するが一歩踏み込んでいる。 片方が”X”と断定した展開を選んでいるのが面白い。



■ おまけ - 鑑賞法と映画の見どころ 


 
Iä! Iä! Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wait… what's the rest of it? / evil nickname


 2011年版「物体X」の楽しみ方。

良い部分は、有名なクトゥルフ神話の雰囲気がパワーアップしてる。
1982年版のメンバーは、最後まで根性があり一本筋。だが2011年版ではメンバーが未知の脅威におびえて、次第に狂気に蝕まれる。クトゥルフの要素が上手く取り入れられている。



 ■ 目立つ見どころ。

• 派手になったアクションシーン。

ケイトが主人公となり、後半はアクションが増えて宇宙船での激闘もある。映画『エイリアン』や『ターミネーター』のように派手になった。ケイトを演じるメアリー・エリザベス・ウィンステッドは、『ダイ・ハード4.0』でマクレーンの娘ルーシー役を演じただけあり、アクションが似合う。



 ■ 残念なところ

 作品の流れが悪い。特にケイトのパートナーが次々変わるのが、緊迫感が落ちる。
主要人物が決まらないので、ストーリーに集中しにくい作りだ。

例えば、最初の仕事仲間のアダム。優男で憎めない感じでケイトと恋仲になるかと思ったら、Xに頬ずりされてまさかの途中退場。中盤はタフなラースが助けるが突然失踪。さらに代役のカーターも、終盤で一旦行方不明になるなど。


• キャラの魅力が無いため緊迫感が減少。

出来の悪い災害映画やホラー映画のように、興味無い&知らない人が次々犠牲になる印象だ。
ストーリーや人物説明が雑であり、各キャラに感情移入する前にXとの戦闘へ突入していく。

キャラの設定も大雑把な部分が多い。例えば、残念なキャラ代表のサンダー。
ステレオタイプのいかれた科学者で「人命軽視、倫理観無し、成果重視」と、作品を退屈にしている。1951年版にも研究者はいたが、命を賭けてXと話し合おうとしており少し憎めないところもあった。そして、おかしい科学者キャラの最後は怪物に襲われ自滅が定番。しかしサンダーは散々まわりに迷惑掛けて、なんとラスボスになって最後までメンバーを苦しめる。 序盤から嫌な奴・怪しい人が、最後まで悪い奴という珍しいパターンだ。




■ 感想

Cthulhu Commission
Cthulhu Commission / SlyMcNasty


 私は、想像してたよりは面白かった。
映像も綺麗で、UFOの探査シーンも豪華。そしてXのアクションが、序盤から派手になったのも現代風だ。またクトゥルフ神話の要素が大きく入ったのが良い。クトゥルフのTRPGのように、話が進行するにつれてメンバーの正気度が下がっていく。

いくつか気になる部分は有るが、「X」の根本が守られている。 1982年版を研究して再現してるのと、ストーリーの整合性を重視している。それゆえ51年、82年版に対する敬意を感じる。例えば、1982年版の音楽が使われる、閉鎖空間での戦いやメンバーが疑心暗鬼になるなど。

今作のクォリティは高めで、82年版の後に相当する続編や外伝が作れそうに感じた。

 
 評価:68点。


■  関連商品 


遊星からの物体X [Blu-ray]

 『遊星からの物体X』シリーズが気になる方、「また観たい!」 あなたのために紹介。

■ 配信


・ プライムビデオ 吹き替え・字幕





■ 映画 - メディア版




・遊星からの物体X ファーストコンタクト Blu-ray

 今回紹介した作品。Blu-ray版も登場。。






● 関連作品

・遊星からの物体X [Blu-ray]

 1982年のカーペンター版。
展開では『ファーストコンタクト』の続きにあたる。






・ジョン・カーペンター DVDコレクターズBOX 2003
DVD 2003年発売

6枚組。収録作品は「遊星からの物体X」「ヴァンパイア:黒の十字架」「ゴースト・オブ・マーズ」「光る眼」「スターマン/愛・宇宙はるかに」「クリスティーン」







・ 遊星よりの物体X

1951年の米映画。カーペンター監督に大きな影響を与えた。

全体にお気楽なのは、アメリカ映画らしい。原作を素材にしたホラー&モンスター映画の雰囲気。 幾つか見どころは有って、冒頭のUFO捜索の緊迫感はみごと。あと科学者がかなりイカれてて実験シーンも怖い。







■ サントラ


 ファーストコンタクトのサントラは,国内で販売されてないようです。

『ファーストコンタクト』でも使われた、1982年版の音楽を紹介。

・The Thing: Original Motion Picture Soundtrack Soundtrack, Import
 エンニオ・モリコーネ 形式: CD

 公開当時のサントラと同構成。 エンニオ・モリコーネは映画音楽で有名で半世紀近く活躍しており、多くの映画や名作に関わっています。






・Ost: the Thing CD, Import
 Alan Howarth 形式: CD

 再録。16曲と量も多め。





■ 書籍



・影が行く―ホラーSF傑作選 (創元SF文庫) 文庫 – 2000/8
 フィリップ・K. ディック (著), ディーン・R. クーンツ (著), その他

 創元文庫が出したSF短編集。
映画『遊星からの物体X』の原作となった『影が行く』収録。

13作収録され、リチャード・マシスンの作品はトワイライトゾーンで映画化されています。アルフレッド・ベスター,フィリップ・K・ディックなどSF有名作家がいます。






・遊星からの物体X ファーストコンタクト (竹書房文庫)

 オチが映画版とまったく異なる。




 ● パンフレット

・映画パンフレット★『遊星からの物体X ファーストコンタクト』/メアリー・エリザベス・ウィンステッド
シネマインク




■ 視聴データ: DVD版、プライム 字幕,吹き替え版


■ 参考、関連サイト

■ 更新情報

2018年8月15日 プライムで再確認。文章調整、公開。
2018年6月5日 作成

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