映画「キャスト・アウェイ」の謎やオチ解説。感想。

 キャスト・アウェイ(吹替版)

 今回紹介するのは、映画『キャスト・アウェイ』

トム・ハンクス主演で、監督はロバート・ゼメキス。人気の組み合わせで見た人も多いと思います。 

今作は無人島で主人公のみの部分が占めており、映像だけで表現する部分が多い。~ 話やオチが分からない人も多いでしょう。 

今回は『キャスト・アウェイ』の不可解な部分とオチやラストシーンの解説。 一度見て分からない方向け。ネタバレと謎やオチ解説なので、知りたくない方は見ちゃダメ。


■ はじめに 『キャスト・アウェイ』(Cast Away)とは (2000)


 ポスタ- A4 パターンB キャスト・アウェイ 光沢プリント

 理解を深めるために 簡単に映画の概略を紹介。

タイトルは難破(漂流)や世間から捨てられた意味がある。 『バックトゥザフューチャー』で有名なゼメキス監督とトムハンクスが主演しており、1994年の『フォレスト・ガンプ/一期一会』以来の組み合わせ。

2000年制作の古い映画だが、時間短縮への確執は現在のAmazonなどのネット販売や輸送業でも見られるし、作品自体のテーマは色あせていません。


 ● 映画のあらすじ

 

 映画のジャンルは、漂流もの。

 主人公チャック・ノーランドは、アメリカの大手運送会社「フェデックス」の開発者。ストーリーは時間短縮に執念を燃やすチャックが、時間から切り離された無人島に行く皮肉な構成。

 チャックは輸送機に乗って世界を飛び回っており、事故で墜落して無人島にたどり着くのも自然な流れ。自信家で傲慢に見える主人公だが、配達人の子どもにご褒美のプレゼントをあげたり、友人の奥さんが深刻な病気なのを心配するなど。根は嫌な奴でもないので感情移入して観れる。 いかに孤独と戦い生き抜くかが見所。


■ 謎解きと解説


 ポスタ- A4 パターンA キャスト・アウェイ 光沢プリント

 わかりにくい部分を解説。
私も一回目ではオチの意味が完全には分からずに、消化不良感があった。何回か作品を見直して疑問点を解決してます😃

 なるだけ整合の取れる解釈をします。 ~推測部分は注釈を入れて解説。


● 人名について
  
• 主人公 = チャック・ノーランド (トム・ハンクス)
• 彼女(のちに別の男と再婚) = ケリー
• アーティストの女性     = ベティーナ



■ エピソードと解説 

 
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 エピソード毎に解説。 謎は時間順に紹介。



■ FedExとは

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 N740FD FedEx Express 1990 Airbus A300B4-622R (cn 559) "Gracie" / TDelCoro


 フェデックスは、世界最大手の総合航空貨物輸送会社。アメリカの会社で各種物流を扱う。輸送サービスを世界220以上の国と地域で提供している。



■ 女性ベティーナと作品の鍵となる「天使の羽マーク」

 
 FEDEX / TDelCoro


 冒頭。運送会社「FedEX」のトラックが十字路を通り、工房へ荷物を引き取りに来る。入り口看板には”ディックとベティーナ”と記載されている。 運転手が受け取り荷の箱を見て「今日の羽はピンクだ」と言うので、女性アーティストであるベティーナのマークです。羽は天使の羽で、3本のリングは天使の輪でしょう。


• 注意点: FedEX社のマークと天使マークは違う。

 作品の鍵となるのが天使のマーク。注意点はFedEX社のマークが、天使のマークに見えること。なぜならFedの青い部分が天使の羽にある青リングに、EXのマークは赤い羽に見えるようにおそらく似せている。 つまりFedEX社のマークとエディーナマークを勘違いしやすい。


 ● ベティーナのアトリエ。 ロケ場所「Arrington Ranch」

 


■ ベティーナの旦那 カウボーイ男

 羽マークがついた荷物はロシアのアパートに届く。配達人に「カウボーイ」と呼ばれる。男は「女房からだ」と言いながら横の女とキスする。男は荷主ベティーナの旦那ディックで浮気してる。 ~ これはオチにつながる。

 カウボーイと呼ばれ、カウボーイハットを被るのは、アメリカ出身だとの解説と思われる。(無いとディックがロシア出身で遠距離交際に見える)


■ 懐中時計 - ケリーが主人公に送ったプレゼント

 心理学かな?出所を忘れたが、時計のプレゼントは「一緒の時を過ごそう」という意味も有るが「相手の時間を支配する・束縛する」意味も持つ。 主人公は見事に恋人ケリーが贈った時計に支配されてしまう。 だが主人公がクリスマスに渡した・・おそらく指輪は、ケリーにスルーされている。女はタフだ。


■ 墜落原因と墜落場所は? 

