失われた技術 第2回 「ヤマハの”クラスAターボ”搭載アンプ」 試聴会と感想

プリメインアンプ ヤマハ A-750

 古いオーディオ技術と機器の紹介。

  今、オーディオが人気ですが、
カセットやレコードの人気が高まったり、真空管アンプが出たり
古いオーディオ技術が注目され、復活や回帰が起きています。

 今回は、長い歴史をもつヤマハのアンプ。
80年代に作られた「クラスAターボ」技術を搭載したモデルを紹介します。

 実際に稼動させ、音を聞いてみます。
音質や使い勝手。そして関連、クラスAターボ搭載機の購入用リンクや周辺機器も紹介しますね。


■ ヤマハのアンプと クラスA ターボについて


YAMAHA(ヤマハ) プリメインアンプ CA-1000

 現在では、バイクからピアノ、船外機。
幅広く手がける印象があるヤマハは、初めはオルガンの販売から、歴史をスタートさせました。


piano sunlight / mararie


 そして、スピーカで、NS-1000M、NS-10シリーズが、ヒットとなりました。
AVアンプや、スピーカー。パソコン用のスピーカーでも人気が高い時期がありました。

 ヤマハのアンプも、長い歴史があります。
1975年にC-1が発売。40万円する高級プリアンプです。その後DACの搭載やバブル期の高級アンプなど、時代に合わせながら進化。現在も、新型アンプが発売されています。

 面白いのは、価格レンジが広く、最近でも2013年のA-S3000が47万円。エントリーモデルの A-S301が4万円と、多くのモデルを作っています。

 ナカミチやサンスイなど、音響専門メーカーが消え去り、大手家電やAVメーカーが縮小する傾向にあるなか、ヤマハはかなり元気なメーカーです。




● クラス Aターボについて。



 クラスAターボとは、ヤマハのアンプにあった機能。

 1973年にヒット作となったCA-1000で採用された機能が、
パワー部のB級-A級動作切換え。

YAMAHA(ヤマハ) プリメインアンプ CA-1000

 その機能を発展させたのが、クラスAターボ。
83年発売のA950、A750に搭載。

 A級動作と、AB級動作をスイッチで切り替えられるようになりました。

 つまり、アンプの動作点を任意で切り替えられるわけです。


Lancer Turbo 1981 / Hugo-90


 クラスAターボの命名は、おそらく車の過給機構から。
1979年に日本車に初搭載され、ヤマハアンプで「クラスAターボ」が登場する1980年代に小排気量の車で流行していました。 タービンで、空気の密度を圧縮し、高出力を取り出す方式として流行。使われました。

 ヤマハ自体は、車やバイクでは、トヨタに供給していた、ノンターボのNAエンジンなどが有名でしたので少し皮肉に感じます。


AE86 / haru__q

 
 オーディオも車同様趣味性が高い物だった時代。
ヤマハの「クラスAターボ」も車のブームに便乗して命名されたのでしょう。

アンプでの「クラスAターボ」は、音質を高めるために使用されました。




■ 本体解説


 外観や音質について解説




■ YAMAHA A-750 について

プリメインアンプ ヤマハ A-750

先頭の型番がAのみのアンプは、初期は1977年にA-1が発売。
1987年のA-2000aまで作られました。

 A-750は、1983年発売。上級機A-950と同時発売。

 系統としては、省エネを無視したターボ機構を搭載してまで
音の純度を追求したモデルであり、ヤマハとしては気合いが入っていたと思われます。


● 接続環境
 
 友人が、A-750を購入し、聴く機会がありました。
CDプレイヤーとアンプを接続し、チェックしました。

 友人のお家で、
スピーカーは、B&W SOLID Monitorとダリ。
音源は、CD。クラシックやサントラ、ロック。人気のBABY METALなど聴いてみました。

