■  氷室京介の作品集 - 歴代アルバムの解説。感想とおすすめ点

 MEMENT KYOSUKE HIMURO 1998-2015 TAKASHI HIRANO ([バラエティ])

 日本で、音楽界や世間に多くの影響を与えたバンドと言えばBOØWY。
そして元ボーカルで、ソロとなっても人気が高いのが氷室京介だ。

 私は長く氷室京介やBOØWYのファン。アルバムをほぼ全部とグッズもそれなりに持っている。しかし氷室京介は活動期間が長くて作品数が多いため、ベストや企画ものが把握しづらい。 ~そこで作品を聴くのに便利な作品リストを作ってカタログ化した。

 今回は氷室京介の経歴と作品についての情報。
アルバムの時代背景や解説。聴いた感想を紹介する。

 sound-64.png

■ 氷室京介の解説 


 MEMENT KYOSUKE HIMURO 1998-2015 TAKASHI HIRANO ([バラエティ])

 氷室の経歴や作品の時代背景をざっと紹介。

 日本は群馬出身。格好いい風貌で、黒髪を続けている。
バンド「BOØWY」のボーカルとして活躍する。黒づくめのファッションスタイルと逆立てて固めた髪型、新しいスタイルのロックサウンドはファンにも影響を与えた。バンドブームの火付け役となり、後追いするバンドが多数生まれる。

 BOØWYは88年に解散。同年に氷室がソロ活動開始。90年代半ばから活動拠点をアメリカに移し、現在は渡米している。

 




■ 引退と「LAST GIGS」について
 
 KYOSUKE HIMURO LAST GIGS<通常盤>(1BD) [Blu-ray]

 2014年ツアー中に「氷室京介」の卒業を発表。
理由は10年ほど前から耳に不調をきたし、近年ではベストなパフォーマンスが出来ないことから引退を決意した。ツアータイトルはBOØWY解散時と同じ『LAST GIGS』。

嬉しいことに、ラストツアーのMCで「ゆっくりアルバムを作っていく」と約束している。




 ● 音楽性について

 氷室京介 25th Anniversary BEST ALBUM GREATEST ANTHOLOGY(初回限定盤)
 
 ソロ活動開始の頃の曲は、まだBOØWYの昇華感も有るが、徐々に独自のスタイルを作り出していく。一部の曲でアメリカンロックの雰囲気が強くなり、骨太な音が増えた。

独自の音楽スタイルを持ち、時代にあまり左右されない。
参加アーティストのレベルが高いのもあるし、当時流行の音を安直に組み込んでないからでしょう。10年程前のアルバムを聞いてもカッコいい。今回アルバムを一通り聞き直してみて、購入当時はあまり気に入らなかった作品でも新鮮さや発見があり、かなり時代の先取りをしていたと感じる。

 自分のやりたい音楽と人気を調和させて、長く活躍している希有な方です。


■ 特長と 作品の購入用リンク


 作品を紹介する。


■ 目次と見出し - ジャンルについて

 発売順に紹介。
関連の音楽、映像作品をほぼ集めています。古くて流通してないものやインストアルバム、コンピレーションアルバム、会員限定作品は省きました。

(項目をクリックすると、該当部へジャンプする)

■ CD 作品

 ・ CD オリジナルアルバム
 ・ CD シングル
 ・ CD ライブアルバム
 ・ CD ベスト盤

■ 映像 DVD,ブルーレイ 

■ 書籍


● 購入用リンクの使い方 

 製品の特長と購入用リンクを紹介。

商品写真と横の商品名リンクは、基本としてamazonへのリンクです。
なお他のネット通販販売品を見たい場合は、
○○で検索をクリックすると、通販サイト内からの検索結果を表示します。


