尾崎豊のハイレゾ作品を聴いた感想。「ALL TIME BEST」のリマスター高音質版。 +尾崎作品の高音質化の歴史と解説。


ALL TIME BEST(初回生産限定盤)(DVD付)

 こんにちは。
今、人気が高まってるのがハイレゾオーディオ。

 そのハイレゾで尾崎豊の作品が発売されています。

今回は尾崎豊のアルバム「ALL TIME BEST」のハイレゾ版を聴いた感想をので紹介します。


■ [ALL TIME BEST]とハイレゾ化について。


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 発売は2014年8月13日から。ソニーの音楽サイト「MOLA」から配信されました。形式とビットレートはFLAC|96.0kHz/24bit。曲単位の販売もされてて一曲540円。

 配信時期は、2014年8月16日から全国公開の映画『ホットロード』と合わせた形で尾崎の楽曲「OH MY LITTLE GIRL」が映画で使われています

ALL TIME BEST(スペシャルスリーブ付)

 ● ハイレゾ版について

 ハイレゾ化では従来のCDよりも精度を上げて音源を再作成。データ量を増やして販売されます。『ALL TIME BEST』ハイレゾ版での形式は96kHz-24bit。

 尾崎作品のハイレゾ化は、ソニーも力を入れて特設サイトで経緯も紹介されています。
今回はアナログ音源からの再デジタル化で、マスターはオープンリールテープ。テープの熱処理とイコライジングをして新しく96kHz/24bitでデジタル化された作品になってます。



●  元のアルバムについて

[ALL TIME BEST]は2013年11月27日に発売された7番目のベストアルバム、デビュー30周年記念ベスト。初回はDVD,CDセット。通常版はCDのみ。



■ 尾崎豊の曲をハイレゾ版で聴いてみた感想。 


ALL TIME BEST(初回生産限定盤)(DVD付)

 
 選曲は一枚目のアルバムの一曲目「15の夜」から放熱への証の最終曲である「Mama, say good-bye」まで。14曲が選ばれています。

 [ALL TIME BEST]の収録曲数は全14曲。 選曲は一作目~「放熱への証」の中から。 ソニー在籍と復帰時代で、MOTHER&CHILDREN時の曲は無し。 発売順に沿って全アルバムからバランス良く入っており、聴きやすいアルバムです。

 選曲の基準は聴きやすい無難な曲が選ばれてますね。シングルカット曲やライブで人気が有る曲で「DRIVING ALL NIGHT」や「LOVE WAY」「汚れた絆」などは無し。尾崎豊の代表曲を聴きたい時や、初めて聴く人には良いと思う。

ハイレゾでの変化が分かりやすい曲を紹介しますね。

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● 初のハイレゾ版 体験

 最初に聞いた感想は「おっ」と思いました。

1曲目の「15の夜」は、イントロが静かに始まるため、尾崎の声が良く聞き取れます。中盤から、楽器が増えてきても余り音が潰れない。

 ハイレゾ用のスピーカーやヘッドフォンでなくても、従来の機器でも分かる。 
ハイレゾ化の恩恵は滑らかになった、音の粒だちや安定が良くなった。

 音圧は全体に上げられ、音質は今風にアレンジされており、高域が上げられています。




● 曲毎の変化

 ハイレゾになって感じるのは『音の情報量が増えた、音の響きが良くなってる』

 尾崎豊の曲は編曲が凝っていて楽器数も多いが潰れにくくなってる。
例えば「路上のルール」や「Scrambling Rock'n'Roll」。テンポが速くて演奏が入り乱れる曲で、CDだと音が潰れるがハイレゾ版は各楽器の音が綺麗に分離しており、尾崎の声も聴きやすい。

 スローな曲でもリマスターとハイレゾ化の効果の分かりやすい。
「シェリー」のように静かに始まる曲ではピアノの響きや尾崎の息づかいまで良く分かる。

「Forget-me-not」のような全体が静かな曲も、尾崎の繊細な歌い方が分かります。

 注目はアルバム『誕生』と『放熱への証』収録曲。共にアナログ化されていないので、同タイトルに含まれていた曲でハイレゾ化されたものは、現時点でデジタルでの最高音質です。

「FIRE」では音圧が高めなのと分厚くて曲の迫力が増してる。


■  感想 

 音質としてはカセットテープくらいです。
CDより良い音質だけどアナログレコードほどではない。

 もともとCDって音質は良くないので、デジタル音源もハイレゾ化してやっと聴ける音質になってきたと感じました。

現時点で、デジタルで流通し手に入る尾崎のアルバムとしては、最高の物になっています。





■ まとめ

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 現在の音楽環境。ハイレゾ対応スマホやPCで簡単に聴けるハイレゾ版はやはり魅力で、私は「誕生」や「Freez-moon」も聴いてみたいと思いました。(^^)

 気になるのは、結局マスターがアナログなのでデジタル化するなら、今後更に上のビットレート。形式で出てくる可能性が高いところ。

 ちょっと今回疑問だったのが尾崎作品は2004年にSACD版があるのとは2009年に、Blu-spec CDで24ビットリマスターされており、その時の作成したデジタル化音源を使えば、DSDや24ビット版は簡単に商品化できたと思うのですが。

 尾崎豊は死後の商売がひどいのが有名。ベスト盤の乱発や抱き合わせ商法にはうんざりです。 私もあまり興味が無いのですが、オリジナルアルバムの再発や高音質化は歓迎します。

 もう尾崎豊のアルバム毎か、オリジナルアルバムを全部まとめて高音質版を安く出して欲しいとは思います。





■ 今回の記事に関連する製品


 ハイレゾ版販売サイト

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 大手のレコチョクとE-ONKYOを紹介しておきますね。ハイレゾ版とMP3も販売中。


レコチョク


尾崎豊のコーナー


ハイレゾ音源配信 e-onkyo music


尾崎豊作品


・MOLA >ALL TIME BEST ハイレゾ版 






■ 付録2: 尾崎豊作品の高音質化の歴史

TEENBEAT BOX~13th MEMORIAL VERSION~

 尾崎豊は急逝後も人気が高いのと高音質化を進めるソニーに所属していたこともあり、新製品での高音質化対象になっています。

 今まで高音質版で登場した作品を紹介。

1 2004年10月27日にSuper Audio CDで、TEENBEAT BOX ~ 13th MEMORIAL VERSION ~ [SACD Hybrid] [期間限定生産]が発売(現在は製造中止)

2 2009年にBlu-spec CDで、オリジナル・アルバム6作品とベスト『愛すべきものすべてに』がリリース。24ビットマスターからリマスター。ブルーレイ素材と技術で作られたす。

3 このブルースペック版が好評で売れ行きが良かったことから、
2013年に再び『Blu-spec CD2』版としてアルバム6枚+ベスト盤が発売。

RECORDS : YUTAKA OZAKI(完全生産限定盤) [Analog]

 高音質化で次のステージはメーカーも考えてるようで、
尾崎豊のソニー時代のアルバムが来月アナログ版で「RECORDS : YUTAKA OZAKI」として復刻します。高音質で聴くのなら、2015年11月15日に復刻するアナログレコードが最強かもしれません。





■ CD、SACD,レコード


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今回の記事で紹介した作品。



・ALL TIME BEST (CD,+DVD版)

 今回紹介したハイレゾ版の元となった作品。








・アナログ版 

> RECORDS : YUTAKA OZAKI(完全生産限定盤)

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