 今回紹介するA-750固有の情報は、
友達が店頭でアンプを物色していたところ「ジャンク品で安いから」と言う理由で買ってきたそうですが、
どうも、メンテナスされてたようで、完動品。問題はなく、中も外も綺麗だったとのこと。







 






■ 外観




 外観はかなり格好いい。
この時期に流行していた、操作ボタンの多いスタイルで、足し算の美学です。

 大きさは、普通のコンポサイズ。縦はやや低い。
目立つ特徴として、何カ所かにインジケーターランプが有り、アクセントになってます。


当時は、アナログからデジタルへの変換期であり、
入力ソース数がやたら多い。

 調整も、高低音の調整、フォノ端子やサブソニックフィルターもあります。
機構も、可変ラウドネスフィルターという、面白い物がついてます。

面白いのは、CDがまだ普及してなかった頃のようで、
デジタル入力のセレクターは、表示名がDAD《digital audio disc》です。


■ 音質


 お楽しみタイム。 試聴の感想。

ダリのZENSOR1とSOLID(B&W)。
それと3Wayの半自作機を使用して試聴しました。

DALI スピーカーシステム  ZENSOR 1 ライトウォールナット ZENSOR1



● ます、標準では? ~ 真面目な優等生サウンド。懐も広い 

 まず、標準のスピーカーでCDを再生してみました。
ロックはマイケルジャクソンのデンジャラス、BABYMETALやクラシックなど。幅広く聴きます。

デンジャラス

 音質は、当時の7~10万クラスのオーディオの音ですね。
音に深みがあり、余裕がある、やや高級な価格帯の音です。

 単一コンポとして販売されているので、上級機などと同様に、ヤマハのNS-1000などに会わせてチューンされていると思われ味付けするタイプのアンプではありません。音の脚色は少なめで、あまり主張はありません。
きまじめな音質ですが、聴きやすい。 優等生タイプです。ややクリアで、明るめの音質。

 このクラスになると、出力があり、音量が9時くらいでもそれなりに大きい音になります。

LIVE AT BUDOKAN~RED NIGHT~(初回生産盤)

 電源部に余裕があるおかげでしょう。
 クラシックやライブ。ポップス、幅広く聴いてみましたが音場は安定。
どんなアルバムでも音が安定しています。クラシックでも変化は少なく、BABYMETALなど複雑な曲構成、楽器が多い曲でも、個々の音を見事に分離させています。曲が盛り上がる部分でも、音は崩れません。ボーカルやドラムの大きな音のなかでも、繊細な音をしっかり再生します。
テッド・ジェンセンがマスタリングした、BABY METALのライブアルバムでも同傾向でした。

 5万以下のアンプが、音が崩れやすいのを考えると、価格なりの上質な音を持ってます。

 全体の感想としては、ヤマハのNS-1000などにあるような、モニター系の音質。
真面目、優等生のサウンドです。

 優雅とまでは生きませんが、安心して聴ける。上級な音です。
脚色を好まない。ストレートで原音指向のかたにお勧めです。




■ クラスAターボを入れて見る ~その実力は?

 さて、今回注目のクラスAターボをオンにしてみました。

「・・・違いは、正直なところ良く分かりません」
声を出して驚くような変化は無いです。(~_~;)

 ただ、良く聴くと音に余裕が出る感じ。
音の消え際でかすれる部分が綺麗になるような気がします。

 もともと、それなりに良い音がするアンプであり、
クラスAターボの恩得が分かりずらかった。


● 気になる所?



