Vintage Marantz/JBL Set-Up / Taylor Player
オーディオの趣味を始めると、気になることと言えば「音と費用」。
つまり『どのくらいお金を掛けたら、音質が変わるか?』です。
誰もが思うのが「お金を掛ければいい音になる」。論争もありますが、基本は合っています。
しかし”どのくらいお金を掛けたら良いのか?”と”どのくらい変化するのか?”気になりますね。
今日は、音質とオーディオ機器に掛けるお金の関係を紹介します。
Audio-Technica Headphones / Audio-TechnicaUK
■ オーディオと音質の関係について
Yen bills / Japanexperterna.se
オーディオ機器は、音楽ジャンルや再生環境で音質は大きく変化します。
音源の状態やソースの形式、方式の違いではアナログやデジタル、回路はICやソリッドステート。
無限に近い組み合わせがあると言って良いでしょう。
しかし特殊な例や極端な例を除けば。・・・例えば”詐欺商品”を除けば。
デジタル時代になって価格差は減っているのですが、オーディオ機器の音質と価格が比例します。
ラジカセからミニコンポ、次は単体オーディオ。そして高級オーディオ。費用を掛けるほど音質は上がっていきます。
● 私の意見
わたし個人が思うのは金額にすると、全部で10~20万くらい掛ければ・・・
例えば、6万のスピーカー。4万のアンプ。2万のプレイヤー。これで12万円。
お家やお部屋に招いた、大多数の人がそのオーディオの音を聴いたら、まず「良い音だ」と言う音質になるでしょう。
次にマニアも納得する音の次元。
50万~100万くらいになると別次元の音が出てきます。空気感が感じられるレベルです。
そして、部屋とセッテイングで3~4割くらいは音が変化するでしょう。
Revel喇叭 / 攝眼睛
■ ラジオ 「AVANTI」を参考にすると・・・
Top Shelf / ibm4381
さて音質と価格の比例関係ですが、参考になる話があります。
昔、TFMで放送されていたトーク番組「SUNTORY SATURDAY WAITING BAR」。
各ジャンルの著名人がバーに訪れてする会話を、紳士が聞いている設定の番組です。
そのアバンティで2006年3月18日に「もっと良い音を!」の回で、オーディオの特集がありました。
この回は、当時流行しはじめたアイポッドやカナル型イヤフォン。そして高級オーディオの知識に触れられ面白い回でした。
登場人物のお話に耳を傾けてみましょう。
● あるオーディオ愛好家の興味ある話し。 - 満足曲線
番組の中盤。作家でありオーディオマニアの石田衣良さんがオーディオの経歴を話しています。色んな音楽機器を経由して、放送当時はマークレビンソンのトランスポートをウィルソンオーディオのスピーカーを使用。
石田さんは、トークの中で”音質と価格”に触れています。
「 5万のセットを30~50万にすると違いは誰でも分かる。みんなが”良くなった”と感じると思う。まったく音が違うし雰囲気が変わる、空気感や演奏者の機嫌がわかる。」と価格による音質について語ります。
そして「・・・で、50万のセットを500万にすると、10倍良くなるかと言われると”ならない。” ~せいぜい2倍くらい。 そこから先は値段が上がっても満足の曲線が下がる。 果てしないムダ使いができる」と解説し自嘲しています。
後は、価格だけでなくセッティングの大事さを解説してくれます。
■ まとめ: オーディオ機器の価格と、音質について
FERRARI F50 / Eddy Clio
AVANTIでの、石田さんの話しは『オーディオ機器の価格と音質について』結構わたしが漠然と感じていたことを上手く表現されていると感じました。多くの人に分かりやすく参考になると思います。
例えば、オーディオを車に例えてみますね。
スクーターを乗っても楽しい時期はあるし、高級なフェラーリを買っても乗りこなせれば楽しくない。金食い虫になります。 鈴鹿サーキットでアイルトンセナやバリチェロが軽トラに乗ったら、わたしがレッドブルのF1マシンで走るより速いでしょう。
個人の好みではあるけど、オーディオも同じ。セッテイングや使いこなしも大事だし、使いこなせるレベルがある。
個人の費用対効果と満足度。おサイフが物差しになるわけです。
そして維持管理も視野に入れる必要が有ります。
高級オーディオになると、頑張って買ってもメーカー自体が無くなって修理やメンテができなくなるケースが有ります。この辺りも高級車やクラシックカーに似ています。そして『オーディオ自体は買うだけで終わるのでは無く、気に入った機器を長く使う。』という視野も要ります。
一見、半永久に使えそうですが、ヘッドフォンならパッドやケーブル。スピーカーならコーンやエッジ。アンプなら真空管やコンデンサー。劣化していく部品があります。予期せぬ故障もある。
妥協点をいくらにするかですが、効果に関係無しで際限なくお金を掛けるのでなく、石田さんの話しから効率が良い金額を考えると
思うに『オーディオを楽しむ』には20~30万。
凝る上限としては100万くらいまでで、オーディオ機器を揃え大事に使い、時に機器を差し替えていく。
これが楽しく効率が良い聴き方。楽しみ方と考えます。
■ 更新情報
2019年03月12日 IKG削除
2017年3月2日 文章調整
■ ■ 関連リンク
・リニューアル記念 良い音とは何か? 多くの人が持つ、通用すると思われる「ふたつの定義」