
日本の音響機器製造メーカーで歴史が長いのがFORSTER。
そのフォースターが作るプロ用ヘッドフォンの旗艦機がT50RPです。
海外では評価が高いモデルですが、国内では情報が少なく気になる方も多いのではないでしょうか?
今回はT50RPシリーズ歴史と最新モデルの購入用リンク、便利な周辺機器を紹介します。
■ FOSTEXと、T50RPmk3n,gについて
![[atod][fostex_t20rpmk2n]DSC_1004.tibi.jpg](https://analog-to-digital.up.seesaa.net/my_pic/5Batod5D5Bfostex_t20rpmk2n5DDSC_1004.tibi-thumbnail2.jpg)
FOSTERは日本の音響メーカーの老舗で特にスピーカーが強いメーカー。
ソニーのヒット作で躍進のきっかけとなるトランジスタラジオ”TR55”のスピーカーを作り、薄型化に貢献した。
その後も国内外の大手家電メーカーのスピーカーを製造しソニー、ヤマハ、デノン、ノキア、Beats、ゼンハイザー。アップルの、携帯機器iPhoneやIPodのヘッドフォンを作ってます。また車載スピーカーの取扱いも世界10%とかなり大きな会社。
FOSTEXは販売用の自社ブランド。自作スピーカーが有名だが、最近では小型アンプやDACなど幅広く販売を初めて人気が有ります。

FOSTEX PC100USB-HR / othree
■ T50シリーズの特長

T50RPはスタジオモニターでプロ用機器。
現行のT50RPはFOSTEXのモニターヘッドフォン特有の形状。外観はヘッドバンド部と2本の保持用ハンガー構成。一目で分かる外観をしています。T20、40、50の違いは密閉方式のみ。
フォステクスヘッドフォンの中でRP搭載機は「RPシリーズ」と呼ばれT50も含まれる。RPシリーズの大きな特長がドライバー。“RP”(Regular Phase:全面駆動型)方式の平面振動板を採用。フォステクスはRPで20以上の国際特許を持ちマイクやヘッドフォンに使っています。
RPシリーズの場合 簡単に言うとユニットが平面スピーカー。振動板の後ろにマグネットがコイルを挟む形で搭載。ダイナミック型のコイルに相当するプリント(印刷)コイルに電流を流すことで駆動する独特の形式。 従来のダイナミック型より音の乱れが少なく追従性が高いのが特長。
● 世界の有名アーティストも使った。
高耐久性も強み。
現行のT50RPの外観や構造は、T20RPから派生し2000年代から登場。元となるT20はアーティストにも使われたモデル。
例えばマイケルジャクソンは大音量で音楽を聴かれる方で、ウェストレイクスタジオでモニタースピーカーを発火させたりしたそうですが 海外サイトのmjfranceのマイケルスレッドによると モニターヘッドフォンでもマイケルは大音量で聴くため、次々に破壊していたそうです。AKGやゼンハイザーを試したけどダメ。煙をふいて壊れる。 そこで解決策はFOSTEXのT20となりました。マイケルが求めるサウンド。ボリュームに耐えたのです、
他のエピソードとしては、著名アーティストが結集した「We are the world」のPVで、レイチャールズやスティビー・ワンダーがT20を使っています。
● 改造対象として人気
FOSTEX RPシリーズは、ロングセラー機で、かつ買いやすい価格。構造も簡単であり改造の対象としても人気が高い 海外ではRPシリーズを改造する情報交換サイトも賑わってます。T50RPは特に人気が高く、ショップなどで改造されたMOD(改造)版が販売されています。
・Fostex T50RP modding demonstration(ファンによる改造、行程解説)
■ T50とT50RPシリーズの歴史
国内サイトや公式でもしっかりした情報が少ないが、T50は海外で情報が多くある。拾い集めてまとめてみました。T20の歴史は別記事で紹介してますので、今回はT50シリーズに絞った。
T50は、大体10年ごとに新型へ更新されています。
■ 参考: ネット通販各社 購入用リンク
各モデルの特長と購入用リンクを紹介。
前半は本体。後半は周辺機器や用品。
● 購入用リンクの使い方
商品写真と横の商品名リンクは、基本としてamazonへのリンク。
なお他のネット通販販売品を見たい場合は、
○○で検索をクリックすると、通販サイト内からの検索結果を表示します。
● T50 第0~1世代 (海外愛称:T50v0、V1)1974~?
当時のフォースターは、通常のダイナミック型から次にコンデンサー型のヘッドフォンを発売していた。
そして1974年。フォステクスブランドで先陣を切って発売されたのがT50。販売価格は14000円。
翌年から他にT10,T20、T30を用意。T50とT30が兄弟モデルで下位に属するT20系と異なる形状を持ちます。この年からT50のヘッドバンドも変更され、T30と部品が共用された模様。
T50はオープンバックヘッドホン。革パッド(合皮製)が採用。現行機との違いは、ハンガーの形状が異なりユニットは丸くてカップも平面で丸い。シースで覆われたコードは左右ユニット根本につきます。
ユニットの構成はなかなか豪華。6センチの大型ドライバ、マグネット後方にミネラルウール。ドライバは他社と違い、円形で蛇行パターンのアルミボイスコイルを持ち異方性サマリウムコバルトの棒状マグネットを持つのが特長。WikiPhoneaによると、北米で販売され初めた1978年のラインナップで、T20,T30は静電ヘッドフォンユーザー向けにアピールするために設計され、当時STAXの最高モデルSR-X Mk 3の音を追ったようで、かなり成功しているようです。米国では250~300ドルの価格で販売。
現在から見てもかなり凝っており、なおかつ独自の技術が投入されている。
● T50 第2世代(海外愛称:T50 v2)1980年代
80年のT50はパッド入りのプラスチック製のヘッドバンド、レタリングの違い、わずかに異なるボイスコイルパターンを持つ。
90年代はT50は休眠期となり下位モデルにバトンを渡します。T20RPが発売され、人気となります。そして90年代は、T40RPが発売。
■ RPシリーズ
型番にRPが付加されたモデル
● RP 第1~2世代 T50RP (海外愛称:T50RP V2~V3)

