
小田和正の新作アルバム『あの日あの時』が発売されました。
現在ネット通販のアルバム売り上げでは一位になっており、話題・注目の作品です。
反面、企画もの作品であり、小田和正やオフコースのファンが久しぶりに聴きたい場合に、内容が気になる方も多いではないでしょうか。
今回は、アルバム『あの日あの時』の内容や実際に聴いた感想を紹介します。

生田緑地 / Kentaro Ohno
■ 小田和正の『あの日あの時』について。
新アルバム 「あの日あの時」は、2016年4月20日に発売。
レーベルはアリオラジャパン。アリオラジャパンでは初のベスト、小田和正としては5作目のベストとなる。
アルバムの仕様は ディスク3枚組で初回仕様の在庫がなくなり次第、通常盤に切り替わる。
● アルバムの構成、収録曲について
扱う曲は、オフコース時代から小田和正のソロ曲まで。
アルバムの概要だが、メーカーや通販サイト紹介では”オールタイムベスト”と宣伝されており「既発曲を集めた物やリマスター?」と思ってしまうが、違います。
『あの日あのとき』の内容は、オフコース時代の曲に関しては、小田和正による既発のセルフカバーや手直ししたものが占める。今までのリメイクやベスト物であるアルバム『LOOKING BACK』や『自己ベスト』等での既発曲のような物といえば分かりやすいでしょうか。 つまり小田和正の関わった曲を、現在のサウンドに構築して提供されている。
■ アルバムの構成と収録内容
曲の順番は、原曲の発売順。
アルバム一枚目は、オフコース時代の有名曲がずらりと並ぶ。
前半はアレンジやリミックスが強すぎると感じた。大部分の曲が小田和正風にかなり変えられている、もしくはアコースティック調のアレンジ曲の割合が多い。 またオフコース時代のような繊細な歌い方でない場合が多く、活舌よく歌う部分が気になる。 他にも疑似ライブ録音風にされている曲はひねり過ぎに感じた。 彩りや変化は有るが、まとまりが無いですね。
良い曲を挙げると「愛を止めないで」は原曲の雰囲気を保ちながら、今風に消化されている。
[DISC:1]
1. 僕の贈りもの
2. 眠れぬ夜
3. 秋の気配
4. 夏の終り
5. 愛を止めないで
6. さよなら
7. 生まれ来る子供たちのために
8. Yes-No
9. 時に愛は
10. 心はなれて
11. 言葉にできない
12. I LOVE YOU
13. YES-YES-YES
14. 緑の日々
15. たそがれ
16. 君住む街へ
[DISC:2]