 帰還後に、元彼女が解説してくれる。 墜落原因は謎。輸送機に引火性の荷物が有ったとも言われる。墜落場所は、輸送機墜落直前での位置は太平洋でありパイロットはタヒチ管制塔と通信している。


■ 無人島の場所はどこか? 

クック諸島の南方 600マイル(965Km)のあたりに、主人公の漂着した無人島がある。

 

 ● ロケ場所はどこ? : 撮影はフィジーにあるモヌリキ島。

 


■ 荷物の確認 ~全部役に立つ。

 キャストアウェイ ウィルソン バレーボール Wilson Cast Away Volleyball [並行輸入品]

 映画開始後一時間あたり。 主人公は無人島で打ち上げられた荷物を確認する。

書類で離婚同意書もあるが、冒頭のベティーナ夫婦とは関係無いようで、ジャカルタ住所で名前も違う。最後に[ベティーナの荷物]に手を出すが天使のマークに気付いて、開梱せずに脇へ置く。~ これは主人公の信仰心ゆえに、天使のマークには手を付けなかったのでしょう。

 面白いのが、どの荷物も全部が主人公の助けになる。 ~ ダンボールは敷物に。ビデオテープはロープ代わりに。そしてバレーボールは着火のアイデアを促し、大事な友達”ウィルソン”になる。 しかも後半は髪の毛まで着けてパワーアップする。

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● 天使マーク付き箱の中身はなにか?

 作品の鍵となるのが、未開梱の天使マーク入り荷物。 ちなみに、冒頭で登場する箱とは別物でリングの色が違う。(冒頭の箱は赤リング、遭難時の荷物は青リングになっている)

 箱の中身は謎だが、映画用語でいう”マクガフィン”であり中身はどうでもいいもの。つまり箱自体の存在が作品に関わる。 ~ 主人公がたったひとつでも『荷物に手を付けない』というプライドを守る。そして生きる原動力と『荷物を届ける』目的となり脱出へ導く希望になる。



■ 謎のポリ板 - 孤島脱出のカギとなる

 海辺に打ち上げられたポリ板を見つけて。チャックは「トライマート ベイカーズフィールド!」と叫ぶ。

トライマートはおそらく店名で意味が無いが、重要なのはベイカースフィールドで、アメリカは西海岸のカリフォルニア州にある土地。 今までどこで難破してるかも不明だったが、母国アメリカの漂流物を見てテンションが上がった。

 そして砂浜でチャックはポリ板を眺めるうちに、板が風にあおられ転倒する。 風に揺らぐウィルソンの髪を見てチャックはひらめく。 ポリ板は、4年間島の脱出を妨げてきた大波を突破する重要なアイテム”帆”となる。 チャックは自殺用に残していた切り札のロープを使い脱出を決意。いかだに帆を付けて天使のマークを書き込む。 孤島を脱出して、大波を突破した際に開く帆に大きな[天使のマーク]が見えます。



■ やせたチャック

 
N479FE FEDEX / eastleighbusman


 孤島でげっそりと痩せたトムハンクスは、CGではなく役作りで23キロ減量したそうです。すごい・・・


 ● 食事での皮肉。

 
寿司 Sushi / nekotank


 パーティで用意された豪華な食事。 中にはお寿司や大きなカニが用意されている。たくさん食べ残された料理を主人公が手に取り、静かにみつめる。そして残されたライター。

無人島では必死に集めていた海鮮類、そしてケガをするほど苦労した火おこし。チャックにとって貴重な品々を誰も大切に扱ってはいない。
 


■ 孤独と漂流 - 次のステージへ

 日常に帰ってきたと思ったチャックだったが、絶望が襲う。 周りに死んだと勘違いされて、葬式が行われ墓も作られた。大会社FedEXはチャックが居なくても何も変わらない。そして恋人は別の男性(主人公の担当歯科医)と結婚していた。

 電気もある、火もライターで簡単に着く。食べ物もある。しかしチャックは仕事や人間関係からも孤立した状況だ。せっかく無人島から帰ってきたのに、無人島と変わらない。 主人公はまたしても世界の中で漂流してしまう。 だが大きく異なるのは、無人島では希望だったケリーとの未来は消えてしまい、ただ生きることだけが目的となる。


■ ラスト 天使マーク由来の家へ来訪と十字路での出会い。


 ラスト。主人公の旅とやや分かりにくいオチを解説。

1. 最後の荷物。届け先は? 

 
 FedEx / adactio


 主人公は、トラックに乗って荷物を送り届ける旅に出る。 最後の来訪地は、序盤に登場するアーティスト・ベティーナの家。 工房にある入口看板の名前部分は片方が壊されており、視聴者にはベティーナが離婚したと分かる。

敷地内のあちこちに天使の羽のオブジェが有るので、確かに荷物の持ち主の家。 主人公は「荷物に救われた」と書置きして帰路につく。


2. 最後に会った女性は誰? 

