今回は BOØWYの解散について。
BOØWYファンや興味を持ち始めた人の多くが気になるのが
「BOØWYはなぜ解散したのか」です。
BOØWYは人気が過熱して、絶好調の時期に解散した。
解散後のギグも行われましたが、反面ファンには解散理由も伝えられておらず、疑問が残っています。
そこで今回は、BOØWYの解散についての解説。当時の状況そして私の推測や想像を紹介します。
■ BOØWY 解散時の状況や出ている情報
BOØWYの解散について
今回は、現時点で分かっている経緯と私が思うことを書きます。
■ 解散の状況について
解散の正確な理由については公式には発表されてない。
解散理由で良く言われる話がある。それはBOØWYのメンバー内で「一位を取ったら解散する」と言われて共通認識があったという噂。
実際の状況を見てみよう。
BOØWYはアルバム「INSTANT LOVE」から独自性の高い音楽を造る為に奮闘しいた。そして完成度の高いアルバム「BEAT EMOTION」と解散発表時期直前には「PSYCHOPATH」が完成した。オリコンで一位を取り人気も過熱している。~ だから決意したというのは格好いいし分かりやすい理由だ。
氷室と布袋の不和も言われますが、その場合は最後のアルバムやライブは完成を見ずに空中分解しているでしょう。良好では無いが仲間であり適度な仕事関係だったのではないか。 ~ ただし仲が良いのと「自分が望む音楽を作る、もしくはバンドを続ける」のは別の話。
■ 解散の理由: 解散のきっかけ
高橋まことさんの著書で、バンド解散に触れている部分があります。
ざっくりまとめると ”布袋が山下久美子とバンド組むのに、松井と高橋(BOØWYの)を参加させようとしているのを氷室が知り「じゃ解散だ」と言った”と書かれてます。
しかし氷室もスタッフやメンバー、そしてファンに対する責任が有ります。BOØWYは一人の物ではなくなってるのですから。転がる石はもう大きくなりすぎて簡単には止まらない。氷室一人が解散と言っても簡単に終了できない。
布袋の著書「秘密」に、”解散を切り出したのは自分”とあります。
おそらくメンバー間に漂う不穏な空気に耐えきれず、布袋が解散を口にした。のが解散が同意され決定した瞬間でしょう。恋人が別れに同意したようなものですね。
■ 解散の理由 1 考えの不一致
友人や恋人同士が別れる時のように
考えはそれぞれが持っており、同じではない。
ただバンド牽引役である布袋と氷室が違う方向に歩みたがっている。さらに完成度の高いアルバムを作り、人気も出た。当初の目標を達成しておりバンドとしてもやりきったのなら解散もするでしょう。
布袋は山下久美子さんと結婚して、BOØWYも絶好調。山下久美子と新しいバンドもしたい。本人自体にはおそらく悪気はなかったのではないか。もしくは不和に気づいてなかった。 しかし布袋は音楽の幅を広げているつもりでも、氷室や外部からすれば布袋は他のバンド(女)に浮気している。
もしくは自分のバンドメンバーを奪い独立。悪く言えば裏切る感覚でしょう。
皆が知ように氷室は筋を通す、真っ直ぐな男だ。女性関係に口出すような小さい男ではないだろう。 しかし実際に氷室の知らない所で布袋がメンバーを引き抜く形になっている。となるとバンド=BOØWYとしての活動は続けられない。だからといって、ぐずぐずとバンド関係を続ける気も無い。
氷室は布袋を最高のギタリストとして認めてる。また学年度でも氷室はひとつ先輩に当たる。 だから布袋が切り出すまでは耐えていた、と想像する。
布袋は著書で「理由は墓場まで持っていく」と言っている。理由が言えないのは「自分はバンドで4分の1であり、軽々しく言えない」とある。 確かにメンバーそれぞれに理由があり、布袋の考えだけで解散が決まったというのは傲慢に取られる。彼は、後輩らしく謙虚であろうとしているようだ。
■ 解散の理由 1-2 方向性と現実のズレ
BOØWYのメンバー自体が違和感を感じ始めていた。
BOØWYファンが急増していた。人気はロックファンから一般へと波及していた。「ロックを知らない子達も騒ぎはじめる。音楽と違う所で騒がれる」のに違和感を感じてたようです。
確かに解散発表時期のライブ映像では、観客席から聞こえるのは若い女の子の声が占めている。BOØWYは『確かに成功したかった、音楽を売りたかった』。 けれど外観や名前で騒がれる、アイドル路線のような形で売れたくなかったのでしょう。
■ 解散の理由 2 お金?