■ アルバムCD 


 cd-158817__340.png

 スタジオアルバムCDを、発売順に並べて紹介する。なお再発で、特殊もしくは現在手に入りにくい仕様や限定紙ジャケットは省略した。

 氷室のスタジオアルバムは全12作。どのアルバムも完成度が高く成長しているのが分かる。



・[1st]  FLOWERS for ALGERNON
1988年9月1日

 フラワーズ・フォー・アルジャーノン

 ソロ一作目。レーベルはEASTWORLD/東芝EMIで現在のユニバーサルミュージック。BOØWY解散後から約半年でのリリースとなる。

タイトルは、ダニエル・キイスの名作SF小説『アルジャーノンに花束を』の原題から。サウンドはBOØWY時代から進化しており、キーボードが増えて明るく風通しが良い。曲は多彩であり”BOØWYを超える,ソロとしてやりたかった曲,そして実験性の高い曲”など幅広くあり野心に富む。新しい試みも多くてギターにはチャーリー・セクストンが参加した。 またメッセージが明快で、曲の印象が強くなった。

収録曲では「ALISON」が優しいバラッド。「SHADOW BOXER」はハイスピードな音作りで、氷室の新時代を感じさせる。そして代表曲の「ANGEL」が輝いている。また「DEAR ALGERNON」は、小説『アルジャーノンに花束を』の内容を、見事に自分の世界で消化した素晴らしい曲だ。

名作。解散からたったの半年で作られたのに完成度が高い。ドライブに合う曲ばかりで、私が車で一番聴いた音楽アルバム。 作品は話題となり、日本レコード大賞でアルバム大賞も獲得する。






・[2nd] NEO FASCIO
 1989年9月27日

 NEO FASCIO

 今回はコンセプトアルバムで、カリスマの否定やファシズムの持つ危険性がテーマ。BOØWY一作目『MORAL』が世界観を持ってたように、ソロとなり進化する氷室が打ち出した問題提起となる。

プロデュースは、BOØWY時代にも組んだ佐久間正英が楽器も担当。他にドラマーが一人。なんと今作は”たったの3人”で作られてる。 前作から1年で発売された。

 作品は、映画のように「オーバーチュア」から始まる。高速なリズムで明るい歌詞の「SUMMER GAME」。ボブディランの歌詞を引用し、世界の問題を謳う「CALLING」。全体では、暗闇や荒野で歌っているような重い雰囲気だ。時代を映しているのか、当時夭折した尾崎豊の「誕生」あたりに重い雰囲気や早いリズムが似てる。

オリコンは一位と好結果。私も結構好きなアルバムで、氷室のやりたいことが伝わりヒットもした。新境地を開いた作品。



 


・[3rd] Higher Self
 1991年4月6日



 前作からやや期間が開いた。

 CDの装丁は、透明のスリープにCDケースが入る綺麗なもの。イラストはJEAN PAUL MOJIRIANI。 アルバムは氷室曰く「コンセプトが無いのがコンセプト」。 ~ やりたいことを詰め込んだ一作目に戻った感じ。

楽曲には、BOØWY時代を思わせるリズムやメロディーも垣間見える。穏やかなバラッドの「MOON」は一人称がぼくらとなり、少年が過去を振り返るような気持ちが伝わる名曲。シングル曲「JEALOUSYを眠らせて」もボーナストラックに収録。

 今作でもオリコン一位を獲得した。






・[4th] Memories Of Blue
  1993年1月7日

 Memories of Blue

 約2年ぶりのリリース。 メロディーの印象が強いアルバムに仕上げられながら、ヒットも狙った曲が含まれる。

幕開けは、大ヒット曲となった「KISS ME」のアルバムバージョン。「Memories Of Blue」「Good Luck MyLove」は音に厚みがあり、歌詞も切なく進化を感じる。ラストの「WILL」は女性コーラスが入り新しい雰囲気。

シングル曲が多くて、全体の完成度は高い。参加ミュージシャンに海外メンバーが増えて音に厚みがあり、聞きやすい。満足感が高いアルバム。






・[5th] SHAKE THE FAKE
 1994年9月26日

 SHAKE THE FAKE(紙ジャケット仕様)(CCCD)

