パイオニアの人気スピーカー「S-A4SPTとピュアモルト」解説 +歴史と音質。

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 パイオニアの小型スピーカーで
歴史が長く人気のモデルと言えば「S-A4」シリーズ。


 淘汰の早いオーディオ界で、基本形を変えずに15年以上販売されています。
現在はピュアモルトシリーズとして人気が高い。進化を重ね工芸品の域に近づいた音響機器。

 今回はS-A4SPTシリーズの歴史、そして購入用リンクと便利な周辺機器。
私も、SPTを持ってるので感想も紹介します。


■ パイオニアとS-A4SPT(spirit)シリーズの概要


Pioneer ピュアモルトスピーカー (1台) S-A4SPT-PM

 S-A4シリーズは、パイオニアの小型スピーカー。

 発売から15年以上経ちユニットや筐体素材は変更されていますが、基本形状は変わらない長寿スピーカー。




■ 歴史

2000年に、S-A4の源流となる「S-A」シリーズが発売。
S-Aシリーズは当時のホームシアターブームに合わせ、5.1チャンネルで登場。そしてS-A4クラスのスピーカー「S−A7」が存在しました。ツィーターもケブラーコーンを使い、下部にバスレフポートを装備。

 そして2001年に、初代「S-A4SPT」が発売。 SPTは型番で、名前は「S-A4spirit」。

 Aシリーズの拡張用に作られた小型ブックシェルフスピーカーで、2チャンネル対応も視野に入りました。特長は、天然木無垢板を天板と側面に採用。ユニットはケブラー繊維を使い、解像度と音場再生能力を向上。小型で高音質、そして時代に左右されないデザイン。初代から既に現在のハイレゾに相当するスペックを持ち、小型スピーカーの銘機となりました。



 

● ピュアモルトシリーズ誕生 

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IMG_2792 / hslo


 ピュアモルトシリーズの特長は、サントリーの樽材を使用して、素材と音響面で大きく進化します。 音楽とお酒というと、馴染みやすい組み合わせ。お酒の樽でできた音楽機器なんて楽しいですね。

 パイオニアのWeb連続小説によると、1997年にパイオニアがヒット商品開発の過程で出会った樽材の家具に惚れ込み、樽材のスピーカー試作機を制作。

 ”100年掛けられた素材に永久の命を与える”コンセプトは、サントリー側にも喜ばれ製品化への挑戦が始まります。 しかし木は生き物で、扱いは難しく湿度や塗装への挑戦が続きます。スタッフには「筐体は全部天然素材で作りたい。」信念がありました。ばらつきは接合部を固めず接ぐことで突破。天然木で厳選された素材で風合いが異なる品。そしてパイオニアのプロモデルTADの技術が投入され1998年に発売。

 そして2005年に、S-A4SPTシリーズ改良版である、S-A4SPT PM”ピュアモルト”が登場。

ピュアモルトスピーカーは人気となり、長く販売されます。
国内大手メーカー製機器では珍しく、今だ現役で、S-A4SPT初代から15年、ピュアモルトで10年。スタッフの願いは叶って、息の長いモデルになりました。

hakushu and yamazaki
hakushu and yamazaki / dh




■ S−A4SPTを使った感想と音質


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 友人にS−A4SPT(spirit)を譲って貰ったので紹介。

 

● 外観や大きさ - 小さくて便利

 外観は濃いめの茶色で、上品。部屋に馴染みやすい色。

 大きさはブックシェルフサイズ。
とはいえモニタースピーカーで有名なNS-10Mと比べるともっと小型で、半分くらいの大きさ。本棚や机の上、小さい棚に設置可能。 小柄なのも、人気が高い理由でしょう。

 ツィーターは樹脂製台座に内側で固定され、台座は全面バッフルにネジ止め。ウーファーはケブラー繊維を使い、黄色みが掛かった色。スピーカー端子は金属製でバナナプラグ対応。重さは1本3.5kg。