金 / marumeganechan
バンドが壊れる理由で多いのは「女と金」とよく言われる。
お金の部分を見てみよう。BOØWYの場合は布袋が編曲、氷室は作詞が主体だ。 布袋はプロデュース部分をアルバム「JUST A HERO」から担当してる。
当然お金の配分も変わる。加えて権威の部分もある。布袋がプロデューサーとなれば立場は上になる。仕事の担当が多ければ実績も上がり、立場が異なってくる。 例えば、ファンには見えなくても仕事をする上では布袋がプロデュースしているバンド = 布袋のバンドという形に見えたり本人も自認してしまう。 ギャラの違いも有ると思われます。
お金の話だと分かりやすくて納得しそうだ。だがBOØWYはお金で苦労してる時代でもバンドを続けており、金銭は大きな理由とはいいがたい。
やはり焦点は音楽でしょう。布袋の立場が大きくなっても、氷室は単なるボーカルでない。歌詞も書いてるし役割は大きい。お互いの立場を認識して続けていくのは難しそうです。 簡単に言えば、布袋も氷室も「俺一人で独立して音楽活動をやれる」と考えるでしょう。
■ 解散とその後。
布袋の活動と氷室の信念。そして立場の問題が徐々にかみ合わなくなる。 やがて解散の言葉が出てメンバーが耐える理由が無くなり、終わりが訪れたのでしょう。
メンバー内の状況を知らないファンには、解散は突然であり驚きだった。
BOØWY内部や廻りのスタッフ間で解散へ向かっていくのは既に決定事項だった。 実は「BEAT EMOTION」がラストアルバムであり、後は解散への活動だった。 ~ しかし外部の説得で「PSYCHOPATH」がラストとして発売。
BOOWY内部の不和はファンとは関係有りません。BOOWYは解散後に、しっかりとお別れの「ラストギグ」を行った。けじめを付けてBOØWYの活動は終了した。
● 解散、ラストギグの後
ラストギグの後、氷室はソロ活動を初めた。ロスに拠点を移住。音楽活動を続け活躍する。 そして、昨年身体の不調を理由に氷室京介を引退。
布袋は、ソロ活動や吉川晃司と「COMPLEX」を組んだり活動を続ける。2012年からイギリスに移住。
高橋さんと松井さんは現在も音楽活動を続けておられます。
BOØWYは、メンバーが同窓会のようなものといった「LAST GIGS」以降に再結成は無い。また氷室と布袋の共演もありませんでした。長い年月が過ぎます。
● 最後の機会は失われた
おそらくBOØWYが再結成するのに、最後の時期は東北大震災支援だった。復興応援での再結成でしょう。
しかし氷室は単独で復興応援ライブを決行する。布袋は「COMPLEX」で支援を行う。
復興時の混乱した中で準備期間もなく再結成してライブを行えば完璧なライブも行えず、今後も期待させてしまう不完全な形になった可能性が有る。ファンは残念だが、氷室も布袋も震災に対して出来ることはしていり。
例えば、音楽活動を離れていた歌手がかっての曲を披露することがある。紅白などで見られる光景だ。だがファンの期待に沿わないことも多い。
今振り返ると、無理な再結成をしないほうがBOØWYのイメージダウンにならない。ファンにとっては良かったのではないか。
BOØWY時代の終焉は、好きだからこそ別れてお互いが信念を貫き通した。その後、メンバーは音楽活動で活躍し充分に成功している。冷静に見ると良い別れ、解散だったと私は考えている。
● 最後のBOØWY
氷室最後のライブはBOØWYと同じ「LAST GIGS」でした。ライブではBOØWYの曲も歌った。
このタイトルが意味するのは氷室版の音楽活動の終了、解散です。
そうなるとBOØWYの復活が無かったように、氷室名義での再開もない。となれば氷室がBOØWYで活動することもない。
タイトルは『もう完全にBOØWY復活は無い。終わりだよ』という意味も含むのではないか。
氷室京介によるBOØWYは終焉した。ファンは熱望しても、氷室は既にBOØWYを自分で終わらせているのでしょう。
■ あとがき - 私が BOØWYの解散に思うこと。
生きるのは別れの繰り返し。
人付き合いをしていて、長い付き合いで終わった原因を考えることもある。
だが再スタートは無い事が多い。不仲になって結局無理して付き合いを続けたり、やり直しても上手く行かず不幸になる。そして時間を失い今度は再開のチャンスはない。
仕事もバンドも友達や恋愛も、どちらかの心が離れた時点で既に終わりでしょう。人生には死別のように逃れられない別れもあるし、そして互いの成長のために別れなければならない時が有る。
そう思えば、BOØWYの場合は、解散という別れできっぱりとけじめを付けて以降は会っていない。
BOØWYのメンバーは「想い出と互いの未来を守る」良いお別れをしたんだな。と私は感じる。
■ 更新情報
2024年5月20日(月) 文章調整。区切りを増やして分かりやすくした。項目を増やした。
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