
CMOS 555 / steve_lodefink
今回は、オペアンプを紹介します。
オペアンプはオーディオ機器に使われる小さなチップ。
最近のオーディオ界ではICが主流となり、普及してきたテクニックがICの交換。
~『オペアンプを交換するだけで音が変わる』と評判です。簡単な方法で音質が良くなるなら気になりますね。
わたしは元々は精密電子の世界でオペレーターをしており
半導体についても詳しいほうだと思いますので紹介します。
有名なオペアンプの特長と製品の種類、購入リンク。そして便利な交換用品を紹介。
■ オペアンプについて。 特長と人気

vivitar3315 + biconvex lens 035 / ronybc.com
オペアンプは、増幅器の電子回路で日本語では演算増幅器とよばれる。
歴史は真空管からトランジスタ、そしてディスクリートからワンチップ化されたIC回路へとの大きな流れがあります。現在はICが主流。そして用途や入力段の方式、製造方法や素材などでも細かく派生。
用途は軍用、医療、計測など色々。AV用ではアンプやCDプレイヤーなどの増幅部に使われる。今回紹介する出力部にも使われ、増幅や音質・安定化に影響を与える。
規格と形状は大きなDIP,小さなSOP,丸い金属のCANがあります。
8ピンの中に1回路と2回路入りがある。ステレオには2回路必要で、1回路を2個用変換基板でも使用可能。
メーカーは海外と国内製造がある。名機と呼ばれるバーブラウンのOPA627、日本だと新日本無線(JRC)のオーディオ用”MUSESシリーズ”が有名。
■ オペアンプの特長と使い方

オーディオで『音質に影響を与え、交換すると効果が有るもの』は機器だと入力部(ソース)とスピーカーがよく言われる。
最近の流行はDACや小型アンプが人気で、部品だとオペアンプ交換も人気が出てきました。
雰囲気は真空管の交換に近い。
交換方法はかなり簡単な部類。対象のオーディオ・アンプの部品と、交換したいオペアンプのサイズや対応ピン・ゲインなどの仕様を合わせれば、オペアンプICを差し替えるだけ。戻すのも簡単でリスクが少ない。
ジャンルによって怪しい物もあるオーディオパーツですが、オペアンプの場合は価格と性能が正比例することが多い。オペアンプは数百円から数千円と価格幅が大きく、そのため一般のオーディオ・アンプは価格を抑えるのに安価なICが使われている。 改良に高級品や選別したオペアンプに交換すると、音質や解像度を向上させたり好みを合わせられる。
難点は、一つはオーディオ・アンプ本体がケースを開けることでメーカー保証対象外になること。そして二つ目は製品のばらつき。オペアンプ自体が工業製品なので工場や製造行程・ロットや品質管理で仕上がりに幅がある。 またビンテージもの=古いチップだと製造国・会社や製造時期、そして再生やコピー品など悪質な偽造品がありオペアンプ交換の壁になっている。
リスクを減らすには現行の日本製品が安心。 ビンテージ物は部品販売で有名な店で購入することに尽きるでしょう。
[画像] 私も第9ロットをOPA627に交換しました。
■ オペアンプの紹介。
メーカー 各モデルの特長と性能 +購入用リンク

日本で販売されている有名機種、人気モデルを紹介。
■ バーブラウン OPA627

オペアンプで有名な存在。
バーブラウン社製で誘電体分離プロセスで製造。末尾型番のAPが標準品、BPが選別品。なお2000年にTI社がバーブラウンを買収しています。
価格が高いのが難点。OPA627の有名な逸話は『ハイエンド・オーディオで有名なマークレビンソンにも使われた』といわれる。私も使ってますが、正確で解像度も高い、澄んだ明瞭な音で全体が高音質。 ~さすが名機と呼ばれるだけある。
OPA627は一回路のみなので、既に使用しているチップが2回路の場合は、置き換えにOPA627が2個必要。あと『音が安定するのに時間を要する』という意見が多い。
OPA627は流通している種類が多いので、有名な品を紹介。
・OPA627BP
末尾にBが付くモデルは選別品です。
パッケージ形式はPDIP
> 変換基板実装
変換基板を使ってOPA627BPを実装し、良くあるデュアルオペアンプと交換しやすくしたもの。
・OPA627AP
パッケージ形式は、PDIP
・OPA627AU