● 音質 - パイオニアらしい 美しく綺麗な音質

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 全体の音質傾向は、原音再生指向でなく味付けされるスピーカー。

 音質はパイオニアらしい、きらびやかな品のいい音。

 そして筐体のサイズや価格に似合わない、音場の広さと太い音を持つ。
低音は元気が良い。中高域は切れが良く、高音も良く伸びる。2チャンネル音楽用に充分使える「音楽を気持ちよく楽しめる音質」です。

 同価格帯だと樹脂筐体スピーカーが多いが、木製素材を使ったのが聴きやすい音質につながってる。

 再生周波数は60Hz~40kHzと広め。これは初期型発売当時のDVD音声の規格で音声周波数帯域が44kHzが有ったのと、当時のデジタル音声の規格上限が大体48kHzだったのに合わせたのでしょう。現在のハイレゾ規格をクリアする性能。(規格は、DVDでは他に96kHz。DVD-AUDIOでは192kHzも存在した)

 バスレフ型で、位相反転特有の音の厚みと響き。音場は広めでAV用の資質。ツィーターが台座よりやや飛び出して指向性が広い。上下左右方向に試聴ポイントがずれても音がセンターに定位し音像も安定している。
 ウーファーは、ケブラーコーン特有のやや硬めで中域が太め。そして木製筐体の響きが乗ります。ツィーターは良く働いており”キラキラ”として粒立ちが良い。硬くない優しい音。

 サイズは小型ですが、8畳くらいまでの部屋で音楽を楽しむくらいには充分。小音量でも高音が良く出て聴きやすく、音像があまりぼけません。

 モニターには不向きだけど、さまざまな環境や音源を楽しく心地よく、長時間聴ける。


 

■ 使いこなし。 便利な万能選手

 小さな外観から想像するより良い音です。好む人が多そうな音質

 専用品には負けるけれども多彩に活躍できる。一般の日本家庭でAVとピュアオーディオ、ゲーム環境を混在させる場合でもこなせる能力を持つ。 

 インピーダンスは6Ωで、ややアンプにパワーが必要。リアバスレフで音の調整は難しめ。


■ 維持について
 
 長く満足して使える音質と仕上げで、丁寧に扱えば10年~20年はつかえる。実際、私の所有機は15年前の物。

 私の場合は、譲り受けた時点でツィーターが破損していました。修理と清掃に筐体を分解しました。筐体は、スピーカー端子穴とスピーカー穴のみで、手入れは難しめ。中はグラスウールがしっかり詰まってます。ツィーターは、配線部が樹脂で封印されており交換した方が楽です。古いスピーカーですが、今の所はツィーター部品の在庫がある。




■ 感想

 中古で購入するのも良いし、新品で現行のピュアモルトシリーズを買っても満足するでしょう。

 価格から考えれば、かなり良い性能。この価格と音質で、バランスの良いスピーカーはなかなかありません。ライバルだと、ダリのZENSORやJBLのControl1が思いつきます。JBLが雰囲気も愉しめるなら、S-A4はパイオニアらしい『優しくて綺麗な音質、音楽を愉しめる音』。そして元気な低音を持つ。

 音を聴いて長く人気がある理由が分かりました。
パイオニアらしい、聴き疲れしない気持ちいい音、筐体の大きさも扱いやすい。
長く色んな場所で使いやすいスピーカーで、お勧めモデルです。







■ S-A4SPT関連モデルの歴史 + 購入用リンク


  S-A4SPTシリーズの販売情報やデータ。

 各モデルの特長と購入用リンク。
前半は本体。後半は周辺機器や用品を紹介

 ● 購入用リンクの使い方 

商品写真と、横の商品名リンクは基本としてamazonへのリンク。
なお他のネット通販販売品を見たい場合は、
○○で検索をクリックすると、通販サイト内からの検索結果を表示。





■ S-A4SPT 
2001年9月中旬発売 13,800円(1本)