 ジャケットは、当時流行していた白主体でコントラストが高い画面。作品内容は、全体に静寂と重い音のコントラストが高く迫力が出た。当時流行の音楽にも飲み込まれず、独自の世界を貫くのはさすが。

アルバムはCM曲にもなった「VIRGIN BEAT」で幕開け。 タイトル曲「SHAKE THE FAKE 」には松井常松さんも参加。「DOWN TOWN ARMY」など、良い意味で音に余白があり聞きやすさも持つ。「BLOW」ではしゃがれた声で歌い新しいスタイルにも挑戦。「TRUE BILEVER」では切ない感じでアルバムを締める。

PVの「VIRGIN BEAT」では、港で高いクレーンの上に立つ氷室の映像で異次元の格好良さ。ただし問題も起きる。氷室は今アルバムに力を入れすぎて自律神経失調症となり、拠点をロスに移す。

 今聴くと、完成度の高さに「これが14年前の音?」かと呆れる。音楽性で先を行っていたのを思い知らされる。

 CDは初期のバージョンと、再発された紙ジャケット版がある。

 






・[6th] MISSING PIECE
 1996年9月30日

 MISSING PIECE

 2年ぶりのオリジナルアルバム。レーベルはポリドールとなる。
CDの初回盤は、外箱の付く紙ケース仕様で凝ったデザインだ。CD&アートディレクターは守屋おさむさんでジャケットアートがカッコいい。

 期間が空いたぶん、充実した内容。曲はバラードに趣きが置かれている。そして多くがシングルで発売された曲となり「STAY」「魂を抱いてくれ 」等の人気曲が収録される。なお「魂を抱いてくれ」の作詞は有名な松本隆が担当している。






・[7th] I・DE・A
 1997年12月10日

 IDEA

  2年ぶりのオリジナルアルバムで、今回もポリドールから発売。ジャケットがカッコいい。タイトルは心理学用語から取られている。

アルバム内容はカッコいい。氷室が憧れるギタリストのスティーヴ・スティーヴンスが参加。「RE-BORN」「NATIVE STRANGER」等で氷室のやりたいことが完成。締めの「DISTANCE」も新しさを感じる。アルバムの音質も良い。

今作まで”型にはまらないでいようとして、むしろ型にはまってると感じる”曲もあった。しかし今回は2段くらい音楽性のランクが上がってる。 一作目『DEAR ALGERNON』が進化した雰囲気だ。やや骨太すぎる部分が気になるものの、氷室らしさが全体に出てる。






・[8th] MELLOW
 2000年2月23日

 レーベルはポリドール。「MELLOW」の題名通りにバラード曲が主体。前作が黒とするなら、今回は白。行きついても迷走しないバランス感覚が氷室の上手さです。

 一曲目は「SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために」で、いつも通り氷室が押す曲からスタート。私が好きな曲「Silent Blue」は盛り上がる曲で、アルバムに抑揚をつけている。「bringing noise」ではややラップ調で新しい音を示唆して全体のバランスをとって終わる。

ファンに評価が高いアルバム。






・[9th] beat haze odyssey
2000年10月18日

 beat haze odyssey(初回限定盤)
 
 レーベルはポリドール。
  
氷室のソロ活動後の曲スタイルは大きく分けると、綺麗な明るめの歌詞、新しい音と骨太で重い音の2種がある。今作は前者の明るい音を持つタイプで、氷室の挑戦する新しい音が聞ける。
 
曲では「Julia」と「One」が切なくて良い曲だ。「One」ではスローなテンポで終わるかと思いきや、派手に転調して、歌詞も前向きに盛り上がりアルバムを締める。 アルバム収録曲数は7つと少ないが、初回限定盤は3曲入り特典ディスクが付属してバランスを取っている。






