![[Atod]DSC_1093tibi[fixw10photo].jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5BAtod5DDSC_1093tibi5Bfixw10photo5D-thumbnail2.jpg)
あなたは、オーディオ機器は大事に長く使われるほうでしょうか。
私は物を大事にするので、気に入った物を長く使います。
スピーカーは丁寧に使えば長持ちしますが、時に破損してしまうことがあります。
また中古で手に入れて、実は破損している時はがっくりです。
でも自分でメンテナンスして、修理して使えれば嬉しいですよね。
今回はスピーカー修理に挑戦。ユニットを交換してみます。
誰でも簡単にできる方法と、使った道具や用品を紹介します。

■ はじめに

家電の修理って、緊張しますね。
ただ自分の買った機種ですもの。できれば自分で直して維持していきたい、ものです。
私の場合、はじめは接触不良の部分を直したり掃除したりする程度でしたが、
今回は、頑張ってスピーカーを直してみることにしました。
題材は友人に譲って頂いたスピーカーの修理です。
頂いてからツィーター異常に気づき、半年ほど放置してたのですが、放っておくのも可哀想だし壊れている製品があるとストレスになるので、思いきって修理することにしました。
アンプなどの修理と比べて、電源部が無く危険度が少なめなので試ししょう。だめだったらメーカー修理に出したり、廃棄したりと踏ん切りがつきます。

■ 取り付け概要
取り付けの概要です。
今回はスピーカーのドライバー。ツィーターを修理します。
検査→部品選定→部品交換になります。
■ スピーカーの検査
まずスピーカーの検査。故障部の判別です。
今回は、友人に譲って頂いたスピーカー。
音のバランスが偏っているので検査します。
● チェック方法
出力を左右に振り分け検査する。PCや出力のバランスを変更します。
ウーファーはエッジやコーンの振動が目に見えるので分かりやすい。ツィーターの場合は良く聴いて判断します。
耳を近づけると、片側スピーカーのツィーター部が動作してないようです。高音部が聞こえず、スピーカーから出る音の全体がこもった音に聞こえる。
■ 工具類 -

作業の全体で使う工具を紹介。
必ず必要なのは、テスター。
配線ガイドも有ると便利です。
他は出来れば、配線を固定する用品などがあると静音できます。
細かい工具や用品は行程毎に紹介していきますので、必要なものを選んで下さい。
■ ドライバー
多くのユニットがネジ、もしくは六角ボルトで取り付けられています。
ドライバーはネジを痛めにくい精度の高い製品がお勧め。
・ベッセル(VESSEL) ボールグリップドライバー プラス2×100 No.220
販売: Amazon Japan G.K.
Amazonで一番人気の有るドライバ-。国内でドライバー製造大手のベッセル製。
一番使いやすい大きさです。
先端部は、磁化されていてネジを付けやす。後端部は丸くて、狭い場所や角度がいる場所でも作業しやすい。
・アネックス(ANEX) ビスブレーカードライバー +2x100 No.3960
販売: Amazon Japan G.K.
硬いネジやさび付いたネジを外すのに活躍。
普通のネジでもしっかり回しやすい、
・サンコスモ 小型デジタルテスター/マルチメーター DT-830B

わたしも購入しました。
格安テスターで多く流通している製品で、多くのショップが取り扱ってます。
デジタル表示で簡単に使える。
注意点は、オートパワーオフがないのでしっかり電源を切る必要が有ります。
◆ セット品
・エーモン E3 ターミナルセット 大

初心者におすすめ。(^^) 自動車用品で有名な「エーモン」が出している
自動車の電気配線入門用に便利なセット。
端子、検電デスター、電工ペンチなどが一通り入っていて、配線の大体の事に対処できる。
私も買いました。 配線が終わったら、使った物を買い足していけば、いつでも新しい配線が行えます。
・エーモン 2842 よく使うクルマの配線工具セット
新型のセット。今までの電工セットと比べると
端子類が少ないかわりにプライヤ、スパナ(8、10mm)、内装剥がしが付いてます。
端子は接続コネクタ、配線コネクタ、分岐コネクタ付き。
とりあえず簡単な電工だけしたい方に向いてます。
これから、電工に凝っていきたいかたは上のセットがお勧め。
● その他の、工具類。
電気加工以外の、ちょっとした道具。ドライバーやはさみ、カッターなどは、
あなたのお家にあるものでも可能です。
工具類を 全然持ってない方は、セット類が有ると長く使えて便利です。
amazonで、人気が有るセットを紹介しておきます
→検索 工具セット人気順工具セット
・SK11 ガレージツールセット ETS-45G
◆ コードの取り回し道具
・エーモン工業 配線ガイド 1161
機器内部のコード取り回しに。
◆ 内装はがし道具
車の内装を剥がす道具。家電品にも使えます。
はめ込みで作られている外装や、硬く固着した部品を少ない力で傷つけずに部品が外せる。
・KTC ハンディリムーバー AP201-N
・エーモン工業 内張りはがし 1427
使いやすい大きさ。私も買いました。
・エーモン工業 内張りはがしS 1425
・エーモン工業 内張りはがしDX 1423
プロも、使う工具
■ 検査
![[atod][speaker][fix]DSC_1191tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bspeaker5D5Bfix5DDSC_1191tibi-thumbnail2.jpg)
分解、検査してみます。
方法は簡単です。
端子部分とユニット部分のネジを外し、隙間から各所の導通をテスターで検査する。
ネジは、手回しのドライバーで緩めます。筐体が木製であり、優しく扱いたいのとトルクを覚えるためです。
スピーカー端子からツィーターの端子を検査していく。安物のテスターですが検査に使う程度には充分。テスターに導通検査モードやランプがある場合は使い、今回のテスターのように無い場合は単に抵抗レンジで導通を検査していきます。
調べていったところ、背面の端子や内部配線は正常。ただツィーターの端子間だけが導通していません。内部で破損しているようです。