Pioneer 2ウェイスピーカーシステム 防磁設計 S-A4SPT

 初代S-A4spirit。

 先行して登場していたAVスピーカーシリーズを補完する機種。
2チャンネル用機として登場。この時点でS-A4のスタイルは完成してます。天然木筐体とケブラーを使用したウーファーを採用。

 ウーファーは10㎝、ツィーターは2㎝。インピーダンスは6Ω。再生周波数は、60Hz~40kHzと広め。
ピュアモルトと比べると、筐体素材が違うくらい。低価格で買いやすいモデル。

・インピーダンス 6Ω
・再生周波数帯域 60Hz~40kHz
・出力音圧レベル 84dB/W(1m)
・最大入力 100W(JEITA)
・クロスオーバー周波数 3,500Hz




 

■ ピュアモルトスピーカー

 S-A4SPTで現行モデルとなる、ピュアモルトスピーカー。



■ S-A4SPT-PM 
2005年5月16日発売 39,900円/1本 (税抜価格38,000円)

パイオニア Pioneer/ S-A4SPT-PM 【1ペア】 防磁設計ピュアモルトスピーカー

 A4シリーズでは、初のピュアモルトスピーカー。
第1弾、Pioneer S-PM1000(1,000セット限定)、第2弾 1999年3月発売のステレオプリメインアンプ A−D5a−PM、Hi-bit・レガート・リンク・コンバージョン搭載CDプレーヤーPD−HL5−PM各500台限定の次に登場。

特長は、サントリー株式会社とのコラボレーションで、筐体にウイスキー樽材を使用。限定生産だった他モデルと異なり、S-A4SPT-PMではレギュラーモデル化。前代と外観は似ているのですが、部品や設計が大きく手を加えられました。価格も3倍に大幅アップ。

 筐体はライトオークの明るい色。ウイスキーの熟成に半世紀以上使用された固くて堅牢なホワイトオーク使用。グリルネットは2色(濃緑/濃赤)が同梱。

 ウーハーは振動板を素材統一したウーファー。軽量かつ高剛性という優れた性質をもつアラミド繊維をコーンとセンターキャップに使用。色も統一化。ツィーターの外観は、内周に固定用ビスが増加。高域再生限界を拡大したソフトドーム搭載。ボイスコイルに高剛性アルミボビンを採用し、高域再生限界を拡大。さらに磁気ギャップには磁性流体を使用。ソフトドームの滑らかな音質と、透き通るような音場再生を可能にしています。

筐体は無垢板削りだしポート採用。低音の出口ポート部の素材に、筐体と同じオーク材の無垢板を削り込み使用。不要な共振を抑えています。背面は、前モデルではスピーカー端子台座が樹脂製でしたが、PMでは埋め込みに変更。

スペックは据え置きですが、大きく変化した素晴らしいスピーカー。

型式 位相反転式ブックシェルフ型
スピーカー 10cmコーン型ウーファー、2cmドーム型トゥイーター(FADD55-51D)
インピーダンス 6Ω
再生周波数帯域 60~40,000Hz
出力音圧レベル 84dB
最大入力 100W(JEITA)
クロスオーバー周波数 3,500Hz
ユニット極性 低域(+)、高域(+)
外径寸法 154(W)×246(H)×213(D)mm
質量 3.7Kg







■ S-A4SPT-VP 2006年7月11日発売
48,000円/1台 (税抜価格45,715円)

Pioneer ピュアモルトスピーカー (1台) S-A4SPT-VP

 ピュアモルトスピーカー第4弾。
 
 価格は、前代より更に1万円アップ。

 エンクロージャーにウイスキー樽材を使用。
筐体色は濃茶となりました。色はセルティーオーク。焼き入れされた樽の色で、気品のある落ち着いた深いブラウン。初代よりも濃く、パイオニアの上級機で使われるような色。加えてスピーカーとツィーターが黒色となり、落ち着いた外観です。2色(濃緑/濃赤)のグリルネットを同梱。