・[10th] Follow the wind
 2003年8月20日

 2002年に東芝に復帰した。今作でレーベルは東芝EMI/Capitol Musicとなる。

 全体はかなり重厚感のあるサウンド。「Virus」「Rap On Trap」はラップも入り、氷室らしい新しいスタイルを提示。ヒットシングルとなった「Claudia」も収録。

リズムや楽器の構成など今聞くとかなり時代を先行してる。オリコンでは2位と売れたアルバム。 なお初期はCCCDだったが、2008年に通常CDで再発。






・[11th] IN THE MOOD
2006年12月20日

 3年ぶりの新作。新しさと安定が混在した、ある意味氷室らしいアルバム。

一発目の「EASY WORLD」は新しい試みがされており、良い歌詞だが後ろにラップが入る。「WilD Romace」はアップテンポの氷室得意なメロディーに、重い音のギターが重なって新しい面を見せる。「Pain」は今聞いてもカッコいい。今より10年以上前にこんな曲を展開していた才能と先見力に感心。






・[12th] "B"ORDERLESS
 2010年9月8日

”B”ORDERLESS

 3年ぶりのオリジナルアルバム。レーベルは東芝EMI/Capitol Music。

 今回も新しい挑戦とサウンドを抱えたアルバム。今作以前は森雪之丞の作詞が増えていたが、今回は作詞に幅が広がり、GLAYのTAKUROや松井五郎、編曲にアラン・ヨハネスが入る。

 

 新しい展開では「BANG THE BEAT」がTVで飲料メーカーCMに使われて、本人も出演した。私もたくさん飲んだ。 作品では、 世界レベルでの有名人参加も注目だ。「Time for miracles」は、新生QUEENのボーカルとしても活動したアダム・ランバートの曲だ。氷室が好んだアメリカンロック寄りの部分もあるが新しめの音も多くて、日本のアーティストよりかなり先行してる。

なお今作以降は、東北震災や自身の不調による引退活動となる為に、オリジナルアルバムでは最後の作品となる。
 




■ シングルCD 


 KISS ME

  シングルCDはベスト盤でまとめられているので
ここでは、シングルで買うのがお勧め作品を紹介する。



 ・ DEAR ALGERNON

 シングル第二弾。SF小説『アルジャーノンに花束を』にインスパイアされた名曲。小説で描かれているネズミや主人公の環境や周囲へ葛藤を、うまく独自の解釈で置き換えて、都会での孤独と切なさを歌う。

おすすめなのはカップリング曲。アルバム未収録でデヴィッド・ボウイの曲のカバー「SUFFRAGETTE CITY 」と ソロデビューツアーのライブ演奏で、氷室の好きな吉田拓郎の「たどりついたらいつも雨ふり」が入っている。「DEAR ALGERNON 」は曲調が似てるので、敬意を払ったのかなとも思う。

私が人生の中で一番繰り返し聴いたシングルCD。おすすめです。






・ KISS ME
 1992 氷室京介

人気曲の「KISS ME」。アルバム収録作品とバージョンが違う。
 ジャケットはバイクにまたがり、文句なしのカッコよさ。PVでも同様の服装で、プロジェクターを使った美しい映像を見せる。現在は多数アーティストのライブでプロジェクション・マッピングが多用されているが、「KISS ME」を制作したスタッフの先見性が光る。

 曲は大ヒットとなり、自身初のミリオンセラーとなる。





■ ベストアルバムCD 


 氷室京介 25th Anniversary BEST ALBUM GREATEST ANTHOLOGY(初回限定盤)

  入門者向け。もしくはシングルや人気曲をまとめて聴きたい方に。



・1st / “SINGLES”
 1988年12月24日

 初のベスト集。第一期東芝時代のシングル曲が集められた。アルバムでは5th『SHAKE THE FAKE』までとなり、初期の人気作が集まっている。 一枚で聴きやすくまとまってる作品だ。