 すごいのは発熱。
もともと、アンプと内部回路天板の隙間が殆ど無いため、手をかざすと、凄い熱量です。

 トランスとコンデンサー。そして大きなヒートシンクが中を埋めており
アンプの上部は、全体が暑いです。 夏は、ちょっと使えないのではないでしょうか。
本気で、「やかんを乗せたらお湯を沸かせるレベル」だと思いました。

 音質面や使い勝手で特に気になる所は無いです。

ただ、音量を上げた方が音質が良くなる傾向にありました。




■ 良いところ

 ・デザインが良い
 
  ・余裕有る音。
 ・優等生で、再生する音楽ジャンルを選ばない。


■ 弱点

・暑い。




■ 使いこなし

 入力も豊富。
ABの2系統出力があるので使いやすいアンプです。


■ あとがき ~ おすすめ点など


 オーディオ用途としての音質は、価格相応。

 オーディオに活気がある頃。アンプだとサンスイなどもまだ元気な頃で、
人気価格帯で激戦区、当時の各社の製品群相手では、
A-750は、特色が少ない音色のためちょっと苦戦したんだろうなと思います。

 現在は、中古やオークションでかなり安めに販売されており、
オークションでは、1000~2000円。ショップ販売品で2万円ほど。


 同価格帯の新品アンプよりは断然音が良いです。
初めてのアンプとして使うのにお勧めです。


 総合得点:78点



■ クラスAターボ搭載シリーズ購入用リンク


 販売についてですが現在、基本は中古品の販売です。

● 購入用リンクの使い方 

 商品写真と、横の商品名リンクは、基本としてamazonへのリンクです。
なお、色違いや他の通販サイト、ショップ販売品を見たい場合は、
○○で検索をクリックすると、通販サイト内からの検索結果を表示します。




・ YAMAHA A-750 \73,800(1983年発売)

 今回紹介した機種。
音楽再生に絞ったモデルです。

 在庫は普通。Amazonや楽天にも中古があります。
ネットのショップ取り扱いで、20000円位が相場。






・ YAMAHA A-950 \118,000(1983年発売)

 上位機。
12万円とまずまずの高級機として発売されています。

 フロントの調整ノブ類がパネル内に隠されており、シンプルな外観です。







■ チューナー



■ T-950

 A-750,950と同時登場のチューナー

[在庫無し]



■ T-850

[在庫無し]



■ YAMAHA(ヤマハ) プリメインアンプ CA-1000

YAMAHA(ヤマハ) プリメインアンプ CA-1000
YAMAHA(ヤマハ) プリメインアンプ CA-1000

 ヤマハ初期のヒット作。
A級B級動作切り替えスィツチを備えています。 
全面パネル下段列、スピーカーセレクターの右。

 アルミ全面パネル、ウッドの外装など豪華な雰囲気。







■ 周辺機器


今回紹介した機種に、似合う機器や便利な用品。 



● NS-1000/NS-1000M 1974年

 ヤマハの代表的モデルがNS-1000。
世界初のピュアベリリウム振動板を採用。

 ヤマハがHifiオーディオを展開し初め、アンプを投入した翌年。
広帯域で、正確。明るい音は人気となりました。

 世界で評価される日本スピーカーの先駆けとなり、スウェーデン、フィンランド国営放送が導入。
バリエーションとして、塗装と筐体が上質、サランネットを持つ1000M、コストダウンされた1000があります。

 改良版で型番が異なるNS-2000(1982年)やNS-1000X(1986年)が発売されますが
1000Mは、存在感を発し続け、なんと1997年まで発売される、ロングセラーとなりました。

 ヤマハ製品のリファレンスとしても活躍しており、専用の音質ポジションをもったアンプもありました。
今回紹介したアンプも、おそらく1000系統を使い、チューンされていると思われます。




■ NS-10M PRO 第2世代 1987年

55000円

 10Mの2代目モデル。

 変更は、フェルト=アコースティック・アブソーバーを装着。スピーカーターミナルがプッシュ式から、大径のネジ式に変更。耐入力が向上。また各ユニットの固定ネジが六角ボルトに変更

 後のモデルが、サイズ変更や、防磁、バスレフ型になっていき、変更が多いため
10Mとしては、PROが完成形と言えるモデルです。




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■ 今回試聴に使った機器 


・DALI スピーカーシステム ZENSOR 1




・ROCK SOLID(B&W)




■ 試聴アルバム











■ 更新情報

■ 関連URL、参考サイト

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