2枚目が1985年から2002年まで。小田和正ソロ時代の曲。
1. 哀しみを、そのまゝ
2. between the word & the heart-言葉と心-
3. 恋は大騒ぎ
4. ラブ・ストーリーは突然に
5. Oh! Yeah!
6. そのままの 君が好き
7. いつか どこかで
8. 風と君を待つだけ
9. 風の坂道
10. それとも二人
11. my home town
12. 真夏の恋
13. 伝えたいことがあるんだ
14. 緑の街
15. woh woh
16. the flag
17. キラキラ
[DISC:3]
3枚目が2005年から今年まで。
1. たしかなこと
2. 大好きな君に
3. 明日
4. 風のようにうたが流れていた
5. ダイジョウブ
6. こころ
7. 今日も どこかで
8. さよならは 言わない
9. グッバイ
10. やさしい雨
11. 東京の空
12. その日が来るまで
13. 愛になる
14. そんなことより 幸せになろう
15. やさしい夜
16. wonderful life
17. 風は止んだ
● 感想
オフコースや小田和正作品はファンならご存じのように、アルバムで企画ものやベスト盤が異様に多い。 小田和正時代になっても、スタジオアルバムが9作に大して、ベストなどの”企画もの”は同数の9作品もある。
それゆえ、今作『あの日あの時』に対しても厳しい目で見ざるを得ません。
まず前置きですが私はオフコース時代の原曲が好みです。初期は繊細なメロディー。中~後期はシンセサイザーを使い、緊張感のあるサウンドと音作りが気に入ってます。 余白の美しさが際立つ、シンプルな音で研ぎ澄まされている。 例えば古いアルバムで『NEXT』の「僕らがいた」など鼓動のようなリズムから高まっていく音楽の緊張感が、いまでも格好いいと感心してるファンです。
今回の新作ではオフコース時代の曲が、どのようにアレンジされるかかなり気になってました。
『あの日あのとき』全体の感想は、一言でいえば2016年の小田和正が作った自己曲のベストですね。~小田和正色に完全に染まっている。 彼の固定ファンには嬉しいでしょう。しかしオフコース時代の曲に期待する,原曲のサウンドが好きな方には強くはお勧めできません。 つまり『オフコース時代の曲が新録音で音質が向上しているのか、どのようなアレンジがされているかを想像し期待される方』には向いてない。小田和正風の曲か、アコースティック調の曲が大半を占めている。
オフコース時代の曲を聞きたいのでしたら、オフコース自体のベスト盤をお勧めします。例えば『ever』はハイレゾ版が発売されているので新鮮味があるでしょう。
とはいっても『あの日あの時』は、単なる寄せ集めで出しただけのアルバムでは無く手がこんでいる。小田和正が現時点で選ぶベストで、ディスク3枚もある大ボリューム。小田和正のファンや興味があるかたには嬉しい,お勧めのアルバムです。そして音質が良くて全体に揃っている。
BGMとして聞き流せる良いアルバムです。発売順に並べただけなのにバランスがいいのと、スローテンポの落ち着く曲が多い。
惜しいのは普段からリメイク物の発売数を抑え気味にしていたら、私ももっと高評価に出来たし そう思うファンの方が多いのでは無いか?と思いました。
感想:72点!
■ 購入用リンク
現在発売されている媒体を紹介。
● 購入用リンクの使い方
商品写真と、横の商品名リンクは、基本としてamazonへのリンクです。
なお他のネット通販販売品を見たい場合は、
○○で検索をクリックすると、通販サイト内からの検索結果を表示します。
■ CD
アルバムの仕様は、 ディスク3枚組で初回仕様のみデジパック仕様 + 特製ギターピック封入。初回仕様の在庫がなくなり次第、通常盤に切り替わる。
■ MP3
アルバムや、単曲単位の購入が出来ます。
■ ちょっと後書き
小田和正さんも、もう68歳。いまだ現役で活躍するトップアーティスト。
これからも期待してます。
そして、いつかメンバーが結集して本当のベストが出たら 嬉しいです。 (*^_^*)
■ 更新情報
2019年6月13日 文章調整 KRB lady-n用タグを修正
2016年12月27日 文章調整
2016年4月18日 DVDの感想を追記
■ 参考、関連サイト
・小田和正公式
Amazon 小田和正のページ
この記事へのコメント
こゆき
アレンジが全く無理でした、秋の気配、眠れぬ夜、愛を止めないでなど結局オフコースの頃のアルバムを出してきて聴いてます。
コーラスや音源がやはり懐かしくてあの頃を思い出します。
めぐる季節、こころは気紛れなど最高ですね。
どうしても感想言いたくて、突然失礼しまm(_ _)m
A to D: AI
感想ありがとうございます♪
そうですね。オフコース時代の曲は、
音が少なくても、響きが良く研ぎ澄まされ、
シンプルで印象に残るイントロから、徐々に高まる上昇感があります。
そして、コーラスや楽器の響きが美しい。
作品の完成度が高く、引き算や足し算が絶妙で、
新録してもバランスが崩れるのではないでしょうか。当時のメンバーの才能が凄かったと感じます。
聴いていた頃の感情と、重ねやすい繊細な作りもオフコースの強みですよね。時代を超えた、魅力があります。