
今回紹介するのは、
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
日本小説が原作で主演がトム・クルーズ。人気の高い作品です。最近はHuluでも視聴できますし、地上波でも放送され観た人が多いと思います。
さて作品はSFアクションでタイムリープ(時間跳躍)もの。話が分からない&オチが分からない人も多いでしょう。
今回は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の不可解な部分、オチやラストシーンの解説。
一度見て、分からない方向けです。多分こうだろうというオチを仮説と推測しました。ネタバレと謎やオチ解説ですので、知りたくない方は見ちゃダメです。
■ はじめに 『オール・ユー・ニード・イズ・キル 』とは

2014年の映画。
アメリカでは原題: Edge of Tomorrow、別題: Live Die Repeat。 日本題では原作のライトノベル『All You Need Is Kill』に合わせて公開。
オール・ユー・ニード・イズ・キルの意味は、殺しこそが任務。
■ 映画のあらすじ
映画のジャンルは、SF戦争アクション。
謎の生命体”ギタイ”に攻撃を受けている地球が舞台。作品の大きな要素にタイムリープ(時間跳躍)があります。
主人公はウィリアム・ケイジ(トムクルーズ)。軍広報担当で少佐。ヨーロッパに派遣された際に現地将軍の反感を買い、最前線に投入される。そして戦闘で敵の”α”と呼ばれるギタイの血を浴び、タイムリープ能力を獲得。死ぬ度に前日に戻る。
リープを繰りかえす途中で、戦場で英雄視されるリタ(エミリー・ブラント)と出会い敵殲滅の方法を共に探す。「どうやって敵を殲滅するか、タイムループから抜け出すか」が見所。

■ 謎解きと解説

分かりにくい部分をエピソード順に紹介。解説します。
■ 謎1 なぜ希少なαが最前線にいたのか

まずケイジが最初にαと遭遇し、能力を獲得する。
ここで起きる疑問は『なぜ希少なαが最前線にいたのか?』。
これは未だギタイ側に余裕があったのでしょう。理由は血液を浴びて能力が人類側に移る可能性は極小、もしくは処理できる自信が有る。
Ωの近くにいると、Ωが先にやられる可能性があるので、αは最前線で戦況を見てた。
■ 謎2 なぜラストにケイジがタイムリープできたのか。

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一番の謎。
なぜケイジが終盤のルーブル美術館地下の戦闘後に、タイムリープできたか? ギタイの能力と最後の状況を推測する。
■ 前提 ラスト2体のギタイが持つ能力を考える
ギタイが持つ能力を推測と仮定してみます。
仮定ですが、Ωの意識自体も転送されている設定だと思いました。理由ですが、主人公が終盤のルーブル美術館地下の戦闘で、最後に敵中枢”Ω”の血を浴びタイムリープする。
ここで誰もが疑問を持つでしょう。タイムリープの能力を持つのは青いギタイ”α”の血。 ~ 冷静に考えるとΩの血はタイムリープ能力の源では無い。 しかし映画では過去へ転送されている。つまりΩの意識も転送されている証拠です。
それぞれの特徴を詳しく考えます。
・ 青いギタイ、αの持つ能力と法則。
タイムリープを発動させる能力。
・ 敵の中枢部”Ω”の能力。
ケイジは人間なので意識と身体がセットで時間跳躍する。 しかしギタイ種族は全体で一個の生命体に近い存在で意識を共有する。意識が共有できる証拠として、『Ωがケイジに幻覚を見せて、ミスリードする』エピソードがある。
そして重要なΩとαは対となる、もしくは意識が共有されてる。 そしてαとΩの意識もタイムリープの対象で『危機に瀕した際に、頭脳に相当するΩの意識を過去に転送している』。 従来の戦闘は、Ωが危機になるかなり前の段階。αの死亡でタイムリープを発動させており、Ω自体が攻撃を受け死亡した経験が無いので通用している。
■ ギタイが壊滅した理由