OPA627のSOIC(ちいさいサイズ)。
OPA627AUは一回路なのでDUAL DIP変換基板を使って2回路とし、既存チップと交換可能になる。
わたしも使ってますが素晴らしく良い音になる。音の厚みが増し解像度が上がる、反応速度とスピード感が向上する。おすすめ。
・ しろくま工房 OPA627AU
シロクマ工房さんの製品がNFJの第9ロットリミテッドカスタム使用品と同一だと思う。私も使ってます。Amazonでも人気が高い。価格は安く入手しやすく仕上がりも綺麗。
>新モデル
2016年末頃から基板が白になりました。
> 販売中
長く販売されているモデル。基板が緑。
> 旧モデル。販売は終了してるようです。

・Burr-Brown社製 OPA627AU 2回路DIP化オペアンプ完成基板 実装品
NFJ 2018年7月発売

NFJから完成製品で登場しました。
同社組み立て型よりサイズが小型化されている。
・TI製 OPA627AU『新品』2回路8PinDIP化オペアンプ作成キット
TI時代のOPA627AU.新品。
2回路で載せ替えに便利。
・BB社製 OPA627(台湾製)2回路8PinDIP化オペアンプ作成キット
NFJ販売品。キットです。
台湾製でBB時代のチップ。リユースと思われます。
Amazonでも販売。
■ OPA827 - バーブラウン
OPA627の後継。
2006年発売でコストダウンの為に新プロセスを使って製造。パッケージはSOPのみ。
音質は627と異なる。627よりも高音質と評価する方もいます。
・ OPA827AID デュアル 8Pin DIP小型変換基板実装済み
しろくま製作所
TI製。
DIP変換基板使用。基板背面にもう一基実装され2回路になってます。
■ ADA4627
Analog Devices社のオペアンプ。
・ ADA4627-1B デュアル 8Pin DIP小型変換基板実装済み
DIP変換基板使用。
■ LME49990MA
ICとしては新しめ。
2010年にナショナルセミコンダクタから発売。SOPのみで登場。2016年に販売終了。
Hifiアプリケーション向きに作られた。他社のICを意識して、凌駕するように作られたスペック。音質が良く分離感が高い、ノイズが少ないと評価の高いIC。OPA627やMUSEを超えると言われています。
価格の高さが弱点。あと発振しやすいので扱いが難しい。熱を持つ場合が有ります。
4990MA等の"M"が付くのがSOIC。
・LME49990MA デュアル 8Pin DIP小型変換基板実装済み
TI社製
基板背面にもう一基実装され2回路構成。
■ 新日本無線株式会社(JRC) MUSESシリーズ
オペアンプ交換部品で定番。人気が有るJRCのMUSESシリーズ。
MUSESは新日本無線株式会社のチップに使われるブランド名。
~ 由来はギリシア神話の女神(ミューゼス)から。 オーディオ用デバイスでオペアンプや電子ボリュームに使用されています。
大手のネット通販でも、2018年頃から販売されるようになりました。
・MUSES01 (NJM5720) 2回路入りJ-FET入力高音質オペアンプ
2009年5月20日量産開始
人気の高いチップ。新日本無線の技術を結集した旗艦モデル。
"NJM5720"は、2009年12月8日より"MUSES01"に変更されています。仕様は同じ。
外形は8PIN DIP。2回路入り。
素材面まで踏み込んで作られ、フレームに世界で初めて無酸素銅を採用。高級、プロ用オーディオ機器用途に作られています。高解像度の音質。
・MUSES 02 2回路入りバイポーラ入力高音質オペアンプ
2009年12月量産開始
MUSES01に続いて市場の要求に応えて作られました。こちらもフラッグシップモデル。
形状は8PIN DIP。2回路入り。
OPA627に似た感じで、中音域が出ます。
■ THS4631D
Texas Instruments製。高速で広帯域のオペアンプ。SOCです。
非常に音質の評価が高いICで、ディスクリートを超えるとも言われます。ただ扱いが難しいのも有名で、発振と発熱し易いのが難点。
かなり気むずかしいIC。音質の評価が高くても、オーディオ機器の販売製品で使わるのを余り見かけません。個人での使用は熱と発振対策が難しく、高周波の発振解析ができる環境が要るでしょう。上級者向けです。
・THS4631 デュアル 8Pin DIP⼩型変換基板実装済み
しろくま製作所
TI社製。
基板背面に、もう一基実装され2回路になってます。
■ セット
・Analog Parts Kit [並行輸入品]
Digilent / Analog Devices
![Analog Parts Kit [並行輸入品]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51-MQSwO8tL.jpg)
![Analog Parts Kit [並行輸入品]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/410msFvFCCL.jpg)
Digilent社とAnalog Devicesの回路制作、実験用キット。
電子回路の学習用セットです。
ICやトランジスタ抵抗など、84種268個入り。 オペアンプも入ってます。
■ 書籍
・OPアンプMUSESで作る高音質ヘッドホン・アンプ―音楽を聴くのが楽しくなる (電子工作キットシリーズ) 単行本 – 2013/2
MUSES02を使いヘッドホン・アンプを作る行程が紹介されています。
・実験用OPアンプICサンプル・ブック[IC&基板付き]: オーディオ用から計測用までいろいろ試せる! (トライアルシリーズ) 単行本 – 2014/3/10
佐藤 尚一 (著)
オペアンプの解説、データシート、
ICと変換基板(SOP,SSOPをDIPに変換する基板)のおまけ付き。
読み物と言うより、索引のような本。
■ 周辺機器
オペアンプを使う時、交換に便利な用品
● 工具
・AC6088A 38in1特殊ドライバーセット トルクス ヘクスローブ 六角棒 Y型 三角ネジ 五角 ペンタローブ プラス マイナス iphone5 アイフォン ハッピーセット コンパクト
アカウント株式会社
特殊ドライバーのセットで人気の品。
特殊ネジで封印されたアンプの筐体やシールドケースを開ける時、基板を外す時などに使える。
・エンジニア 卓上導電マット ZCM-06