 
 部品と構造面も変化しました。
エンクロージャーにTAD(Technical Audio Devices)の技術を投入。

 そして厳選した素材を採用。エッジには2005年秋に発売し、同社の高級スピーカーシステム“EXシリーズ”で採用されている素材「ポリカーボネート系発泡ウレタン」採用。軽量かつ、内部損失に優れる。また追従性に優れたTAD伝統のコルゲーション形状を採用。樽材の無垢板削りだしダクトを採用。

 スペックは、周波数帯域の下限が広がりクロスオーバー周波数は上がっています。

 価格は上がったものの、多く進化。パイオニアの長年培った技術と、高品質な素材が使われてます。
小型モデルでは究極となっており、10年以上も発売されるロングセラーとなりました。


型式 位相反転式、ブックシェルフ型
スピーカー 10 cmコーン型ウーファー、2 cmドーム型トゥイーター
インピーダンス 6 Ω
再生周波数帯域 50 Hz~40 000 Hz
出力音圧レベル 84 dB
最大入力 100 W(JEITA)
クロスオーバー周波数 4 500 Hz
ユニット極性 低域(+)、高域(+)
外形寸法 154 mm(W)× 246 mm(H)× 213 mm(D)
質量 3.7 kg







■ 関連モデル


・S-PM300



 ピュアモルトスピーカーのトールボーイモデル。
10㎝ウーファーが二つ。

ドライバーが追加された事による、定在波を消すためにABD(Acoustic Balance Drive)テクノロジーを採用。ユニットを支えるフレームには新開発のアルミダイキャストフレームを採用




■ アクセサリー


 便利な周辺機器を紹介。

 
・ピュアモルト オーディオラック
B-PM1000

[生産終了]



 

■ お酒。

 ピュアモルトスピーカーを作った サントリーのお酒をどうぞ。
A4ピュアモルトの年齢に近い12年物。

・サントリー ピュアモルト 山崎 12年



・サントリー シングルモルト 山崎12年 700ml 専用カートン入






■ その他

・パイオニア 2015年単体オーディオ特集 [特長と購入用リンク]
http://analog-to-digital.seesaa.net/article/420036325.html


■ 更新情報

2019年7月2日 KRB lady-n用タグを修正
2017年06月15日 文章整理、改行を詰める。画像位置調整
2016年12月08日 ヤフオクリンク削除、文章修正
2016年11月17日 KRB:楽天リンク修正 4ヶ所、手動修復
2016年11月07日 S-A4SPTのKRBリンクを追加。 音質について追加、文章修正


■ 関連 参考サイト

・パイオニア ピュアモルトスピーカー
 http://pioneer-audiovisual.com/components/sp_sys/puremalt/lineup/

>プレスリリース

>2000年 6月 5日 ~新次元オーディオへのいざない。迫力と臨場感で新たな感動の世界へ~ ホームシアター&ホームコンサートホールを実現する高性能スピーカーシステム「Aシリーズ」3機種を新発売
http://pioneer.jp/corp/news/press/index/603

>2001年 8月 8日 ~映画館、コンサートホールの臨場感をご家庭に~ 美しい天然木仕上げのスピーカーシステム「Aシリーズ」2機種を新発売。小型・高性能のブックシェルフ型スピーカーシステム「S−A4spirit」、DVDオーディオ対応の高品位パワードサブウーファー「S−W6」
http://pioneer.jp/corp/news/press/2001/0808-1.html


>2005年 5月 16日  パイオニア株式会社 樹齢100年超、ウイスキー熟成に半世紀以上使われた樽材で作るスピーカー
ピュアモルトスピーカー 新発売。~樽材の特性を生かした豊かな音の再現~
http://pioneer.jp/corp/news/press/index/217/


>2006年 7月 11日 樹齢100年超、ウイスキー熟成に50年以上使われた樽材で作るスピーカー
ビンテージピュアモルトスピーカー 新発売 ~TADのプロフェショナル技術を投入し、豊かな音場感のある音楽再生を実現~
http://pioneer.jp/corp/news/press/index/132


■ 関連記事

パイオニア 2015年単体オーディオ特集 [特長と購入用リンク]

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