・2.5nd/ MASTER PIECE #12

リミックスアルバムとして発売された。特徴は、人気曲が海外エンジニアによってアレンジされている。
 
注目点は、リミックスと言ってもノルマ消化用の水増し作品とは異なっていることだ。 曲は、楽器が増えて音に厚みが出て正常進化してる。思うに趣味もあるだろうが、違うアレンジを勉強したりエンジニアのテストも兼ねたのだろう。実際に後のアルバムでニール・ドーフスマンが起用されている。ボーナストラックに「JELOUSYを眠らせて」未発表テイク収録。

 今聴くと、全体の音がポップで明るくて音質も良く聴きやすい。ベスト版として発売されずに、現在は埋もれた感があるが、聴きやすくて良い。 私も、結構よく聞いている作品だ。






・2nd/ Collective SOULS 〜THE BEST OF BEST〜
 1998年6月24日

 ソロ・デビュー10周年記念。ポリドールから発売された。
中期の曲を収録。本人が選曲しており、ツアー向けに意識されている。収録は17曲入りと多めでデジタルリマスターされた。「JEALOUSYを眠らせて」と「STRANGER」はリテイク。

全体に音質も良い。






・3th/ Ballad〜La Plui
 2001年9月27日

 バラードベスト。ポリドールから発売。9枚のアルバム、21枚のシングルから選ばれている。渋い選曲。
バラードに力を入れる氷室の実力が分かる作品。バラード集だが「julia」で明るく終わる。






・ 4th /  Case of HIMURO
 2003年3月19日

 東芝から発売されたソロ活動15周年、メジャーデビュー20年記念作。レーベルを超えて収録されておりユニバーサル在籍時代の作品もある。注目点はBOØWYの曲が初めて収録されている。

内容は33曲とボリュームがあり人気曲が詰まっている。目玉は「ANGEL2003」、そしてBOØWY楽曲の新録「わがままジュリエット 」「To The Highway」。BOØWY楽曲はアレンジされており、今作頃の氷室サウンドになってる。 なお初回盤のみ「CLOUDY HEART」アコーステックバージョンが収録。

選曲と曲順が良い。音質も綺麗でけっこう良いベストです。






・ 5th / 20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN' ON 〜ALL THE-S-HIT〜
 2008年6月11日

 20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN'ON~ALL THE-S-HIT~

 ソロ20周年記念。レーベルはEMIミュージック・ジャパン/Capitol Musicから発売。

CD2枚組アルバムで、収録は発表順の全30曲。内容はシングル曲が25作目まで並ぶ。終盤にはGLAYとのコラボ曲&提供曲も収録。売上は好調でオリコン一位を獲得する。






・6th / KYOSUKE HIMURO 25th Anniversary BEST ALBUM GREATEST ANTHOLOGY
 2013年8月21日

 ソロ25周年記念。レーベルはEMIミュージック・ジャパン/Capitol Musicから発売。初回限定はライブビデオ付き。

新作の発売が無くて間が空いた時期であり、私も聴き込んだ・・というかほとんど毎日聞いてた。

CD2枚組アルバムで全30曲。アルバムの人気曲とシングル曲が収録。新曲も入っている。今回は収録が時間順でない編集がされており、聴き流すのに良いアルバムだ。

売り上げは好調で、オリコン一位を獲得した。






・7th / L'EPILOGUE
 2016年4月13日

 L'EPILOGUE <初回生産限定盤>

 ラストツアーに合わせて発売されたオールキャリア・ベスト。私はライブ会場で購入した。

氷室作品では、白と黒の印象が強いが、今作では白のジャケットとなった。作品はCD2枚組でDisk1がBOØWYの曲で新録、Disk2がソロ時代の曲。初回生産版にはライブCDが付属してこちらにもBOØWYの曲がある。