■ 修復の試行
![[atod][speaker][fix]DSC_1192tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bspeaker5D5Bfix5DDSC_1192tibi-thumbnail2.jpg)
家電製品は『故障してる』と思っても実際は、単に接触不良がほとんどです。
今回も、検査前は古い機種のため部品交換はまだ視野に入っておらず、なんとか修理したいと思ってました。
ネットなどを見ると、スピーカーのトラブルは端子のハンダ劣化やコイルの断線などが殆どのようで直せる気がしたので、わたしも分解に挑戦してみます。
・故障の状態を判別
今回のスピーカー筐体はまずまず綺麗でしたが、内部のツィーターはかなり痛んでおり背面のシールがボロボロです。湿気が多い場所で使われていた、もしくはかってのユーザーが修理に挑戦したのかも知れません。
コーン部を覆うように、余っていたゼリーの容器を固定し潰さないように作業。
しかしツィーターの各部が接着剤や樹脂で固定と封印がされて難航。ユニットの背面部分も、樹脂で封印されてます。さすが大手メーカー製スピーカー。あまりにしっかりした固定で感心します。(~_~;)
自分での修理は断念。部品交換に変更します。
追加作業は、この時点で他の接続部やハンダ不良とネットワーク部も検査。コンデンサーが容量抜けしていないか確かめます。
■ 修理用品の選定

今回は、スピーカーユニット。ツィーター部の交換となります。
古い機種のため、部品在庫があるか分からないので多くの選択肢を考えました。
大体オーディオ機器の修理には以下の方法が考えられます。
● 修理部品調達候補
1 オークションで同型機を落札する
=場合によっては安上がり。
ただ、それなら最初から動作する製品が手に入るので修理の意味が無い。
2 リサイクルショップやネット通販で中古の同型機が出るのを待つ。
ギャンブルです。普及機の場合は入手の可能性が有りますが、マイナーな機種だと確率が低くあまり現実性がない。
3 自作用部品の類似スピーカーに交換する
=かなり良い方法。上手く行けば、性能向上も望める。
スピーカー自作の御用達と言えばFOSTEX。
リボン型やドーム型。多くの形状とサイズを出しており交換に向いてます。
> 例; FOSTEX フォステクス ドームツィーター PT20K
低価格で買いやすいツィーター。今回のスピーカーに形状がそっくり。
4 DigiFiの付録を使う。
結構良いアイデアと思います。
雑誌DigiFiでは、オーディオ部品の付録があり部品調達には便利な方法です。
ペアで揃うし価格も安い。ついでに本で知識もつきます。
ちょうど、最近の号でスピーカー付録がありました。
> Olasonic製のスーパーツィーター。
ハイレゾ対応。


本来は、スピーカーの上に載せて使う補機です。
薄型なのが特長で、ツィーターの代用としてスピーカー筐体内部への取り付けもし易い。
わたしの友人も修理交換作業に使ってました。さりとて音質での違和感はありませんでした。
・DigiFi(デジファイ)No.19(8cmグラスファイバー振動板本格フルレンジスピーカーユニット特別付録) (別冊ステレオサウンド) ムック – 2015/8/31


8㎝径のフルレンジユニット。
5 純正部品で交換する。
一番簡単です。 マッチングも簡単。
難点は部品在庫と価格。
中古で購入した場合は、部品代が高く付く可能性と古いオーディオ機器だと在庫が無い。
今回は、ツィーター部が6Ωであるため、8Ωが多い自作用部品とDigiFiの付録は落選。
簡単に交換できる純正にしました。
心配なのは10~13年前のスピーカーであり、純正部品の在庫と価格が不安でしたが
幸いにも、調べたところ部品在庫があり、安かったので純正に交換します。
■ 取り付け作業
![[atod][speaker][fix]DSC_1190tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bspeaker5D5Bfix5DDSC_1190tibi-thumbnail2.jpg)
それでは、実際の取り付け作業に入ってみましょう。
部品を週末に注文し翌週には届きました。
部品交換は、プロなら10分と掛からない作業です。初めての人でも1~2時間あれば、かならず出来ると思います。(^o^)
あとお約束ですが自己責任になります。