2002年にT50RPとして新生。T20や40のバリエーションとして投入。
1986年にT20とT40で、導入された形状の筐体が採用され、セミオープン型となる。外観の特長として金色のハンガーが採用された。注目は2015年まで使われる新ユニットの初搭載機となりました。高耐熱ポリイミドフィルムをベース材に、従来のアルミから変わり、銅箔エッチングを施したフォステクス独自の新開発RP振動板を搭載。第一世代は、軽量で厚いイヤーパッドを持ちます。
高価でプロ向けモデルだったT50v1,V2に比べ、動作原理を保ちながら価格を抑え、高度なドライバーと簡単に入手できる二つの美徳を備えることに成功しました。
2007年にはRP第2世代となるが、他モデルのように型番は変わっていない。イヤパッドが変更され音響特性がフラットになりました。
手軽な価格で高音質。T50RPは米国でも人気が有り、米国のAmazonや各種ショッピングサイトやAV機器比較サイトや掲示板で、非常に評価が高いモデルです。また改造対象として人気が有り、パッドの追加用品が売れていたり、カップ内部の防振や制振も行われ賑わってます。
米国で74ドル~100ドルで販売。セミオープンはやや人気がないようでT20,40より実売価格が20ドルほど安め。国内では販売終了。
● 現行機 第3世代 T50RPmk3n (海外名:T50RPmk3)

今年ついにT50RPmk3となり第3世代に進化。。
外観の変更やチューニングなどで、うまく現代に適応させたモデル。RPシリーズのファンや改造好き。新しくRPを購入するにも嬉しいモデル。
T20と40も同時に新型へ更新。海外ではイギリスで8月4日に発売。
公式のスペックを見る限り、外観や価格は共通で、筐体の密閉方式とパッドだけが違い。
T50は引きつづき、セミオープン(T50RPmk3)。 他は、オープン(T20RPmk3)、クローズ(T40RPmk3)となります。
現時点、海外の公式サイトでスペックを見る限りT20と50の性能は同じ。価格は共通。UKで115ユーロ。15,140 円くらい。

外観はかなり格好良くなった。全体は黒がベースとなり、エッジが効いているRPによく似合って精悍。バンドにFOSTEXのレタリング。コードはオレンジでアクセントになってます。

ヘッドバンドは合皮になり装着感が向上。ユニットのパッド部はオンイヤータイプ。素材に低反発ウレタンを使った高級イヤーパッドを採用。
音質面はチューニングされ、前世代となるT20RPmk2やT40RPmk2よりも周波数特性の波形が滑らかになっており、T20RPである、3k~5khZ辺りの落ち込みが少ない。 50RPmk3は綺麗なカマボコ型の波形に近づいています。
脱着式のケーブル構造は継承。 ただ付属品が増え、時流に対応してます。
接続ケーブルが2種用意。1メートルのミニステレオケーブルが追加され、使い勝手が向上。
付属品: Φ6.3mmステレオフォーン・ケーブル(3m)、Φ3.5mmステレオミニフォーン・ケーブル(1.2m)
再生周波数帯域 : 15Hz~35kHz
インピーダンス : 50Ω
感度 : 92dB/mW
最大入力 : 3,000mW
> 国内販売モデル。T50RPmk3n
2015年9月11日発表。
違いは、販売型番にnが付加される。単に国内販売用の型番と思われる。
価格は2万円+消費税
・FOSTEX ヘッドホン T50RPmk3g