引退でBOØWYの再結成の可能性も無くなる。BOØWYの曲を入れたのは、氷室がBOØWYを待ち続けたファンへ送る答えであり、プレゼントでしょう。

音圧は高め。中域が強く骨太な感じで、高域も出ている。音質は全曲で揃えられており聴きやすい。




■ ライブアルバムCD 


 BOØWY時代は、ライブで名を上げた氷室。しかしライブCDはなぜか少なめだ。



・The One Night Stands TOUR "COLLECTIVE SOULS" 1998
 1998年12月9日

 初のライブアルバム。1998年に行ったライブ・ツアー「TOUR "COLLECTIVE SOULS"1998 One Night Stand」から、9月19~20日に横浜スタジアムでの公演を収録。2枚組で22曲入り。ソロ時代の人気曲がたくさん入ってます。

メンバーでは、ギターが氷室と組むことが多いPERSONZの本田毅とスティーヴ・スティーヴンスで完璧な布陣。そして全力で歌う氷室はカッコいいの一言。会場の熱気と盛り上がりもすごい。素晴らしいライブです。






・ 21st Century BOØWYs vs HIMURO ~An Attempt to Discover New Truths~
 2004年12月24日

 2004年8月22日に東京ドームで行われた一夜限りのライヴを収録。タイトル通り”ソロ時代とBOØWY時代の曲が対決”する。半々くらいの分量で、しかも有名な曲が多くて氷室とBOØWYファンにはうれしい内容。

メンバーには、ギターでPERSONZの本田毅が参加。私は日本で本田さんのギターが特に好きなので嬉しい。ドラムはこちらも氷室さんとよく組む西山 史晃さん。ベースも永井利光さん。





■ 映像作品 


 clapperboard-146180_960_720.png

 Flowers for Algernon―King of Rock Show (Kyosuke Himuro Tour Document Book)

 映像作品は30作近くあるので、今回はおすすめ作品を紹介。
現在も手に入るDVDとブルーレイで販売されているものから選択した。



・KYOSUKE HIMURO CAPTURED CLIPS 1988-2006 [DVD]
 2006年

 初のベストミュージッククリップ集。
98年から2006年までの作品をレーベルを超えて収録。






・21st Century BOØWYs VS HIMURO ~An Attempt to Discover New Truths~2012
 2012年

 2004年8月の東京ドーム「21st Century BOØWYs VS HIMURO」ライブ収録。
ソロになって初のBOØWYの曲を披露。
 
 BDとDVD版あり。






・東日本大震災復興支援チャリティライブ KYOSUKE HIMURO GIG at TOKYO DOME "We Are Down But Never Give Up!!"2011
 2011年

 東日本大震災復興支援チャリティライブ KYOSUKE HIMURO GIG at TOKYO DOME "We Are Down But Never Give Up!!" [DVD]

 2011年6月11日~12日の東京ドーム公演を収録。

全25曲収録。セットリストはなんと全曲BOØWYの曲で行われました。私の家族も参戦したのですが、ライブはすごく盛り上がったそうです。

なお本作で発生する氷室京介分の著作料は、JSASRACの”こころ基金”に寄付される。






・KYOSUKE HIMURO LAST GIGS<初回BOX限定盤>2017

 KYOSUKE HIMURO LAST GIGS<初回BOX限定盤>(2BD) [Blu-ray]

 引退の最終ツアーから、最終ステージの東京ドーム公演を収録。全35曲で200分。初回限定盤には各地のライブを収めたディスクが付属。

 本編は冒頭の会場を埋め尽くす5万5千人の観客が圧巻。映像はかなり凝っておりアップやカット割りも多く高い緊張感が続く。

 内容はBOØWY時代と氷室ソロの曲でオールキャリアのセットリスト。氷室のテンションも高く、オープニングの「 DREAMIN'」から飛ばします。序盤はBOØWYの曲が中心で、途中から氷室ソロの曲を交える。MCもしっかり収録されて氷室がファンへの想いや曲の思い出も丁寧に話す。氷室の気迫と歌唱力、そして演奏のレベルも高くて完璧な内容です。 特典の全国ツアーも一本の作品としてみれるレベルの高さ。