LouvrePyramid05f / midorisyu
前項目で仮定したギタイが持つ特性を踏まえて、最後の戦闘状態を推理する。
ラストでギタイ側が想定外だったのは、ケイジがΩの能力を獲得したこと。
・ ラストで、主人公が獲得した能力とΩの状態
ラストでケイジが獲得する能力。
これは今までのタイムリープ能力ではなく『Ωのタイムリープ対象となる属性だった』と考えるとオチと繋がる。
状況: 手榴弾でΩを爆破。Ωの血をケイジが浴びる。
→ ケイジがΩの能力を得る。 → Ωは血液を失って死亡、もしくは死亡した意識が転送。 →ケイジは無事タイムリープ成功。
■ 最後のタイムリープ発動のタイミング
次はタイムリープを発動する引き金。仮定A,Bが考えられる
仮定A:『 Ωが死亡した際、αが連鎖してタイムリープを行う 』
仮定B:『 αによって任意の発動もできる 』
・ 最後のタイムリープのきっかけ 仮定A :「Ωが死んで連鎖してαが死亡。Ωが自動で転送された。」
αが死ぬと、自動でΩを過去に転送する。しかし既にΩは死亡しており能力がケイジに移行している。
→ Ωを過去に送る。 しかし既にΩは手榴弾で破壊され、死にかけもしくは死亡している。
→ Ωは転送先で記憶を受け取れない、もしくは記憶を再構築したが直ぐに死亡等が考えられる。パソコンだと転送元から空データや破壊されたデータを、転送先のハードディスクに上書きしたような感じ。
→ ギタイ種族の脳に相当するΩが死んだため、連鎖してギタイ全体が壊滅。= ニュースで「いきなりギタイが壊滅した」と放送されている。
・ 仮定B:「αが任意で、Ωを転送した。」
最後のタイムリープを”αが発動した”パターン。
Ωがケイジに襲撃を受け、危ないと察したαが自殺等でタイムリープを発動。
~ 後は仮定Bと同じ。 過去にギタイは転送されたが、Ωが死亡したので連鎖してギタイ全体が崩壊。
● ギタイ壊滅の答え
ギタイの壊滅理由は ”構成する能力を無くしたΩを過去に転送した”から。
■ 『ギタイ壊滅とケイジが目覚める時間がずれている』のはなぜか?

Houses of Parliament / b.donaghey
考えられるのは『単にタイムリープ先の対象時間が、ギタイと主人公ケイジでずれている』
ギタイがタイムリープする時間の基本は”気絶や睡眠など対象が覚醒してない状態へ巻き戻される”のがルール。
例: 作品の序盤で、将軍のSP(護衛)にケイジがスタンガンを受けて気絶していた時へタイムループしていた。
従来はケイジの死に伴いタイムリープが発動していたが、ラストは[Ω死亡で発動されたタイムリープ]です。
これにより『Ωはケイジの目覚める前日に転送』、『 ケイジは直近の覚醒してない時間へ転送される。』
つまりケイジの場合はヘリで眠っていた時間に相当した。
・・・ただし、実際には制作の都合が大きいと思われる。将軍とトラブルになる前に戻る方が主人公に利点が多い。ラストをハッピーエンドにするためです。
■ もう一つの解釈 ~ 夢オチだった。

誰もが考えるのはこれでしょう。「夢オチ」どんな無茶な展開でも整合性がとれる禁断の手法。
妙に不自然な点もこれで解決。ケイジが冒頭でいきなり左遷や拘束される、将軍が博士の機械を持ってる等にも説明がつく。 映画”トータルリコール”みたいに、ほとんど妄想だったとか、リタが好きすぎて夢で妄想した。
■ オチ解説
色々と推測しましたが、アメリカ人は日本の映画で多いバッドエンドを嫌い、ハッピーエンドを好みます。
オール・ユー・ニード・イズ・キルは、シンプルに「皆生きてて良かったね!」というオチでしょう。 ルーブル美術館突入作戦でΩを倒した時点で戦闘は終結してますが、冷静に考えれば主人公に協力したメンバーは全滅しており余りにも後味が悪い。
そこで楽しいエンディングになるように、もう一ひねり加えてタイムリープを使った。ボーイミーツガールの楽しいオチです😃
気になるのはケイジの異能力ですが
ラストのケイジはタイムリープ対象としての能力を持っているだけであり、Ωもαも滅んだので今後タイムリープは無いのでしょう。これならケイジがタイムループの呪縛から抜け出すこともできる😊
■ 映画の感想
映画自体はアクション部分も多いし、なによりトム・クルーズがパワーアップしていく様が楽しい映画。
観終わって思うのが、説明不足のシーンがあるし 続編がありそうですね。(*^_^*)

・ 注意点
今回の解説は仮説です。冷静に考えると作品やわたしの仮説に、疑問やツッコミどころはたくさんあります。 しかしフィクションに突っ込んでも際限無いのでやめておきます。
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■ 映画
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■ 書籍
・All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫) 文庫 – 2004/12/18
桜坂 洋 (著), 安倍 吉俊 (イラスト)
原作。
イラストは安倍吉俊さん。
・All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)2014/6/19
小畑 健、 竹内 良輔
ペーパーバック
小畑さんによるマンガ版。
小畑さんはデスノートやヒカルの碁が有名ですが、もともと「CYBORGじいちゃんG」で経歴をスタートさせておりSFは得意そう。
■ あとがき
わたしは友達に推されて見ました。
トムクルーズファンの妹も絶賛しており、かなり面白い映画です。
トムクルーズは、面白い映画ばかり作りますね。(*^_^*)
■ 更新情報
2017年9月23日 文章調整、疑問や雑学を追記に移動
2017年5月20日 文章整理、分かりにくい部分を項目にした。αとΩをカタカナから記号にした。
2016年9月3日 作成
■ 参考、関連サイト
公式 オール・ユー・ニード・イズ・キル