■ 部品位置や配線の確認と記録
![[atod][speaker][fix]DSC_1192tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bspeaker5D5Bfix5DDSC_1192tibi-thumbnail2.jpg)
交換する前の状態。接続状態をよく見ておきます。
ツィーターの天地方向、配線の極性が大事な所です。
マジックやシールを使い位置や極性をマーキング(印付け)。念のため撮影もしておきます。
実際には、パイオニア製品の場合は、コネクタ部がプラスとマイナス形状が異なっており
またプラス部分が大きくなっていました。まず間違えません。またケーブルにも白線が入っていました。
■ 交換の種類と、必要な部品の準備
ユニットの交換は簡単です。
方法毎に紹介します。
・ 1-1
![[atod][speaker][fix]DSC_1190tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bspeaker5D5Bfix5DDSC_1190tibi-thumbnail2.jpg)
今回は、純正との交換ですのでツィーター台座ごとの交換になります。
~ 中古で同型の部品を手に入れた場合も同じ作業になります。
2-2 社外品と交換する場合

ユニット部分(スピーカー本体)のみを交換するのが一番簡単でしょう。
ツィーターやウーファーのコーン部の開口部だけ合えばいいのでそんなに難しい作業では無い。台座の加工が要らないのでラクチンです。
ツィーターやウーファーの開口部は大きく、奥行きもあるためサイズが合わないと困ることはないはず。ウーファー部を交換する場合は、台座の加工が必要。
1-3 Digi-Fiの付録
雑誌Digi-Fiで、ちょうど付録がスピーカーの号が出ています。
価格は、単体売りの部品と同じくらいで手軽に交換作業に使えます。


一応、部品を入手し確かめたのですが
ツィーターのコーン部サイズはほぼ同じで厚みは薄いので置き換え可能。台座は数㎜小さかった。台座ごと交換する場合はねじ穴を開け直すかスピーカー筐体と台座の隙間の封印が必要でしょう。
■ 仕上げ ~綺麗に配線する
あともう少し。
仕上げで外観が綺麗になるか音質やどうかがほぼ決まります。
適当にネジを占めていくと、微妙にツィーターの位置がずれています。
具体的には、外周のリングの隙間が場所により異なります。もう一度外して、手で押さえながらセンターを合わせました。
■ 固定
コードや部品の固定に便利な用品
・TRUSCO マジックバンド結束テープ 両面 黒 20mm×1.5m MKT2015BK
トラスコ中山(TRUSCO)
マジックバンド。好きな長さに切って使えます。
安物のテープと比べて硬めで強い。貼り直ししてもケバ立ちません。
コードの結束や物の固定に便利でわたしも常備しています。
・TRUSCO 耐熱・耐寒・難燃 プレミアム ビニールテープ ブラック 19mm×20m TMPM1920BK
トラスコ中山(TRUSCO)
耐熱、耐寒のビニールテープ。絶縁も対応。
19㎜幅で定番の大きさです。
結束にも使えるし、熱や劣化で溶けにくい。
他社製品よりもノリ残りが少ないので、最近気に入って使ってます。
・住友スリーエム(3M) スコッチ(R) 超強力両面テープ[耐熱用] 19mm×1.5m KHR-19
配線、留め具の、吸着力を強化したい場合に。
一本、持っておくと便利です。
● テスト
![[lepai ta2020a+ NFJ 9lot]DSC_0734.tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Blepai20ta2020a2B20NFJ209lot5DDSC_0734.tibi-thumbnail2.jpg)
スピーカーケーブルを接続。
アンプを繋ぎテストします。
ここで気を付けなくてはいけないのが、アンプを最小にして電源を入れます。過大入力防止です。
新品部品の場合は、数日掛けて徐々に音量を上げて、スピーカーを慣らすと良いです。
今回はお休みしていたLEPAIのLP-2020A 第9ロットを使いました。ケーブルはモンスターケーブル。
● 作業終了
できあがり。おつかれさまでした。

■ 注意点
今回の場合は、スピーカーの片方だけの部品を交換しましたが、
こだわる場合は、部品をふたつ注文して左右同時に交換するか、もしくは一個を予備にしておくと、故障時の保険になります。古いオーディオ機器で気に入ってる場合は、部品のストックがあると安心ですね。
■ 完成
![[Atod]DSC_1095tibi[fixw10photo].jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5BAtod5DDSC_1095tibi5Bfixw10photo5D-thumbnail2.jpg)
無事に修理できました。
しっかり音も出て、これで使われず可哀想だった状態から、オーディオ機器のレギュラーメンバーに仲間入りです。(*^_^*)

■ 今回使用した機器
■ 更新情報
2018年4月9日 文章調整、HRタグ高さ削除
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