 チャックは十字路に戻り立ち止まる。
どこに行くのか迷う主人公の前に、トラックが止まり運転席の女性が声を掛けてくれた。 主人公は未だ気づいてないが、運転手はベティーナ本人で道案内をしてくれる。

主人公は、去りゆくフォードのトラックの後部を注視する。そこにはなんと、4年間見続けた箱にあった”天使の羽のマーク”が書かれてる。道案内をしてくれた女性は、箱に天使のマークを描いた本人でした。 ~ ここでは女性が通りすがりの人に見えないように、天使のマークがキャラ解説と念押しを兼ねている。

彼女はまさしく天使のような存在。 無人島で主人公を救いだし、今度は人生で迷う主人公の前に現れた。チャックは無人島に行こうが道で迷おうが、いつも守ってくれてる存在と不思議な力に気付いて微笑む。


 ● 作品の最終シーン ~主人公チャックの行き先は?

 映画で、チャックは十字路の真ん中で思案した後に、最後は振り返って止まる。見守ってくれる存在を眺めている所で終わっています。

行先は自由。 チャックは荒野へ向かうことも出来る。そして直ぐにベティーナの家に行かずとも二人はまた出会うでしょう。 なぜなら主人公は結婚が叶わなかった。そしてベティーナも離婚しており互いに独り身。ベティーナと天使のマーク自体が二人を導いたのかもしれませんね。

ともかくベティーナが去った方向を見るので、感謝と新しい希望。そして恋の運命が始まる可能性を示唆してる😃✨


もし今作が彼女(ベティーナ)と会って終わると、単なる「ボーイミーツガール」のオチです。
だがこの映画は、明快に説明せずに終わっている。観客には想像の余地が生まれる為に不思議な余韻を生んでいます。


 ● ラストシーンの場所 - クロスロード

 テキサスのFM(市場への農場道)1268とFM 48の交差点です。

 



■ テーマとオチのまとめ

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 主人公の選択は描かれていない。しかし、もっと大切なことは、主人公が無人島で強靭になったこと。 
4年間友だったウィルソンを失い、無人島で生きる支えだった恋が破たんしても「息をして生き続ける。潮がなにか運んでくる」とタフに言いきる。

そして荷物を返す旅で、自分を助けてくれた荷物に感謝。そして無人島に行こうが、文明社会の中で人生や道に迷おうが”いつも見守ってくれる、自分を導く存在が有る”と気付く。アメリカ人の宗教観を補強して、再確認する映画になっている。


■ あとがき


 島へ漂流する展開は、映画やマンガで良くあるパターンです。
『キャスト・アウェイ』で凄いのが、主人公が孤島に流されて全く救いが無いところ。

有名な小説『15少年漂流記』や『ロビンソン・クルーソー』、最近の映画だと『猫侍 南の島に行く』『アルビン3』では少し希望が有るし他者と接触がある。 しかし今作の主人公チャックは孤独であり、冒険どころかひたすらサバイバルする。 支えは、一つの荷物を届けるという信念だけ。

 さすがゼメキス監督とトムハンクス。
娯楽性に加えテーマもきっちり描いており、後でじわりと幸せ感が訪れる映画です😃✨



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■ 映画









■ 配信

 • Amazonプライム
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 プライム会員は、キャストアウェイが無料対象の場合が有ります。
 *2018年12月時点では無料対象。

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■ 用品


 • ウィルソン

 海上で主人公が叫ぶ「ウィルソオオオン!」の名場面が心に滲みる😭  作品の重要アイテム。なんとウィルソン社から販売されている。





■ 音楽


 音楽はアラン・シルヴェストリ。有名な映画音楽家であり、ゼメキス監督作品も手掛け『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレストガンプ』の曲も担当している😃

 なお『キャスト・アウェイ』はエンドクレジットで音楽が使われた。

 ・ サントラ「キャスト・アウェイ」

 日本で「キャスト・アウェイ」として販売されているCD。実はアラン・シルヴェストリの作品集で有名作が揃う。そして『キャストアウェイ』用の音楽も収録されている。



・Alan Silvestri at Film Fest Gent

 こちらも作品集。キャスト・アウェイの曲を含む。




■ 公式動画




■ 参考

 ・Wiki アラン・シルヴェストリ


■ 更新情報

2022年4月18日 オチの解説を補強。ボーイミーツガールについて。
2019年8月23日 墜落と無人島位置。カウボーイハット、ベティーナの荷物で、冒頭の箱との差異を追記。ロケ場所、CD情報を追記。
2019年2月13日 帰還後の孤独について追記。
2017年8月23日 作成