2017年7月発売。
マイナーチェンジモデルでヘッドフォンケーブルが金メッキとなり、 旧型で弱点の接触不良が改善された。
価格は据え置き。標準価格¥20,000+消費税


■ アクセサリー
便利な周辺機器を紹介します。
■ リケーブル
● 純正
・ ET-RP1.2
Mk3シリーズに付属するケーブル。赤で格好いい。
ヘッドフォンと機器側がミニジャックでL型、金メッキされている。そして純正と同じくロック用の爪がある。
ケーブルは柔らかめ。利点は純正の黒タイプより接触不良が減る。音質は普通で価格相応。
・ ET-RP3.0
Mk3シリーズに付属するケーブル。
オーディオ機器側が標準プラグ用です。
・TM110B
別売のミニ・フォーン・プラグ(1m)
T20RPmk2n/T40RPmk2n/T50RP用として発売され、現在は在庫が減少している。
・フォステクスRPヘッドホンT20RPmk2n/T40RPmk2n/T50RP用付属の標準ヘッドホン・ケーブル。
[売り切れ]
● 社外品
・audio-technica GOLD LINK Fine オーディオケーブル ステレオミニ 1.0m AT544A
オーディオテクニカ製。チタン配合シース、OBDアダプター線材使用
1m、1.5m、3mがあります。
・MOGAMI 2893 ステレオミニケーブル
抑えめの価格。長さも10cm~5mまで豊富に用意されています。
端子は金メッキ。ケーブルはMOGAMI2893使用。
・オヤイデ電気 oyaide HPC-MSL(ケーブル長 1.2m)
オヤイデ製ケーブルの中では、価格が安め。
・MONSTER CABLE AI 800 MINI-3 ケーブル
モンスターケーブル
安いのですが、ケーブル根元の構造が弱め。購入者のレビューで断線が多いようです。
参考に紹介しておきますね。
■ ヘッドフォンアダプタ
・ソニー ステレオミニプラグ⇔ステレオミニジャック PC-L42S
最近はめずらしくなったL型変換プラグ。大手メーカー製ではソニー製があります。
私も使ってます。
・audio-technica GOLD LINK Fine プラグアダプター ステレオ標準 - ステレオミニ AT519CS
オーディオテクニカ
標準プラグをミニジャックに変換。
● イヤーパッド
・フォステクス EX-EP-RPmk3 RPヘッドホン用交換イヤー・パッド(ペア)
MK3シリーズ用パッド。
対応機種 : T20RPmk3n/T40RPmk3n/T50RPmk3n
入り数 : 2枚1組
・FOSTEX(フォステクス) T-40RPMK2n/T50RP-EARPAD用イヤーパット T-40RPMK2n/T50RP-EARPAD【2個1組】
・【国内正規品】SHURE SRH840交換用 イヤーパッド(ペア) HPAEC840
海外のT20RPを改造している比較サイトのデータを見ると
このパッドが、T20RPの音響特性を上手く抑えて、周波数特性が一番フラットに近づいているようです。
私も、購入したら追記しますね。
・mimimamo スーパーストレッチヘッドホンカバー L
T20対応。
イヤーパッドのカバー。
保護と、夏場に蒸れ防止にも使え、洗うことも可能
カラーも豊富で着せ替えが楽しめます。
直径:約90mm 厚さ:約0.5mm、本体:テンセル 89%、ポリウレタン11% ゴム:ナイロン89%、ポリウレタン11%
抗菌・防臭加工(SEK認証番号 288Z14)
■ まとめ
海外でかなり人気が高いT50RPシリーズ。
Mk3が登場し、海外ファンの盛り上がりと日本での人気がどうなるか楽しみです。
新しい情報や周辺機器が出たら記事を書きますね。
■ 更新情報
2019年7月2日 KRB lady-n用タグを修正
2019年6月1日 純正ケーブル追加、文章調整
2019年03月12日 IKG削除
2017年07月26日 T50RPmk3g追加 ヤフオクリンク削除、文章調整、区切り追加、イヤーパッド追加
2015年11月20日 周辺機器追加
◆ 注意点
文章を分かりやすくするため、敬称を省いてる場合が有ります。
■ 関連 参考サイト
・FOSTEX ヘッドフォン
http://www.fostex.jp/headphone-earphone/
> T50RP
http://www.fostex.jp/products/t50rp/
>プレスリリース
http://www.fostex.jp/20150911/6964/
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