 BDとDVD版あり。




・ KYOSUKE HIMURO THE COMPLETE FILM OF LAST GIGS
  2018年2月14日発売。

 既発『LAST GIGS』の完全版。 今回の注目は2点で新規編集とドキュメンタリー映像が追加。

 種類:BDとDVD版







■ 書籍 


 人気作だけ紹介。



・大きなビートの木の下で ― BOØWYストーリー / 紺 待人 単行本
 1986年発売。1993年文庫、2008年に新書で発売

 作者は紺 待人=土屋浩さん。BOØWYのマネージャーで”5人目のBOØWY”と呼ばれた、メンバーに近い立場の土屋さんが制作している。物語はBOØWY時代のメンバー生い立ちから描く。

 紹介するのに久しぶりに読み返した。構成は3人称の小説風で読みやすい。内容は出会いと成功への物語。ロックをやるために集まっていくメンバー。レーベルと対立し自分たちの”ロック”を貫くための苦悩と決意。「全国ツアーで、おんぼろワゴンでファンを振り切りながら走る。理由は安宿に泊まっていることを知られたくないから」 ~ 随所に青春の切ない感じが出てる。

 なお土屋さんは2012年に亡くなっている。






・ バンド・スコア 氷室京介 / ベスト・コレクション
  2016/4/30

 引退ライブ時期に発売された。ベスト曲を収録する。






・MEMENT KYOSUKE HIMURO 1998-2015 TAKASHI HIRANO ([バラエティ]) 単行本 – 2016/12/22
 平野 タカシ (著)

 4048956434
 4048956434


 豪華写真集。ライブ写真が主体となる。




■ 解説 ~ 作品の構成


 氷室京介のアルバムの構成についての考察。 彼がソロとなり初作品を出した前年の1987年には、CDのシェアがレコードを上回る。3作目からはLP版が発売されなくなった。そして5作目からカセットテープ版も販売されていない。そのため曲順はAB面の節目が目立つBOØWY時代と比べて、彼の作品では”ひとかたまり”のCD向き曲順になっている場合が多い。


■ あとがき


 ついに氷室京介も卒業し、私の中で季節がひとつ終わった感じ。
氷室の今までと自分を振り返る意味もあり、全アルバムを聞き直した。

 曲は荒野や都会の中で立ち尽くす様な状況が多いが、不思議と絶望は無い。声に本人の強さが出ているのでしょう。いつも,ずっと聴いてきて憧れていました。 格好良く強く生きるのは難しい。でもファンにカッコいい姿を見せ続けた。そして彼は最後まで自分を貫き通し、氷室京介を卒業しました。


 今回の記事が氷室ファン、新たに聴き始める方の助けになれば幸いです。




 ・ 文章について

 敬称を略している場合が有ります。


■ 更新情報

2020年2月16日 作品解説、構成解説を追記。文章調整+ですます調を直した。
2018年3月6日 LAST GIGS感想、COMPLETE盤リンク追加。作品発売日抜け修正、Amazonプライムリンク削除
2017年9月12日 私事削除。


■ 関連、参考サイト

・公式 HIMURO.COM

氷室京介|ワーナーミュージック・ジャパン

・ ウィキペディア 氷室京介
 一部作品で発売時期や参加アーティスト、オリコン記録を参考にさせて頂きました。


■ 関連記事

氷室京介「THE COMPLETE FILM OF LAST GIGS」の解説。

氷室京介「LAST GIGS」の用品集。感想や購入用リンク

おすすめ音楽 第一回:「氷室京介のソロ・デビュー25周年記念ベストアルバム」限定版、プレイボタン版 [紹介と購入用リンク]

BOØWYの作品紹介。アルバムや映像作品解説。

この記事へのトラックバック