導電マット。
電子工作や帯電防止に使えます。
・アイネックス 静電防止リストバンド SB-04
AINEX
良くある形状の静電防止リストバンド
・サンワサプライ 静電気防止リストバンド(コードレスタイプ) TK-SE11
コードレスタイプ
・エンジニア 基板コネクター抜き SS-10
エンジニア(ENGINEER)
IC用引き抜き工具で一番人気。
・サンハヤト ピンそろった ICS-01 ワンタッチでDIP ICのピンが整列
ICの足を矯正、整列させる製品。実装をし易くする。
ICを差し込んで握るだけで、足が綺麗に真っ直ぐになります。
表:300mil幅 8~20pin IC対応
裏:600mil幅 24~64pin Iに対応
■ 販売と価格
日本メーカー製だと、国内有名電子部品販売店。古いチップだと個人売買もあります。リスクを避けるのには有名店での購入をオススメ。
商品自体の元価格に差があり、数百円~数千円のものがあります。古いチップの場合は、チップ自体の製造国や時期と程度で差が出ます。
■ 交換のコツ
IC交換のコツは、静電気や熱対策。交換対象機器の電源コンセントを抜き、スイッチをオンオフして残留電気を抜いてから交換します。ICは繊細なので、ショートや突入電流に注意が必要。
化学繊維の服や下着は避けて、コットンの服を着るのがおすすめ。そして身体の静電気を鉄の家具などにアースして良く放電しておきます。
あとはピンの向きと電源を良く確認してから装着。
電源を入れる時は、入力ソースとアンプ側のボリュームを最小にしてから行います。
そして発振したり、異常な熱を持ってないか確認してから常用使用を開始する。
■ 後記
ICはとても繊細な部品。
静電気やハンダなどの熱や高周波を受けると一瞬でダメになる時があります。
私も、気を抜いて作業して かなり高価なチップを積んだ回路を電源を逆に接続してしまい、一瞬でダメにした苦い経験があります。
大事に取り扱って、長く使って下さいね (*^_^*)
■ 更新情報
2019年7月4日 KRB amz lady-n用タグを修正
2018年11月21日 NFJ OPA627AU 完成品追記,MUSE01ヤフー,02販売終了リンクを差し替え
2017年05月15日 THS4631D追加 、リンク切れ製品差し替え
2017年03月29日 NFJ OPA627キット追加
2017年03月02日 文章調整、シロクマ工房 OPA627新モデル差し替え
2016年08月19日 OPA827,LME49990MA追加 Dgietセット、書籍 実験用OPアンプICサンプル 追加
2015年02月27日 文章誤記修正
■ 勉強になるサイト
・音松のオペアンプ道
http://www.wisetech.co.jp/opampdou/
■ 関連URL、参考サイト
・ 新日本無線サイト
http://semicon.njr.co.jp/jpn/MUSES/MUSES01.html
・プロセッサー 諸元表、データシート
THS4631
http://www.tij.co.jp/product/jp/THS4631
>MUSES01
http://semicon.njr.co.jp/jpn/PDF/MUSES01_J.pdf
>MUSES02
http://semicon.njr.co.jp/jpn/PDF/MUSES02_J.pdf
・Overture Eシリーズ 超低歪み、超低ノイズ・オペアンプ
http://www.kyohritsu.jp/eclib/OTHER/DATASHEET/TI/lme49990.pdf























